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7「仕込み水」

7「仕込み水」

 

日本酒は米、米麹、水を原料として仕込まれます。その中でも最も構成比の高いものが「水」です。日本ではこのお酒を仕込む水を「仕込み水」と言って、お酒の会や懇意にしている近いレストランで飲んでもらっています。また、秋田の天寿さんや石川の福光屋さんなど、この仕込み水を一般販売している蔵元もあります。

水には軟水と硬水がありますが、基本的には日本の水はヨーロッパなどと比べると軟水の部類に入りますが、その中でも硬水と軟水が分かれています。

昔は発酵技術が未熟で「灘の宮水」を代表とした硬水の水での仕込みが重宝されておりました。ミネラルをふんだんに含む硬水は発酵を助成し、お酒を造りやすかったようです。

また硬水で仕込んだお酒は春の味が硬く、熟成させて秋あがりが良いとも言われています。

反対に軟水で有名なのは広島県で、広島はこの軟水を使用した吟醸酒造りで一躍全国へ名を轟かせました。

この仕込み水の中に存在してはいけない成分が1つあります。それは「鉄分」です。仕込み水に鉄分が多いと、麹の造るデフェリフェリクリシンと結びつき、赤橙色のフェリクリシンという物質になり酒を着色させます。

南部美人ではどうかというと、仕込み水は中硬水となります。鉄分は全く含まれませんし、汚染もされておりませんので、ろ過や徐鉄など一切の処理を仕込み水にすることなく、湧いている井戸水をそのまま使うことが出来ます。井戸の中をのぞいてみると、真っ青に光った水が湧いています。

この井戸ですが、仕込みが始まる前には全部水を出して中を綺麗に掃除します。また、仕込みが終了した後も同様に綺麗に掃除します。

このように蔵元は水を非常に大切に考えています。米は買えても仕込み水は買えないからです。これからも蔵で湧いている仕込み水を大事にして、酒造りをしていきたいと思います。

 

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