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シドニー発豪ドル見通し(2012年5月7日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

 

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

5/6(日)仏大統領選挙―サルコジ氏敗退、ギリシャ総選挙―与党過半数確保微妙

7(月)英国休場、日銀議事録、豪州3月小売売上高、豪州3月住宅建設許可件数、4月NAB企業信頼感・景況感

8(火)豪来年度予算案発表、豪州3月貿易収支、地区連銀総裁講演(ラッカー・リッチモンドFED、フィッシャー・ダラスFED)

9(水)独3月貿易収支・経常収支、地区連銀総裁講演(コチャラコタ・ミネアポリスFED、ピアナルド・クリーブランドFED、プロッサー・フィラデルフィアFED)

10(木)日本3月国際収支、中国4月貿易収支、韓国中銀政策金利、豪州4月雇用統計、ECB月報(5月)、BOE理事会、米3月貿易収支、米新規失業保険申請件数、ゼーリック世銀総裁講演、コチャラコタ・ミネアポリスFED総裁講演、バーナンキFRB議長講演

11(金)中国4月指標(PPI、CPI、小売売上高、鉱工業生産)、欧州委員会経済見通し発表、英4月PPI、カナダ4月雇用統計、米4月PPI

マーケットの焦点

キーワード― 欧州問題再燃か?(仏大統領選、ギリシャ総選挙の結果)、米景気、中国景気

週末のニュースは何と言っても欧州選挙でした。フランス大統領選で社会党のオランド氏が現職のサルコジ氏を破って、ミッテラン大統領以来17年ぶりに社会党政権が発足することとなりました。

またギリシャの総選挙(中間集計、開票率70%)で、連立与党の一員の新民主主義党が111議席で第一党になるものの、これまで第一党であった全ギリシャ社会主義運動は42議席の第3党に転落し、一方急進左派連合が50議席に躍進して、連立与党の過半数確保(全体で300議席)は微妙な情勢です。

仏オランド氏は新欧州条約の見直しを選挙公約に掲げており、一方ギリシャの総選挙でも緊縮財政の是非論が大きな争点でした。

欧州債務危機による国内景気の後退(特に雇用状況の悪化)が政権交代の大きな原因となっており、今後新欧州条約の見直し論が活発化する場合には、一旦収まりつつあった欧州ソブリンリスク懸念が再燃する可能性があり、今後の新政権の舵取りが注目されます。

先週金曜日に発表された米国4月雇用統計は失業率は8.2%から8.1%に改善したものの、非農業部門就業者数は+160千人の予想に対して+115千人と不冴えでした。(ただし先月、先先月分は上方修正)

米景気不安に加えて週末の欧州選挙に対する懸念も加わり市場では再びリスク回避の動きが活発化して先週末の株価や商品相場は前週末と比較して値を下げています(ただし中国と豪州はやや反発)。

今週は中国の3月貿易収支、4月の各種指標(CPI、PPI、小売売上高、鉱工業生産)が発表されますが、中国の景気スローダウンや利下げ観測があるだけに、これまた注視する必要があります。

また今週行われるバーナンキFRB議長や各地区連銀総裁の講演は、先週の弱い雇用統計の後だけに、一層注目が集まります。

今回仏大統領やギリシャ政局に変化が訪れたとしても、欧州情勢の改善が元の黙阿弥に帰するという可能性は少ないと思われますが、新政権の対応、特に推進役である独仏の協力関係が揺らげば、再び情勢が逆戻りする可能性もあり得ます。

特に今週1週間は欧州情勢を詳しくフォローする必要があり、リスク許容度低下局面も予想されます。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 1.0170-1.0457  AUDYEN81.19-83.99

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9950-1.0350  AUDYEN 79.00-83.00

今週の豪ドルは下値テストとなるでしょう

先週の豪ドルは前週のブルセンチメントは長続きせず、週初はスペインリセッション入りの報道や弱い米指標などを嫌気して軟調裡にスタート。

火曜日のRBA理事会で予想を上回る50bpの利下げが行われると一気に1.03近辺、82円近辺に100ポイント値を下げました。

ECB理事会で利下げがなかったことから、ユーロの反発に連れる局面もありましたが、金曜日に発表された米国4月雇用統計が軟調であったこが米ドル売り/豪ドル買いとはならず、むしろリスク回避のユーロ売り・豪ドル売りが活発化して、1.03割れ、81円台前半の週中安値で引けました。

今週は週末の仏大統領選やギリシャ総選挙の結果を受けてユーロが1.29台半ば、103円台前半に続落する動きに連れて今朝方1.01近辺、80円台半ばに下落した後、発表された4月の小売売上高や住宅建設許可件数が予想を上回ったことから、現在幾分下げ止まっています。

豪州国内でも先週の大幅利下げに加えて、最近発表される指標が不冴えであり、豪ドルの下値確認とは言えないようです。

本日発表された4月の小売売上高/住宅建設許可件数は予想外に強かったですが、むしろ木曜日に発表される4月の雇用統計がポイントなります。

3月は予想外に強い就業者数の増加が確認されましたが、その反動が来る可能性もあります。

また火曜日には”2012-2013年連邦予算案”が発表されます。

ギラード政権は当予算案での黒字転換を公言していますが、財政支出の減少に対する世論の反発も強く、その落とし所が注目されます。

「財政黒字転換となれば一層の金融緩和が可能」というのがスワン財務相の口癖ではありますが、、、

いずれにしても国内経済指標結果よりも欧州情勢が最重要で、再びリスク回避の動きが強くなる可能性には注意したいものです。

 

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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