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シドニー発豪ドル見通し(2011年3月7日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場情報を発信している。為替歴28年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

3/7(月)日本景気動向指数、カナダ2月住宅建設許可、ECBトリシェ総裁講演、レーン欧州委員講演、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

8(火)日本1月国際収支、景気ウオッチャー調査、独1月製造業受注、日銀白川総裁講演、ウエーバー独連銀総裁講演

9(水)日本1月機械受注、豪州3月Westpac消費信頼感指数、独1月鉱工業生産、スティーブンスRBA総裁講演

10(木)日本第4四半期GDP二次速報値、NZ準備銀行政策金利(地震の影響で利下げ観測!3.00%→2.75%)、中国2月貿易収支、韓国政策金利、英中銀政策金利、米新規失業保険、1月貿易収支

11(金)中国2月PPI、CPI、鉱工業生産、小売売上高、カナダ2月失業率、米3月ミシガン大学消費者信頼感指数、ビニスマギECB専務理事講演、ダドリーNYK連銀総裁講演、メルケル独首相講演、臨時EU首脳会議

 

マーケットの焦点

  引き続き市場の焦点はインフレ懸念の台頭、リビアはじめ地政学的懸念、米経済の回復期待の三つにあります。世界的に商品価格が上昇していますが、その構造は中東懸念による原油高(1バレル104ドル台)と、アジアを中心とした新興国経済の拡大からの食料品や衣料品(コットン、ウールなど)の高騰という二重構造になっており、金は安全資産、インフレヘッジという両面から買われて、先週は1オンス1441ドルと、史上高値を突破しています。このようなインフレ懸念の高まりを反映して、主要国の金融当局者はインフレ抑制のための金融引き締めを徐々に匂わしています。またそれは先進国に留まらず今年になってから何度も利上げを繰り返す中国やその他アジア諸国、ブラジルなどの資源国にも及んでいます。さて日欧米の三極で見てみますと、金融引き締めの切迫性は現在、欧州>米国>日本という構図です。金利引き上げから最も遠い環境にある(恒常的に?)日本はさておき、先週はECBのトリシェ総裁はじめECB当局者が相次いで”4月利上げの可能性”を示唆しました。バーナンキFRB議長も議会証言で”出口戦略”に一歩踏み込んだ発言をしていますが、市場は足元、現在の欧米の金利差(政策金利は米国0.00、欧州0.5%)が更に拡大すると見てユーロ買いが強まり、先週ユーロは昨年11月以来の高値1EUR=1.40USDまで上昇しています。もう一つの焦点米国経済は発表された2月の雇用統計で、非農業部門就業者数が+192千人と5ヶ月連続の前月からの増加を記録し、失業率も8.9%と1年9ヶ月ぶりの低下を示しましたが、あまり市場には評価されず(?)米金利先高感は大きくは高まっていません。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0077-1.0200 AUDYEN 82.65-83.97

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0050-1.0250 AUDYEN 82.50-84.50

”今週は引き続き高値圏での揉み合い” 

先週の豪ドルの動きは”高値圏での揉み合い”でほぼ正解でした。つまり資源価格の高騰はサポート要因ですが、リビアはじめリスク要因も存在し、また米国の雇用統計も堅調であり、大きく米ドルを売って豪ドルを買い上げる地合でもないというところです。豪州国内ではRBA理事会における金利据え置きは予想通り、むしろRBA総裁から”積極的な利上げの示唆はなっかた”との市場の受け取り方です。また発表された豪州指標ではQ4GDPや1月小売売上高はやや予想値より強い数字でしたが、依然として小売部門は軟調との評価。資源関連の設備投資が旺盛な反面、1月住宅建設許可が洪水の影響などで-15.9%と大きく落ち込むなど、景気も”まだら模様”というところ。さて今週豪州国内では水曜日のステーブンスRBA総裁の講演と3月Westpac消費者信頼感指数、さらに木曜日の2月雇用統計(予想値―失業率5.0%、前回5.0%、就業者数+20千人、前回+24千人)が注目されます。また金曜日には上記<予定、イベント欄>のように中国の2月各種指標や米国の2月小売売上高などの指標が重要。金曜日にはEU臨時首脳会議も開催されます。今週の豪ドル相場もこのように、豪州国内・米国・欧州・中東情勢と「カメレオン的視点」で多くの材料を見ていく必要がありそうです。日本では前原外相が辞任したようですが、豪州のギラード政権も炭素税導入や洪水被害対策としての増税問題など問題山積で支持率も32%程度に低下しています。政治経済ともに”豪州だけ一人勝ち”という状況ではありません。したがって豪ドルも上部では利食いの売りにキャップされて一気に新高値更新とは行かないでしょう。ただ豪ドル円はじめユーロ円、カナダ円など円クロスは日本の政局混迷や原油高(原油高は実際の輸入決済のドル買い増加と100%原油輸入に頼る日本経済への悪影響から円安要因)、3月末の資金還流も峠を越した可能性もあり堅調推移するものと思われます。

つボヤキコーナー

最近豪州の物価が高い!ガソリン、食品、衣料品、家賃、、、、収入を考えると東京より高い!との実感です。石油については豪州は産油国でもありますが、輸入もしているというおかしな国。つまり石油は豪州の西部で産出されますが、これを主な消費地である東部まで持ってくるには陸送はとても無理(飛行機でも5時間かかります!)。そこでタンカー輸送となりますが、その距離がまた半端ではなく、そのコストは中東から持ってくるのと変わらないのだとか。また国内産は品質的にガソリン用にはあまり向かないのだとか。また日用品などかなりの部分を輸入製品に頼っているのも物価上昇の一因です。農産品にしても産地のクィーンズランド州が洪水やサイクロン被害にあえば、バナナが一本200円に跳ね上がります。

東京の物価は高いものと安いものの二極化と聞きますが、どうもシドニーではあまり選択の余地はないようで、、、、

 

 

 

 

それでは 、Have a nice DAY!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

最近のサンプルを添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

 

 

       

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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