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シドニー発豪ドル見通し(2011年11月28日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

11/28(月)白川日銀総裁講演、12月独GFK消費者信頼感調査、10月米新築住宅販売、ベルギー国債入札、仏短期国債入札、ファイロンパイEU大統領-オバマ米大統領会談

29(火)10月日本雇用統計、11月米消費者信頼感指数、イタリア国債入札、ベルギー短期国債入札、イエレン副議長講演、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演、ユーロ圏財務相会合

30(水)11月英GFK消費者信頼感調査、11月独雇用統計、10月ユーロ圏失業率、11月米ADP雇用者数、10月米中古住宅販売成約指数、ブラジル中銀政策金利、米FEDベージュブック、ドラギECB総裁講演、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演、EU財務相理事会、日本”外国為替平衡操作額”発表

12/1(木)11月中国製造業PMI、米新規失業保険、11月米ISM製造業景況指数、スペイン国債入札、フランス国債入札、ドラギECB総裁講演、ファンロンパイEU大統領講演、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、ブラード・セントルイス連銀総裁講演

12/2(金)10月ユーロ圏PPI、11月カナダ雇用統計、11月米雇用統計

マーケットの焦点

キーワード― 欧州債務問題の進展(29日(火)ユーロ圏財務相会合、30日(水)EU財務相理事会–中核国の債券利回り急騰、ユーロ共同債構想、ユーロ圏財政統合構想)、米国の11月雇用統計(金)、日本国債格下げ観測

先週も金融市場では前週末比でみて世界的に株・債券・商品相場が続落し、通貨市場でもユーロやポンドなどの欧州通貨、そして豪ドル、カナダドルなどの資源通貨も10月末以降の最安値圏まで値を下げました。

原因はもちろん欧州不安がギリシャやポルトガルなどの周辺国から、スペイン、イタリア、フランスそして最強国独まで飛び火する様相が強まったことです。

木曜日にフィッチがポルトガルの格付けをBBB-からBB+に下げ、ムーディーズもユーロ参加国ではありませんがハンガリーの格付けをBa1に下げています。

また金曜日にはS&Pがベルギーの格付けをAA+からAAに下げ、イタリア国債(10年債)利回りはユーロ導入後初めて8%台まで急騰しています。

係る中、ここまでリスク回避の動きに買われてきた円が反落しています。ドル円は先週の安値76円台半ばから77円台後半まで反発していますが、その背景はIMFが日本の巨額の財政債務から国債利回りが急騰する可能性を指摘し、またS&Pが日本国債のダウングレードが近づいている可能性を示唆したことなどから、ここまで積み上がってきた円ロングの巻き戻しが出始めたことです。

今週も欧州財務問題が焦点ですが、上記のように更に拡大の懸念がある一方、さすがに9月以来延々と続く下げ相場に嫌気がさしたが、本日はユーロが反発地合となり、豪ドルなど資源通貨も追随している点が注目されます。

欧州財政統合やユーロ共同債構想など、デザスターリカバリーショットを期待する向きも、徐々に出始めているのでしょうか。

その意味でも火曜日/水曜日に予定されるユーロ圏並びにEU財務相会合が注目されます。

今週はその他に金曜日の米国11月雇用統計の発表が注視されます。11月に発表された週次の新規失業保険申請件数は徐々に減少傾向となっており、長らく低迷していた米国雇用市場にも回復の兆しが表れている可能性があります。

欧州債務問題や米国経済が一気に解決することは考えられませんが、あまりに悲観的な見方が浸透しているだけに、一時的にせよ調整局面が訪れても不思議ではありません。

現在欧州不安プラス12月利下げ観測で売り圧力を受けている豪ドルですが、市場で高まる12月利下げ観測とは裏腹に、中期的なインフレ懸念を背景に、来年2月くらいまではRBAが金利を据え置くと見るアナリストも結構います。

ただ何といっても利下げの舵を握ってるのは欧州問題であり、来週12/6(火)までの欧州問題の進捗状態が重要です。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9964-1.0226 AUDYEN 76.60-79.75

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9850-1.0150  AUDYEN 75.00-79.00

”下値テスト後、やや戻し”でしょう

この1週間というか私が不在でした2週間の間に豪ドルは1.04台から0.99台に、また豪ドル円は81円台から、76円台まで下落しました。

それも一日数百ポイントという暴落ではなく、戻りもなく”だらだら下げた”との印象で、非常に後味の悪いベアマーケットであったようです。

つまりギリシャ危機一服感からリスク選好色が戻りかけた矢先に、イタリア、スペイン、フランスなどの規模が大きな国の債務問題が冷水を浴びせ、豪ドル買い戻しをしていた連中が徐々に豪ドルを投げ売りに出た様が想像できます。

上述のように欧州債務危機に関しては”優良国への飛び火”という新たな局面を迎え、加えて豪州国内でも12月再利下げの思惑が強いようです。

つまり海外要因からも、国内要因からも”現時点で豪ドルを買う理由がない”との悲観的な見方もあるようです。

今週は木曜日にスティーブンスRBA総裁の講演があるようですが、彼は従来からタカ派の時には執拗にタカ派的発言を繰り返し、反対にハト派に転ずると、また執拗にハト派的発言を繰り返す習性があるように思います。(自分の正当化のため?)

豪ドルの運命もまさに”欧州問題次第”という感がしますが、まだ底値達成感はありません。

10月上旬の安値(0.93台、72円台)と10月下旬の戻り高値(1.07台、83円台)の”半円戻し”を既に下にブレークしており、続落の可能性がありますが、”常に行き過ぎるのが豪ドルの特性”ということを考えれば、売り過ぎ感を訂正する局面もあるように思えます。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

・外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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