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シドニー発豪ドル見通し(2012年4月23日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

 

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

4/23(月)豪州Q1PPI、ユーロ圏2011年GDP比の財政赤字発表

24(火)豪州Q1CPI、米4月消費者信頼感指数、米3月新築住宅販売件数

25(水)オセアニア休場(ANZAC DAY)、英Q1GDP、米3月耐久財受注、FOMC

26(木)NZ政策金利、米新規失業保険、米3月中古住宅販売成約指数

27(金)日銀金融政策決定会合、日銀4月展望リポート、日本3月CPI、雇用統計、独5月GFK消費者信頼感、米Q1GDP(速報値)

マーケットの焦点

キーワード― 各国中銀金融政策、改めて今年は各国選挙の年、IMF財源強化と欧州債務問題

先週も欧州債務不安再燃、中国景気減速懸念、米国のハイテク企業の不冴えな決算など、どちらか言うとネガティブ材料が目立ち、世界的に株価や商品相場なども軟調でしたが、週末のワシントンG20を控えて大きく値を崩す展開とはなりませんでした。

ワシントンG20・IMF総会でのIMFの財源強化策は4300億ドル超とほぼ予想の範囲内にまとまりました。

またG20共同声明では「世界経済は穏やかに回復し、世界経済が直面するテールリスク(発生確率は低いが発生すると巨額の損失となるリスク)は後退し始めている」と、前向きの表現がされましたが、依然として欧州問題は油断すると危機が再燃するとの慎重な見方も多いようです。

今週は米FOMC、NZ政策金利、日銀金融会合など中銀会合が開催されます。先週はインドとブラジルで金融緩和が実施され、今週についてもFOMCにおけるQE3(量的緩和第三弾)や日銀による追加量的緩和の思惑があります。

また中国の預金準備率引き下げ観測も根強く、市場には”世界同時金融緩和”シナリオも見受けられます。

ただ個人的には、欧州不安も最悪期を脱しつつありますし、また先週のIMFの世界経済見通しでも今年の1月時点より経済見通しを若干上方修正し、来年については更に景気回復を見ている点などを勘案すると、現時点で”世界同時的な金融緩和”の必要性は少ないように思います。

先週末はフランス大統領選挙第1回投票が行われ、支持率28.5%のオランド氏と27.09%のサルコジ氏の決選投票が5月に行われることになりました。

昨年末には北朝鮮のトップ交代がありましたが、今回の仏大統領選挙以降も、7月のインドとメキシコ大統領選挙、9月の日本の民主党代表選、10月の中国共産党大会でのトップ交代、11月米大統領選挙、12月韓国大統領選挙とトップ選挙/交代が目白押しです。

昨年の欧州ソブリンリスク下では、欧州各国では国民の不満が爆発し多くの政権交代が行われました(アイルランド、ポルトガル、ギリシャ、イタリア、スペイン、スロベニア、スロバキア)。

また今回のサルコジ現大統領の劣勢も一連の流れと見ることができます。

先進国における政権交代が経済や金融に直接大きな影響を与えることは歴史的に少ないのですが、相場変動要因の一つとしてクロスウオッチしていく必要はあるでしょう。

上記のように先週末のG20・IMF総会では財源強化が合意されました。当初予想の4000億ドルは上回ったものの、一部観測のように5000億ドルレベルには達せす、まあ想定内の増額規模となりました。

ただ欧州サイドへの債務問題解決への再注文に対して、欧州当局は「すでになすべきことは全てやった」と半分開き直りとも取れる反応も見られ、今後欧州問題の完全な解決について各国が一枚岩になっていないとの印象で、欧州問題の火種がまだ完全に消えていないのが気がかりです。

世界経済は回復基調にあることは間違いのないところですが、まだまだ途中には”浮き沈み”がある長い道のりのようです。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 1.0305-1.0418  AUDYEN82.88-84.76

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0200-1.0500  AUDYEN 82.50-85.50

今週の豪ドルは材料多い中、次のトレンドを模索する週となるでしょう

先週の豪ドルは依然として欧州がらみのリスク回避色が抜け切れず、世界的に株価も不安定でリスク通貨豪ドルの上値が限定的でした。

また発表された国内経済指標も総じて不冴えで(2月の住宅融資総額、2月のWESTPAC景気先行指数、Q1NAB企業信頼感)でRBA議事録では5月利下げの可能性が示唆されたことも上値を重くしました。

ただかつてのような峻烈な欧州不安下ではないことから、下値も1.03近辺、82円台後半と大きく崩れることはなく、総じてレンジ取引に終始したとの印象です。

今週国内指標では何と言っても明日発表されるQ1CPIが注目されます。予想値はヘッドライン(全項目)で前年比+2.2%(前回+3.1%)、前期比+0.7%(前回0.0%)、RBAの重視するアンダーライイングインフレーションは前期比+0.6%(前回+0.55%)、前年比+2.35%(前回+2.6%)と前回より低めです。このCPIの強弱により5月利下げの有無が決まってくるとの市場の見方です。

また今週は特に24日のFOMCと27日の日銀会合が注目されますが、FOMCでQE3に言及されれば豪ドルは金利格差から買い、豪ドル円はドル円が下落するでしょうから弱保合いとの予想ですが、従来通りにQE3に全く言及されないか、むしろ景気回復・タカ派的ないようになれば、市場の反応は逆になります。

また日銀会合で、予想通りに量的緩和拡大(5/10兆円の買い取り基金の拡大)となれば、ドル円上昇から豪ドル円も連れ高になると考えられます。

今週はFOMCと日銀会合が順番に来ますので、相場のUPS & DOWNSが予想されます。

また金曜日の米国Q1GDP(速報値)も米ドル相場に影響を与えるでしょう。

先週来豪ドル相場も揉み合い相場になっていますが、エネルギーがかなり溜まって来ていますので、今週の多くの材料を消化した上で、次のトレンドがクリアになってくることと思います。

 

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

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☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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