at_money_service
未分類

シドニー発豪ドル見通し(2012年7月9日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

FX 口座 比較FX ブログ

今週の主な予定、イベント

7/9(月)日本5月国際収支、中国6月CPI・PPI、ユーロ圏財務相会合、ドラギECB総裁欧州議会で証言、地区連銀総裁講演(エバンス・シカゴFED、ローゼングレン・ボストンFED)

10(火)中国6月貿易収支、EU財務相会合、地区連銀総裁講演(ウイリアムズSFFED、ブラード・セントルイスFED)

11(水)日銀政策会合、独10年債入札、米FOMC議事録

12(木)日銀政策会合・白川総裁会見、豪州6月雇用統計、7月ECB月報、米国新規失業保険申請件数、ブラジル中銀政策会合、ウイリアムズSFFED総裁講演

13(金)7月日銀月報、中国Q2GDP、中国6月鉱工業生産・小売売上高、イタリア5年債入札、米6月PPI、ロックハート・アトランタFED総裁講演

マーケットの焦点

キーワード―欧州情勢(EU首脳会議のフォローアップーユーロ圏財務相会合、EU財務相会合)、中国の指標(Q2GDP、6月CPI、貿易収支、鉱工業生産、小売売上高)、日銀会合で追加緩和の有無

先週は前週のEU首脳会議での合意で欧州不安後退したことから、週初リスク選好的な動きが活発化しました。

ただ中国のHSBC製造業・非製造業PMIが軟調であったこと、フィンランドとオランダがECB経由での国債買い入れに反対の姿勢を示したことからEU首脳会議の合意実施に懐疑的な見方が浮上したこと、更には英バークレイズ銀行の会長とCEOがロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)の不正操作疑惑で辞任したことなどから急激にリスク回避の動きが戻りました。

ダメ押しは金曜日に発表された米国6月雇用統計が事前予想を下回ったことで、更にリスク回避色が強まった1週間となりました。

欧州問題ではギリシャ危機が取り敢えず後退し、スペインやイタリアの銀行支援体制に前進がみら、総論はEU首脳会議で前進を見たものの、各論の議論はこれから始まる訳です。

今週のユーロ圏財務相会合(本日)や明日のEU財務相会合で各論討議が始まりますが、目を見張る問題解決などを期待しない方がよさそうです。

やはり欧州は”船頭多くして船進まず”の例え通り、物事の決定には時間がかかると考えた方がよいでしょう。

また今週は中国週間となります。

今朝発表された6月のCPIは前年比+2.2%(予想+2.3%前回3.0%)と2010年1月以来の低い数字に、またPPIも-2.1%(予想-2.0%)で2009年11月以来の大きなドロップとなりました。

今週は明日の6月貿易収支、金曜日のQ2GDP(予想+7.9%、前回+8.1%)、6月鉱工業生産・小売売上高と重要指標の発表が続きます。

中国人民銀行は6/8に続いて、先週7/5と2カ月連続で利下げを行いました。今回GDPの減速傾向が確認されれば再度50bp程度の預金準備率の引き下げの可能性もあります。

中国の利下げは世界経済にとってウエルカムなニュースですが、予想値を大きく下回る経済指標が相次ぐ場合にはむしろ市場の不安心理を煽る可能性もあるでしょう。

また今週は日銀の金融政策決定会合がありますが、衆議院本会議での消費税増税法案可決を受けて、日銀が追加緩和に動くのかどうか注目されます。追加緩和がなされれば一時的にせよ円安要因とみなされます。

6月短観もまずまずでドル円が80円をやや割った水準で下げ渋る展開ですが、日銀が追加緩和策を実施せず、また欧州ソブリンリスク関連のリスク回避の動きが再び高まりドル円が79円台を割って下落する場合には、日銀が円売り介入を実施する可能性もあるでしょう。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 1.0179-1.0329  AUDYEN81.04-82.36

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0000-1.0300  AUDYEN 79.50-82.50

今週の豪ドルは再度ユーロの軟調に引っ張られる可能性がありますが、下値は押し目買いにサポートされるでしょう

先週の豪ドルは、ユーロの軟調を横目に週央まで高値圏を維持しましたが、結局は週末に向けてユーロに連れ安となりました。

予想通りにRBA理事会では金利据え置きとなりましたが、背景は欧州情勢にやや改善が見られること、豪州国内の経済指標が総じて堅調であること、更にはRBAによるインフレ見通しが6月時点よりやや上向きつつあることなどでした。

発表された5月の住宅建設許可は6月末の印紙税優遇措置締め切りに対する駆け込み乗車もあり+27.3%(予想+5.0%、前回-8.7%)と極めて強く、また小売売上高も7月の炭素税導入の家計への影響を埋め合わせるための政府の給付金支給の影響もあり、これまた+0.5%(予想+0.2%、前回+0.1%)と非常に強く、また5月の貿易赤字も-285mioと予想値(-500mio)を下回りました。

豪ドルは対ユーロに対しては0.83台と史上高値圏まで上昇しています。

ただ上述のようにさすがに週末にかけてはユーロの年初来の下落(1.22台、97円台)にフォローして1.02割れ、81円割れまで反落しています。

今週は中国週間で豪ドルも中国の重要指標の結果の影響を受けます。

中国が金融緩和政策を鮮明にしつつある上に、世界的にも先週の欧州中銀や英国中銀の金融緩和に見られたように、世界的な金融緩和傾向を受けて商品相場が堅調を維持していることは豪ドルサポート要因となります。

また豪ドルのsafe haven(安全資産)としての魅力は各国中銀やsovereign wealth fundにも人気があり、豪ドル下落局面ではあまり表に現れないそれらの需要が下値を支える展開が予想されます。

ただその他通貨に先駆けて6月初旬から反発地合いとなってきた豪ドルですが、1.0500や85円と言った節目を上に抜くほど、まだリスク選好色が強くなるとは見ていません。

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら