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シドニー発豪ドル見通し(2011年4月4日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

4/4(月)中国、台湾市場休場(清明節)、ユーロ圏2月PPI、トリシェECB総裁講演、ドラギ・イタリア中銀総裁講演、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、エバンス・シカゴ連銀総裁講演、バーナンキFRB議長講演

5(火)中国、香港、台湾休場(清明節)、RBA理事会(金利据え置き予想)、豪州2月貿易収支、ユーロ圏2月小売売上高、米3月ISM非製造業景況指数、米FOMC議事録

6(水)日本2月景気動向指数、英2月鉱工業生産、ユーロ圏Q4GDP確報値

7(木)豪州3月雇用統計、日銀金融政策決定会合、ECB理事会(利上げ予想1.00%→1.25%)、BOE政策金利、米失業保険、ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演

8(金)日本2月経常収支、貿易収支、カナダ3月失業率、米2月卸売在庫、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、ユーロ圏財務省会合(ブタペスト、9日まで)

 

マーケットの焦点

先週は市場リスクの存在にもかかわらず、主要国の株価や商品相場は続伸しました。為替相場では円が対主要通貨で下落するという、いわゆる円キャリートレードが活発化し、典型的なリスク選好相場となりました。

金曜日の引け値を前週末と比較してみますと:

ドル円 84.03(81.40)

ユーロ円 119.60(114.59)

ポンド円 135.37(130.49)

豪ドル円 87.24(83.48)

カナダドル円 85.97(82.96) と、大幅円安です。

市場には依 然としてリビア問題、欧州財政不安、日本の原発問題とういう

”リスクトライアングル”が存在しますが、リスク慣れしてきた相場が、一旦リスクを開放する方向に弾けた感じです。ただこの円売りの動きにも、それなりの理由があったことは確かです。それらを挙げてみますと:

1.日本の3月期末に向けた国内へのリパトリ(本国への資金還流)に絡む円買い需要のピークアウト

2.米国の出口戦略(金融緩和の終了)への思惑の高まりと週末に発表された米国3月雇用統計の予想外の改善

3.先月18日のG7円売り協調介入の絶大な効果と、その後のG7各国の介入評価姿勢

4.日本の地震に伴う本邦輸出減少の観測(輸出の減少=円買い需要の減少) 等々

したがってリスクトライアングルがこのまま収束に向かうのか?あるいは再びリスクの揺り戻しが来るのか?を見極めることが今後の市場の焦点となります。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0206-1.0395 AUDYEN 83.45-87.57

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0500 AUDYEN 84.50-88.50

今週の豪ドルは”新高値を狙うが、利食い反落の可能性も”

上述のように、先週の豪ドルは円クロスに先導される形で新高値へと上伸しました。豪ドルは週初1.02近辺、83円台半ばでオープンした後、1.04近辺まで上昇していますが、特に豪ドル円は87円台半ばと4円超の大幅上昇です。背景は2002年代~2008年代に隆盛を極めた”円キャリートレード”(低金利の円を借り入れて、売却して高金利通貨で運用する)が久々に登場したことによります。つまりは実需よりは投機的な動きよるものということです。

ただ豪州国内を見ますと然程豪ドルサポート要因に恵まれていないのが実情です。

発表された2月小売売上高+0.5%(予想+0.3%、前月+0.4%)は若干予想を上回りましたが、住宅建設許可は-7.4%(予想+4.0%、前月-15.9%)と不冴えであり、景況感は”まだら模様”です。

また前週末のNSW州選挙では与党労働党が惨敗していますが、今後は炭素税や資源利用税の導入問題など、労働党の政局運営には難問山積です。

”走り出したら止まらない投機通貨の王様豪ドル”ですが、上記のように不安材料も結構あるわけです。

最近当地新聞の経済欄でも”豪ドル高の弊害”なる記事が目に付きます。

主な理由は資源関連以外の輸出産業の競争力低下ですが、資源関連でも各州政府に落ちるロイヤリティー(資源採掘権)が米ドル建となっているため、豪ドル高によるロイヤリティー受け取りの目減りが資源州の財政を圧迫しているというものです。

今週木曜日には豪州3月の雇用統計が発表されますが、予想値は失業率5.0%(前月5.0%)、就業者数+22.0千人(前月-10.1千人)と再び増加トレンドに戻るを予想となっています。

先月落ち込んだ就業者数が再び増加すれば豪ドル一段高の可能性が強まります。ただし現在豪ドルは変動相場制移行後の高値を更新中ですが、リスク選好の動きに再び水を差すような出来事が起これば、現在積み上がりつつある豪ドル買いポジションの調整反落が起きることは間違いなく、この点留意しておく必要があるでしょう。

つボヤキコーナー

”ツイッターなるもの”

最近回りのディーラー仲間でもツイッターやフェースブックなるものをする人間が増え「お前もどうだ?」などと誘われます。

ただし、自分は根っから無精者ですし、友達などはたまに会ったり飲んだりするからいいのであって、毎日ベッタリなんて真っ平だと思います(天邪鬼?)

よく”有名人とツイッターで会話した”とか得意がっている知り合いもいますが”あんたは向うを知っていても、向うはあんたなんかぜんぜん知らないよ”と言ってやります(天邪鬼?)

しかし世の中も変わったもので、銀行間の為替取引でも今では例外なくオンタイムのモニターディーリングシステム(チャットのようなもの)で銀行同士が瞬時にディーリングをしますが、私が為替ディーリングを始めた30年ほど前には(古~い)、ペーパータオルのような紙ロールのついたテレックスという機械で取引していました。

外国の銀行がロンドンやニューヨークや中東から直接テレックスで呼んできて「USDYEN 10mio Pls?」(1千万ドルの米ドル円の売り買い両サイドのプライスをくれ」とかしょちゅう呼んでくるわけです。

先輩ディーラーが大声で「84.05-10」(84円05銭で買ってもいい、10銭で売ってももいい)と叫びます。我々ジュニアディーラーのテレックスボーイがテレックスに「84.05-10」と打ち、相手が米ドルを買いたい時は「at 10」と相手が打つわけです。その数秒間に相場がたとえば急上昇すると、先輩ディーラーが「チェンジ!」と叫び、我々はテレックスに「chchchchchch」(changeの意味)と超スピードで打ちます。この「ch」が印字されより早く、相手の「at 10」が先に印字されると大変なことになるわけで、chchchかat10かどちらか先に印字させるかの双方テレックスボーイ同士の命をかけた戦い(ちょっとオーバー)となるわけです。こちらの「chchchchchchchchchchchcchhch」が勝つと先輩ディーラーに「よくやった、根性あるな」とお褒めをいただくわけです!?

どうも肉声ではない視覚による会話があまり好きではないのはその時のトラウマのせいでしょうか?、、、、

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

       

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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