11「もろみの話」
日本酒は昔から「1麹、2もと、3造り」といわれ続けています、と前回と前々回のコラムにも書きました。今回は3番目に大事だといわれている「造り」についてお話したいと思います。
原料米、水、麹、酵母、と今までお話してきた全ての材料を1つにまとめるのを「造り」といいます。これら全てが1つのタンクに入り、日本酒の本仕込み、本発酵がはじまります。
ワインや焼酎の発酵は20度から30度程度の高温で発酵させるのですが、日本酒は10度から15度という低温で発酵させます。さらに発酵期間も他の酒類よりも長く、25日から35日かけて発酵をします。「低温長期発酵」が日本酒の発酵の1番の特徴でもあります。
この日本酒の発酵ですが、世界でも類を見ない特徴的な発酵の形態をとります。世界の醸造酒は単発酵や単式発酵が主流です。つまりすでに存在する糖分を酵母がアルコールに変える発酵です。
日本酒の発酵は「並行複発酵」という形態をとります。
この発酵はどのようなものかと言うと、同じタンクの中で「糖化」と「発酵」が同時に行なわれるということです。麹が米を糖化して糖分を作り、その糖分を酵母が取り込みアルコールに変える、という作業が25日から30日も続きます。
このように酵母に対して餌である糖分を最後まで麹が供給できるので、日本酒は世界の醸造酒の中でもまれに見る高いアルコールを作り出すことが出来ます。ワインは14度程度ですが、日本酒は純米酒で18度近くまでアルコールが出ます。
このような低温長期の並行複発酵により、アルコールも出ますが、それ以外にたくさんのアミノ酸も作り出す事が出来、日本酒はあのような豊かな味わいになります。
このように手間と時間をかけて、一滴のお酒が出来上がりますので、日本酒を飲むときはじっくりと味わいながら楽しんでください。
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