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シドニー発豪ドル見通し(2011年8月22日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

8/22(月)シカゴ連銀全米活動指数

23(火)RBAバテリノ総裁補講演”経済と金融状況について”

独・ユーロ圏8月ZEW景況感調査、カナダ小売売上高、米リッチモンド連銀製造業指数、米7月新築住宅販売件数、グリーンスパン前FRB議長講演

24(水)独8月IFO景況指数、米7月耐久財受注

25(木)独9月GFK消費者信頼感調査

26(金)スティーブンスRBA総裁証言(年2回、下院)、日本7月CPI、米Q2GDP改定値、ミシガン大学消費者信頼感指数、バーナンキFRB議長講演(ジャクソンホール)”米経済の短期及び長期見通し”

マーケットの焦点

キーワード― 世界株価(欧米債務問題)、ドル円75円台―日銀追加介入の有無、日本格下げ観測、バーナンキFRB議長講演(ジャクソンホール金曜日)、RBA総裁証言(金曜日)、RBA副総裁講演(火曜日)、人民元切り上げ観測

先週の金融市場は前週のパニック的なアセット売りは落ち着いたものの、週初のリスク回避一服感も長続きしませんでした。週末にかけては新たなリスク回避の動きが活発化し、結局前週比で世界的に株価が続落した1週間でした。前週のFOMCで超低金利を少なくとも2013年まで継続する旨の発表を好感して、週初はリスク回避の巻き戻しが見られました。

加えてスイス中央銀行がスイス高けん制のために流動性供給や新たな政策を打ち出すとの思惑からドルスイスフランが安値0.70台から0.80台に反発したこともリスク回避の動きに調整を誘いました。(スイスフランを一時ユーロ相場にペッグさせる、あるいはネガティブインタレスト―預金をすると金利を支払う!?―の思惑も出ました)

しかし週後半は再び不安材料が市場を支配しました。米金融当局が欧州債務問題の米金融システムへの影響を懸念し、欧州銀行の米国支店/現法を調査するとの思惑や、欧州経済に対する弱気な見方、EUの一部の国がギリシャ融資へ担保を要求してしること、更には仏、伊で実施されている株の空売り規制が独や英国に波及するとの思惑が株のヘッジ売りを誘いました。結局このリスク回避の動きがドル円相場にも飛び火し、先週金曜日にドル円は戦後の最安値75.95円まで下落しました。

さて、今週も先週に引き続いてリスク回避の出方と世界の株価動向が焦点となります。中期的にはリーマンショック後の世界経済回復基調が継続するとの見方が一般的ですが、その前に欧米債務問題に起因した”景気の二番底”がやってくるのか?

その意味で金融当局者の”景気の現状認識”が注目されますが、今週予定されるバーナンキFRB議長の講演(金曜日@ジャクソンホール―昨年はこの講演後に金融緩和に大きく舵を取っています)、また豪州国内でもスティーブンスRBA総裁の議会証言(金曜日、年2回)、バテリノ副総裁の講演(火曜日)は注目されます。

特にバーナンキ発言では量的緩和第三弾(QE3)が示唆されるか否かが焦点。またRBA当局者発言は現在利下げか利上げかで意見が分かれる状況に何らかのヒントが与えられることが予想されます。

もう一つの市場の焦点は、果たして75円台を付けた円高に対して日銀は追加介入に出るか?というもの。

8月8日のG7声明では「市場によって決定される為替レートを我々が支持することを再確認した」と述べられ、暗に8月4日の日銀単独介入に批判的とも言える内容となりました。市場では日銀の追加単独介入は出にくいとの見方が一般的ですが、一方介入と金融政策の両建てなくして投機的な円買いの圧力をかわすことが困難であることも確か。

日本の財政赤字や景気減速から日本の格下げ(シングルAに??)の観測もありますので、格下げが実施されればむしろ円高に歯止めがかかるという皮肉な結果になる可能性もありますが、、、

いずれにしても金融市場の安定化とはほど遠い状態がしばらく続きそうです。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0315-1.0601 AUDYEN 78.85-81.16

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0150-1.0550  AUDYEN 78.00-82.0

今週の豪ドルはリスク回避/巻き戻しで揉み合い

先週の豪ドルは”上げて下げる”展開でした。上記のように週前半はリスク回避の巻き戻しが顕著となり、火曜日には豪ドルも1.06近辺、81円台まで反発しました。これはまさに今回の大幅下落(1.10→0.99、86円→76円)の”半値戻し”でしたがさすがに続伸する力はなく、週末に向けては再度リスク回避の動きが強まり1.03台、78円台まで反落しました。

ただ豪ドル円は金曜日にドル円が史上安値75.95に落ちた際に78円近辺に下落しましたが、その後介入警戒感からドル円が一時77円台まで反発しており、豪ドル円も80円近辺に値を戻しています。

今週は豪州国内で大きな指標の発表はありませんが、やはり上記のようにRBA総裁、総裁補の発言が注目されます。

豪州金融政策についてはWESTPACの利下げ観測に続いて徐々に”利下げ派”が増えている状況。現在金利先物市場では、年末までに100bp程度の利下げを織り込んだ状態です。

リーマンショック後の景気の回復が中期的な拡大サイクルに繋がるのであれば、現在休止状態の利上げが再開される可能性があります。

一方、欧米債務問題が更に悪化し、欧米の景気が後退するようであれば、豪州から欧米への資源輸出が減少することになり、豪州経済にも大きな影響が出るでしょう。

まあ、”上げか下げかはっきりしないなら、しばらく金利据え置きで様子見だろう”―という見方も確かに一理ありますが、いずれにしてもRBAトップの発言に注目です。

豪ドルは大幅下落から半値戻しが終了し、再びやや下落している状況です。

下値では投資家需要やアジアの中央銀行筋の買いも活発でした。中央銀行筋は外貨準備通貨として米ドルから豪ドルなどに通貨分散を図っているようです。

ただ、上記のようにまだ不安材料が多いのも確か。しばらく売り買い交錯する展開が続きそうです。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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