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45「地球温暖化と酒造りの関係について」

お知らせ:1月中はブログを更新できなくてすみませんでした。実は1月中旬に当社の会長が亡くなり、葬儀等でバタバタしておりどしても書くことが出来ませんでした。今日からまた連載を復活していきますので、よろしくお願いします。

 

45「地球温暖化と酒造りの関係について」

 

ここ数年、日本では地球温暖化を防ごうと、夏はクーラーの温度を28度に設定して、ノーネクタイで過ごす「クールビズ」が国会や各省庁、各県庁などの公務員をはじめ、様々な場所で行われています。また、冬はヒーターの設定温度を20度にしてひざ掛けや、厚着をしするウォームビズなども行われています。

これは全て地球温暖化の元凶とされるCO2を排出しないようにする努力で、日本ではだいぶ定着してきました。

この地球温暖化、北海道洞爺湖サミットでも取り上げられましたが、酒造りにとっても非常に大きな影響を受けています。

まず、原料米の米ですが、ここ数年、兵庫県の山田錦という日本で最高と言われる酒米がありますが、これが高温障害を受けやすくなっています。特に2007年冬の酒造りでは、この山田錦が顕著に高温障害を受けた影響から、近年まれにみる固く、溶けにくい状態でした。これは全国の山田錦を使って造る蔵元が影響を受け、特に鑑評会出品酒といわれるものではこの影響が大きく出ました。

実は今年の山田錦も高温障害を非常に強く受けております・・・

味わいが薄いお酒が多く、この年の全国新酒鑑評会では山田錦の部とそれ以外の米の部で、初めて金賞受賞率が逆転し、山田錦以外の米で造る部の方が山田錦で造る部よりも金賞受賞率が高くなりました。

また、酒造り全体としても地球温暖化の影響は大きく、私達が住んでいる岩手県でも仕込みの温度を自然の外気温度を利用して蒸米を今までは冷やせていたのですが、ここ最近は仕込み水の一部を氷にして仕込まなければいけない時期が長くなってきました。昔は11月後半になれば氷は使わなかったのですが、最近は12月まで氷や必要になることもあります。

しかし、米に関しては、南の山田錦は高温障害で厳しくなっていますが、逆に冷害をいつも心配する岩手県などでは、ここ数年米の出来は夏の暑さのおかげで最高のものができており、私たちが契約栽培する二戸市の「ぎんおとめ」は昨年1等の上の等級の「特等」が半分以上でました。

地球温暖化と酒造り、非常に関係が深いので、これからもしっかりと地球温暖化を意識した生活をしていきたいと思います。」

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