未分類

鈴木恵美子さんインタビュー②「会社を運営するにあたって一番印象的だった出来事」

会社を運営するにあたって一番印象的だった出来事

JAMS記者:起業されてからこれまでに一番印象に残った出来事は何でしたか?
 
鈴木:起業してすぐはガレージを工場にしておしぼりを手で巻いて、、、という所からのスタートで、私は家計を支えるために他の場所でも仕事をしながらの運営でした。けれど「このまま中途半端にやっていて良いのだろうか?」という疑問が湧き、「家族で一つの船に乗ろう。舵は夫に取らせて、とにかくこの会社に賭けてみよう!」と決意し、ビジネスチャンスを広げるために、2007年3月にケータリング関係の会社が多数出展した展示会に出ることになったんです。
 
JAMS記者:ケータリングの展示会というものが行われているんですか?
 
鈴木:はい。イベントプランナーやホテル、レストラン関係の会社が何100社と集まって行われる展示会です。そういった展示会に出展すること自体初めてだったので緊張しましたよ。
 
JAMS記者:ちなみにおしぼりというものはそういった展示会で出展されるほどオーストラリアで認知されているものなんですか?
 
鈴木:いえ、全く!セールスの電話をするときでも「なにそれ?」という反応で、まずおしぼりがどういうものなのかを分かって頂くところから始めなくてはいけないので大変です。その展示会でもおしぼり屋は私たちだけでした。
 
JAMS記者:なるほど。こちらではまだ、おしぼりがホスピタリティ関係の仕事をしている方にも浸透していないんですね。
 
鈴木:はい。そのぶん出展に向けてのプレッシャーは大きかったです。試行錯誤を繰り返しながら展示会に向けての準備を進めました。しかしその時、なんと展示会2週間前に、生命線である日本から輸入したおしぼりを巻く機械が爆発するという事故に見舞われたんです!その時は頭の中でベートーベンの「運命」が「ダダダダーン」っと流れました。「運命はこういう風に変わるのか、、、」って。(笑)
 
、、、けれど、その全てがゼロになった瞬間に、自分の中の強さが試されているような感じがして、思いも付かないようなパワーが湧き上がってきました。とにかくすでに注文が入っているお客様へは在庫をかき集めておしぼりを届け、夫と2人で力を合わせて、自分たちが出来る範囲で精一杯頑張りました。その時初めて、これまでなかなか噛み合わなかった「夫と2人で力を合わせる」という歯車を噛み合わせることが出来たように思います。
 
JAMS記者:その時は大変でしたでしょうが、結果的には素晴らしい経験となったわけですね。
 
鈴木:はい。それまでは会社の運営があまりに大変で、夫に対しても理解を示すことが出来ないことがありましたが、逆境の中で絆を深めることが出来ました。2人ともとにかく展示会を成功させようと必死でしたね。結局、展示会では1000人以上のお客様が集まりました。その場での契約は出来なかったものの、終わってからの達成感があり、「これまで見えなかったものが見えた」と感じることが出来たんです。
 
しかも展示会の次の日に電話があり、なんとオーストラリア全土に20数店舗を展開している大手レストランチェーンから大量の注文を受けたんです!!!注文書を頂いたのですが、それまでと2桁3桁違うようなあまりの大量注文に驚きましたが、大きな転機となり、ここまでやってきたことが報われた形になりました。そしてその後シドニーの有名店からも注文を受け、現在は登り調子で頑張っております。

 

 

この記事をシェアする

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら