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20「貯蔵について」

20「貯蔵について」

 

今回は日本酒の貯蔵についてお話したいと思います。

日本酒は前回までのコラムでもお話したとおり、火入れをして殺菌していますので、その昔、貯蔵は常温での貯蔵でした。現在でも常温での貯蔵は普通ですが、地酒の蔵元は冷蔵貯蔵を推進しているところも多く、南部美人でも全量マイナス10度からプラスの10度の様々な冷蔵庫でそのお酒に適した冷蔵熟成温度で貯蔵しています。

常温で貯蔵するお酒は劣化も早く、ヒネ香や色の変化が早く現れます。ですから、前のコラムでも書いたとおり、出荷する前に炭素ろ過をして色を透明にし、香りや味を矯正してヒネ香などを取り除き商品として出しております。

冷蔵貯蔵をしているお酒は、常温貯蔵のお酒と比べはるかに劣化のスピードも遅く、フレッシュな状態が長続きし、お酒の熟成もゆっくりとすすみ、香りや味の変化などではなく、味のまろやかさが前に出てきます。

よって、冷蔵熟成のお酒に関しては、炭素ろ過をしないお酒が多いです。

生酒に関しては、もちろん冷蔵での貯蔵が絶対条件となります。なぜなら、前にもお話したとおり、日本酒を腐らせる火落ち菌を殺菌していませんから、高い温度で貯蔵するとたちまち火落ちしてしまいます。

よって生酒に関しては必ず冷蔵庫での貯蔵が必要になり、購入したお客様も冷蔵庫での保管をお願いしています。

蔵ではこの熟成の度合いを見計らい、一番良い状態のものを商品として順次出荷していますので、炭素ろ過していない冷蔵貯蔵のお酒に関しては、1つの種類のお酒を春夏秋冬の季節の熟成度合いを楽しみながら飲むことも可能になります。

日本酒はこうやって冬に造られたものを、それから1年から1年半かけて販売をしていくのです。

 

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