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シドニー発豪ドル見通し(2011年7月11日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

7/11(月)EU財務相会合

12(火)日銀金融政策決定会合、米5月貿易収支、米FOMC議事録

13(水)中国Q2GDP、中国6月指標(小売売上高、鉱工業生産、外貨準備)、英6月失業率

14(木) NZQ1GDP、韓国政策金利、ユーロ圏6月消費者物価指数、米6月生産者物価指数、米新規失業保険

15(金)米6月消費者物価指数、7月NY連銀製造業景気指数、米6月鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感指数

マーケットの焦点

キーワード― 欧州問題(ギリシャ、イタリア)、米国債務上限引き上げ問題、バーナンキFRB議長の議会証言(半年に一度)、中国GDP

先 週もギリシャ問題、RBA理事会、ECB(欧州中央銀行)の利上げ、予想より悪い米国の6月雇用統計と盛りだくさんでしたね、、、

金融市場の動きとしては、世界的に株価、商品相場が前週より上げていますが、これはギリシャ危機が多少遠のいたことを好感したもの。しかし逆に安全資産買いで金が大幅に反発するなど、まだまだ市場の安心感も本物ではないようです。

ギリシャの追加融資案ではギリシャ政府、EU、IMF、ECBで合意を見ましたが、ギリシャ債務の乗り換え(ロールオーバー)に関する民間セクターの関与の仕方や、新たにイタリア情勢など、まだまだ問題は山積。

事実先週ムーディーズはポルトガル国債をジャンク級に格下げしていますし、本日開催されるユーロ財務相会合ではギリシャ債の一部デフォルト(債務不履行)を容認する案が出るとの憶測もあります。今週も欧州問題からまだまだ目が離せません。

一方、もう一つの焦点はやはり米国。13日(水)にはバーナンキFRB議長の半年に一度の下院金融サービス委員会において、”経済・金融に関する議会証言”が予定され、これまた注目されます。

先週は米経済回復期待が強まりましたが、週末金曜日に発表された6月の雇用統計は非農業部門就業者が予想の105千人増加に対して18千人増加に留まり、失業率も9.0%予想に対して9.2%と非常にディスアポインティングなものでした。また米債務上限引き上げ期限が8/2に迫っています。

同議長の口からは「米景況感、追加金融緩和、金融引き締め(出口戦略)」のなんでも出てくる(?)可能性があり相場変動要因となるでしょう。

また米国の共和党や民主党の一部では”雇用促進法(本国投資法)”第二弾を要請する声が上がっています。(2004年に1年間の時限立法として成立した)。これは米企業が海外に滞留される7000億ドル-1兆ドルと言われる資産を米国に還流させて雇用促進や景気回復に役立てようと言う試みで、実際に本法案実施を背景に2005年に米ドルは大きく反発しました。この法案の成り行きも今後注目すべきです。

更に13(水)には中国の第二四半期GDP、6月諸指標(小売売上高、鉱工業生産、外貨準備)が発表になります。先週中国は今年3度目の利上げを行いましたが、週末に発表された6月のCPIは+6.6%(年率5月+5.5%)と今年目標値4%を大きく上回っており、依然懸念材料です。また7月には人民元の切り上げ観測もあり、中国情勢からも目を離せません。

このように金融市場を取り巻く材料には事欠きません。

少々材料の多さに食傷気味ですが、まったく材料のない”バタ凪(なぎ)”よりは、まだマシかもしれませんね?

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0654-1.0788 AUDYEN 86.28-87.81

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0550-1.0850 AUDYEN 85.00-88.00

今週の豪ドルはトレンド定まらず”材料によりアップ&ダウン”でしょう

先週の豪ドルは”下げて上げて下げる”でした。

ある意味でUP& DOWN”という見方が正解だった訳ですが、まだ好悪両材料に翻弄されて、ベーシックなトレンドを見いだせずにいるようです。

先週豪ドルは週初1.07台後半、87円台の高値圏でスタートしましたが、火曜日のRBA理事会(予定通り金利は据え置き)後の声明で金利再引き上げの示唆がなかったことや、ポルトガル債格下げ(ジャンク級に)でユーロが下落した動きに連れて、1.06台半ば、86円台前半に下落しました。

しかし木曜日に発表された6月の雇用統計が+23.4千人とここ2カ月の不調を吹き飛ばすような強い数字であったことから、豪ドルは一気に1.07台後半、87円台後半に反発します。

この従来のレジスタンス(抵抗線)レベルを突破したかに見えましたが、金曜日に発表された米国6月雇用統計の予想外の悪い数字に、再び”リスク回避の動き”が強まり、現在1.07前後、86円台前半に反落しています。

イベントの多かった先週の”豪州週間”も終わり、今週は豪州国内的には大きなイベントがありません。したがって、再び欧米のニュースなど国外要因で豪ドルも動きそうです。

ただ週末にギラード政権は来年7月に導入予定の”炭素税導入の細目”を発表していますが、国民に不評の同税導入が及ぼす影響や、政府支持率の更なる低下は豪ドル安要因と認識される可能性があります。

また豪ドル円に関して言えば、下がったところでの本邦投資家の買い意欲は依然て旺盛です。ただ米ドルが先週金曜日の米雇用統計以来、再び80円台半ばまで下落しており、80円割れにはオプショントリガーのストップロスの売りが溜まっている模様です。

上述のようなリスク要因が表面化する場合には、投機的な円買い圧力が強まり、豪ドル円を押し下げる可能性がある点は要注意でしょう。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

 

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ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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