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【第1回】JAMSスタッフが人気留学先6カ国の事情を徹底比較

「アメリカは語学留学に向いてない?」「ワーホリはオーストラリアとカナダのどっちがよいの?」「フィリピン留学で実際どれくらい話せるようになる?」……。

近年留学先の選択肢がどんどん増え、逆にどこに行けばよいのか分からない!と、疑問を持つ人も少なくないはず。

ある日社内を見まわしたところ、オーストラリアの他にも、イギリス 、アメリカ、カナダ、フィリピン、マレーシアといろいろな国への留学経験者がいるではありませんか。

というわけで、世界の留学事情に迫るべく(?)、留学先比較座談会を開催しました! JAMSスタッフが現地でリアルに経験した純度100%の体験談をもとに、人気留学先を5回に分けて徹底的に比較します。

今回のテーマは……
ズバリ留学するならドコへ行く?
留学先を決めたキッカケ&理想とのギャップ!

留学先比較座談会 登場人物紹介

ツヨシ(進行役)

1995年、高校卒業後に渡豪。語学学校、カレッジ、シドニー大学と進学。在学中から深夜のレストランを間借りして、友人と共にカクテルバーを経営するなど、スゴ〜くいろいろなキャリアを経て、現在は「リズム留学センター」と「Kintone Australia」に席をおきながら、「JAMS.TV」のディレクターとしても精力的に活動する。ダンスが好き、日本酒が好き、そして2児の子育てを頑張るスーパー・イクメン・パパ。

トク(アメリカ・フィリピン留学)

京都出身。2016年末に、2年間に渡るフィリピン・アメリカでの留学生活から帰国。東京の某芸能プロダクション勤務を経て、昨年末に”ギリホリ”で来豪し海外生活を再スタート。留学先でも、旅行先でも、はたまた先進国でも、新興国でも、なぜかその地に長く住んでいる現地人のような妙に落ち着いたオーラを放つ。夜型、インドア派、人見知り。「オーストラリアに向いてないんじゃないか」と本人は言うがうなずく人はいない。

サアイ(イギリス留学)

幼少期からイギリス文学を愛読。語学やイギリス発祥の芸術を学ぶため、マンチェスターにて1年間の語学留学経験あり。映写師、領事館での警備員など、カラフルな経歴も持つ。現在はJAMS.TV編集部でライターとして勤務しながら、ライフワークでもある執筆活動や自身の作品の翻訳に精力的に取り組む。趣味は来豪後に始めた和太鼓。「そこ?」ってポイントを、ひたすら狭く深く追求するタイプ。謎に包まれた不思議な人。

オガヤン(カナダ留学)

関西出身のお笑い好き。趣味は心理学。大学在籍中にカナダ・バンクーバーにて9カ月間のワーホリ生活を経験。日本帰国後はUSJや英会話学校で勤務する。オーストラリアに来た目的は、海外に拠点を置く企業での勤務経験を通してスキルアップし、将来的にはインバウンド関係の仕事で、日本の魅力を世界に発信していきたいとのこと。何気ない会話の中にボソっと入れてくるネタのクオリティーが高い。

ミヨ(マレーシア留学)

マレーシアで半年間の大学留学後、JAMS.TVでインターンをするために1カ月限定でオーストラリアに来豪。いつも笑顔で愛嬌を振りまくムードメイカー。むしろ怒ったり、悲しんでいる時さえもニコニコしているので、感情がうまく伝わらないこともしばしば。週末を利用してローカルマーケットを散策するのがシドニーでの楽しみ。日本で就職を経験した人たちの話を聞いて、帰国後の生活に戦々恐々とする小心者。座談会の参加を後悔しているとの噂あり。

ナツミ(オーストラリア留学)

17歳の時にオーストラリアへ来豪。シドニーの高校を卒業後、ノートルダムオーストラリア大学に通いながらJAMS.TVでインターン修行中。一見クールな印象だが、じつは真面目で優しい性格。プンプンとルンルンのスイッチがどこにあるかわからない。岩手県出身で暑いところが苦手。シドニーで好きな場所は「ウェンディーズ・シークレット・ガーデン」。卒業後は日本に帰国し、就職活動をする予定。

留学を決意したキッカケと渡航先の決めた理由

ツヨシ(進行役)
今日は留学先比較座談会にお集まりいただきありがとうございます。では、早速ですが順番に自己紹介と経歴などお願いします。

トク(アメリカ・フィリピン留学)
フィリピンのセブ島とアメリカのニューヨークに2年間(2014〜2016)の留学経験があります。日本のストリートダンスのプロモーション会社で6年ほど勤務していて、その中で外国人アーティストと仕事をすることが多かったのですが、通訳を通してもなかなかコミュニケーションがとれない、日本に来て何かしようとしてる人たちに対して自分がケアできない、そんなもどかしさがきっかけで、「英語というものをやってみよう」と思いました。

当時の英語力が低かったので、格安でスパルタのカリキュラムがあるフィリピンのセブ島で語学留学してから、ストリートダンスやヒップホップ発祥の地アメリカで音楽やそれにまつわる文化など、英語以外の部分も吸収したいと思いニューヨークへ。その後は冬季の間だけセブ島に学生スタッフというインターンシップで戻ったりと、ニューヨークとセブを行き来しながら留学生活を送りました。

ニューヨークの方が長くて、マンハッタン区北部に位置するハーレムという、アフリカ系アメリカ人が多い地区に滞在していました。アメリカの黒人史において絶対に外せないヒストリカルな土地ですし、もともと吉田ルイ子さん(1960年代から1970年代初期のハーレムの人々を撮り続けたフォトジャーナリスト)の写真集やエッセイを読んで感化もされまして…。

帰国後(2017)は、東京の芸能プロダクションに10カ月間勤務しました。ちょうど30歳になる年で、日本に根を張って頑張っていくつもりだったんですが、日々の生活がなにか物足りなく、もっとスリルが欲しくなっていって。「このままでよいのか?」と自分に問いただした結果、留学じゃなくて海外への移住を真剣に考え、まずはすぐに行けるオーストラリアにワーホリ(2017)と決めました。

ニューヨーク・マンハッタンの街並み

サアイ(イギリス留学)
イギリスのマンチェスターに1年間(2013〜014)の語学留学経験があります。もともと小さい頃から読み書きが好きで、特に19世紀から20世紀にかけてのイギリス文学をよく読んでいました。英語がわかれば読書の幅も広がるし、書き物をするのに文献も調べられるし、他にも歴史と文化、アート、反骨精神のパンク、好きなものがイギリスに集まっていたことが留学先を決めた理由です。日本で映写技師の仕事を長くしていたので、映画の字幕翻訳にも興味がありました。

トク(アメリカ・フィリピン留学)
1年間っていう期間はどうして?

サアイ(イギリス留学)
ワーホリじゃないんで、自分の貯金額と相談して。300万円くらい用意したけど、1カ月半のヨーロッパ旅行も入れて十分足りました。イギリスの留学生活では、休日にロンドンやスコットランド、アイルランド、ウェールズ、フランスに友達と出かけたり、ひとりでコナン・ドイルやアガサ・クリスティ、ブロンテ姉妹、ディケンズ、シェイクスピア、童話なんかの作品の舞台を回ったり。卒業後はヨーロッパ各国を旅行して帰国しました。イギリスはオーストラリアほど大きくないし、ほとんど地続きの島国なので近隣諸国に旅行しやすいですね。

学校は思っていた以上に楽しく、想像していたよりも世界中の友達ができたのもあり、そこで人生が変わったと思います。もちろん自己投資はしましたが、それ以上の価値はあったかなと。帰国後(2015)は千葉にある多国籍なシェアハウスの管理人をする中で、オーストラリアのシドニー生まれの友達と出会い、その多民族国家に興味が湧きました。それにシドニー在住の人々と日本で出会って何かと縁があって、次はオーストラリアへワーホリ(2017)してみたくなったんです。

現在も営業が続くマンチェスター最古のパブ”オールド・ ウェリントン・イン”
http://www.skyipl.com/en/news/50/MANCHESTER-BECOMING-ONE-OF-THE-HOTTEST-RESIDENTIAL-MARKETS-IN-THE-UK

ミヨ(マレーシア留学)
マレーシアのセランゴール州、クアラルンプールから車で20分くらいのところに半年間(2017)大学留学しました。自分の知らない環境で自分を試したかったのと、人間的にも成長したくて。日本と違ってさまざまな人種や宗教が混在した多民族国家だということ、当時アジアにまだ行ったことがなかったことから留学先を決めました。

そこでは、短期の英語コースを受けた後に大学のビジネス学部に入って、「アメリカンディグリートランスファープログラム」というコースに。これは、1年間もしくは2年間マレーシアで勉強して、残りはアメリカなど他国へ留学することで、合計4年間でどちらの国の学位も取れるというプログラムです。私の場合は半年なので、学期の途中で入学して勉強させてもらって単位だけ取りました。授業は英語が基本で、現地の人も基本は英語です。

その後すぐオーストラリアに移りかったんですけど、ビザの関係で一度日本に帰国してから来豪しました。英語での大学留学の他に海外インターンへの参加も目的で、せっかくなら新興国・先進国どちらの国も体験したいと思い、最初から2カ国留学をするつもりでした。オーストラリアは観光ビザで入り、JAMS.TVのインターンを1カ月間(2018)する予定ですが、もう残り1週間になってしまいましたね。帰国後は就職活動をがんばります!

クアラルンプールのランドマーク”ペトロナスツインタワー”

オガヤン(カナダ留学)
カナダのバンクーバーに9カ月間(2013〜2014)ワーホリ経験があります。初めの3カ月間は語学学校に通い、その後はクレープ屋で6カ月間働きました。

僕、京都外国語短期大学の英語専攻にも関わらず、まあ、当時は英語が話せなくて(笑)。学校のプログラムでアメリカ留学をしたいと思ってTOEFLを受けたら38点(120点満点中)だったんですね。留学するとなると60点から80点は必要なのに、その半分以下だったという。

「こんなにできないものなんか……このまま英語の学校に行ってどうなるんやろう」って思いましたよ。当時は本当に英語が嫌いでねー。何かいい方法はないかと考えた結果、学校のプログラムで留学はできませんでしたが、自分でワーホリに行こうと決めました。

帰国後(2014)は大学卒業と、USJのアルバイトや英会話学校でカウンセラーとして2年間働いた経験もあります。バンクーバーは日本より温暖で、雨は降るけど、日本の凍えるような寒さというのがなかったですね。

カナダ・バンクーバーの航空写真
https://www.tourismvancouver.com

ナツミ(オーストラリア留学)
17歳(2013)からオーストラリアに高校留学して、今年で5年目のオーストラリア滞在になります。日本には高校2年生までしかいないので、経歴は特にありません。

日本の高校に通っていましたが、そこに馴染めなくて。それでも高校は卒業しておきたいと思い、「だったら海外に行こう」と。どこがいいか調べていたところ、オーストラリアは家族旅行で何度か来ていたし、治安がよくて、日本の高校のプログラムで10日間ほどホームステイをした際にオーストラリアの高校生を見て、「日本と全然違うな」と思ったことがあったので、この国に決めました。

11月(2013)までは高校準備コースに行って、翌年1月から新しいセメスターが始まる時からイヤー11(日本でいう高校2年生)で編入しました。ちなみに、日本でいうところの小学校はイヤー1からイヤー6、中学校がイヤー7からイヤー9か10、ここまでが義務教育です。

高校に当たるのはイヤー11とイヤー12で、それを卒業するとNSW州の進学希望者はHSC(Higher School Certificate)というNSW州の大学入学統一試験を受けます。そのスコアの他に普段の成績によって志望大学の合否が決まります。私の場合は、ファウンデーションコースという大学準備コースを受けて今、私立のノートルダムオーストラリア大学の学士号の課程にいます。

世界遺産にも登録されたオーストラリアのオペラハウス
http://svworld.info/australie

ツヨシ(進行役)
オーストラリア国内のユニバーシティと呼ばれる中で、ノートルダムとボンド大学が唯一の私立大学だよね。他は国立大学。HSCやファウンデーションコースはオーストラリアならではかな。

ナツミ(オーストラリア留学)
そうですね。ちなみに学部はマーケティング&パブリックリレーションズです。この学部はマーケティングの一種なんですけど、日本のプロモーションよりもっと深いところまで踏み込んだもので、政治情勢や各種イベント企画、それにジャーナリズムに近いものも関係してきます。

ツヨシ(進行役)
他の同級生より半年遅く入学したわけでしょ? オーストラリアは1年遅く始めたり早く始めたり、そういうパターンも結構あって必ずしも同じ年齢の人しかいないわけじゃないよね。みんなと同じ学年ですぐなじめた?

ナツミ(オーストラリア留学)
そうですね、そもそも年齢を言う必要もないし、別に言っても「あ、そうなんだ」くらいでしたよ。学年に同じ誕生日だけど1歳違いの子がいたり、先輩後輩というのもありません。大学を無事に卒業するのが今の目標ですかね。

思い描いた留学生活と現実のギャップ

ツヨシ(進行役)
なるほど、皆さんありがとうございます。ここだけで話が引っ張れそうな気がするね(笑)。じゃあ、思い描いていた留学と何か違ったか、ギャップがあったかなど教えてもらえますか。

トク(アメリカ・フィリピン留学)
僕が留学したニューヨークは、アメリカの中でもかなり特殊な州と言われていて、とにかく移民が多いんですよ。いろんな国のいろんな人たちが「ここは多民族国家(都市)だから」と言いますが、ニューヨークはやっぱりその中でも元祖というか、それゆえにちょっと次元が違うかなと。

例えば移民が多いとされているクイーンズ区では116の言語が話されているらしいですし、それぞれのコミュニティの結束も強く、小さな地球って感じがします。それからアメリカなのに英語を話せない人の割合が結構多くて、公園や駅にある注意書きなどの看板は、6カ国語とか8カ国語で表記されています。


ニューヨークの地下鉄にあるスペイン語看板
http://dcfadvertising.com/work/influenza-vaccine

サアイ(イギリス留学)
それだと、ひとつの看板がすごく大きくならない?

トク(アメリカ・フィリピン留学)
そもそも看板自体が、その言語の数だけあるのでめちゃデカイですよ。ちなみに8カ国語になっても日本語は登場しません。ニューヨークには駐在員や留学生は比較的多いのですが、日系の移民は少ないんでしょうね。シドニーやセブに比べても、日本人のコミュニティやマーケットは小さいですし、日本人同士で固く結束している感じもありません。

移民が多かったり、英語を話さない人が一定数いるにも関わらず、英語がかなり早いというのもニューヨークの特徴かもしれません。現地の知り合いを頼って相談しましたが、「ニューヨークという都市は、世界で一番語学留学に向かない都市だよ」と(笑)。これはよく聞くセリフで、話すスピードが速いだけでなく、英語が崩れていたり、特殊な言い回しがあったりします。

ツヨシ(進行役)
さすがに、学校の先生は綺麗な英語でしょ?

トク(アメリカ・フィリピン留学)
学校の先生も汚いですよ(笑)。「F**k」や「S**t」はコンマを入れるかの如く使われますし、先生の口からもよく出ていました。授業中に生徒と口論になった先生が「You are A** HOLE!!!」と、怒鳴って教室を出て行ったこともありましたし。

その他にも、学校のポリシーとして「宗教・政治・ドラッグの話をしない」という3つのルールがあるのに、「それを話さないで私たちは何を話せばいいんだ」っていう先生がいて、絶対にその3つのことしかテーマにして授業をしないというクラスもあり、もうハチャメチャ(一同笑)。

僕の学校は比較的学費が安かったこともあり、1クラスが最大30人、一番多い時に数えてみたら24カ国の生徒がひとクラスに集まっていました。そういう人たちと机を並べて勉強する機会なんてそうそうないと思うので、そこに関してはおもしろいなと。英語を学ぶという面では、いい意味でも悪い意味でもスパルタというか、タフな環境でしたね。

ツヨシ(進行役)
なるほど、それは結構きついね。フィリピンもスパルタって聞くけど、その辺はどうなんだろう?

トク(アメリカ・フィリピン留学)
フィリピンはカリキュラムというか、スケジュールがスパルタなだけで、先生は凄く優しかったですね。逆にあの環境でツライって感じる人には、他国での留学も無理じゃないかと思います。

想像していたよりも楽しかったというのが一番でした。とにかく気候がめちゃくちゃ暖かい・人がめちゃくちゃ優しい・物価がめちゃくちゃ安い、この3つだけでまず楽しい。留学費用としては、当時は円安に入る直前だったこともあり、5つのマンツーマンコースと2つの少人数クラスを受け、そこに3食付きのアコモデーションとビザ更新費用を入れても12万くらいだったと思います。航空券、外食費、旅行費(セブから郊外への)は含みません。

フィリピン人ってネイティブではないんですよね。第一言語はフィリピン語ですし、彼ら自身も英語学習者であるので、生徒の気持ちを本当によく理解しています。教え方の的を得ているのでわかりやすいですし、「一緒に頑張ろう」って生徒のことを支えてくれるんですよ。1日に7時間以上の授業を受けないといけない、しかもほとんどのクラスがマンツーマンとなると、初心者じゃなくても相当キツイと思うのですが、それでも成り立っているのは、フィリピン人講師が持つ底抜けに明るくて優しいパーソナリティーの部分が大きいのかなと。


フィリピンの英語学校講師との日帰りビーチ旅行にて

ただ「勉強漬け」の環境は整っているのですが、それは「英語漬け」の環境ではないかなとは思います。やっぱり、ワーホリで英語環境の中で仕事をしたり、大学で英語を使って何か専門分野の知見を深めるというのは、英語学習にとって欠かせないと思うのですが、正直そこはフィリピン留学では大きな期待できないかなと。英語初心者、もしくは中級者で伸び悩んでいる人にとっては、最高の環境だと思います。

サアイ(イギリス留学)
私は、渡英してマンチェスターに着いた日が4月だったんですけど、本当に寒くて、しかも天気がすごく悪くて……。もともと「イギリスの天気と食事は期待しない方がいい」と聞いていたので覚悟していたにも関わらず、それ以上に悪かった(笑)。

メルボルンとイギリスの気候が似ていると聞きますが、ロンドンはイギリスの中でも海が近くて雨が少ない地方なので似ているかもしれません。でもマンチェスターやウェールズ、スコットランドはもっと不安定。日照時間が少ないので、寒い期間がずっと続きます。

12月や1月ともなると午前8時から日が昇って午後4時には真っ暗。その代わり、日本みたいに梅雨や台風がないので、一日中雨が降ることもないんですが。5月から8月にかけてがステキな季節で、イギリスの人たちはちょっと太陽が出たら日光浴に出かけます。

そして、ごはんがおいしくない……(一同笑)。なんかね、おかしいんですよ!


人の手が入れば入るほどに不味くなるイギリスの不思議
https://ja.wikipedia.org/wiki/フル・ブレックファスト

オガヤン(カナダ留学)
おかしいって(笑)。

サアイ(イギリス留学)
同じ語学学校でどこのホームステイ先の話を聞いても「料理が異様にまずい」んです(笑)。原材料に近いうちはいいけど少しでも人の手が入るともうダメ。簡単なソーセージやゆで野菜ですら、何か起こってまずくなります。

フィッシュ&チップスとかも、道端の露店で買うとベタっとした謎の物体が出てくるけど、歴史的なつながりからカレーやケバブ、紅茶の質は高くておいしいですね。他国から取り入れたものはおいしくて、イギリスから生まれたものは何ひとつおいしくない(一同笑)。実際、スペインやポルトガル、南米の留学生は、マンチェスターの天気と食事がダメで文句言ったり鬱になったりしてました。

トク(アメリカ・フィリピン留学)
ポジティブな話は出ないんですか(笑)。

サアイ(イギリス留学)
思ったより楽しかったです、そこを除いては(一同笑)。イギリスには反骨精神ならあるけどポジティブはない……。

ヨーロッパの中の英語圏なので、ヨーロッパ系の人が入ってきていろんな人種がいます。両親の国籍が違う人なんて当たり前。あと地方によって訛りが強いです。マンチェスターも訛りが強い都市なので、そこら中の人が何を言っているのか理解できなくて困りました。

イギリス第2の都市で、産業革命の都市なんだけどシドニーより断然小さいです。ブリスベンとメルボルンの中間の大きさくらいですね。ロンドンにも下町言葉のコックニーというのがありますが、マンチェスターもそれに負けないくらい訛ってます。

イギリスは日本の方言のように、ほんの少し離れた町同士でも発音が全然違うことはザラで、上流・中流・労働者の階級によっても発音がかなり違うんで、地域と階級の掛け合わせによっては「コレ英語?」みたいなのもあります。

ミヨ(マレーシア留学)
私はマレーシアに行くと決めた時、結構ネガティブにも捉えていて、新興国だから汚い、危ないというイメージがあって不安でもあったんですが、そういうところに暮らす中で自分自身も強くなれるかなと、ノリで行った部分もあります。

よい面から話すと、すごく楽しかった! 思っていた以上に発展している国で、アジアで蒸し暑くてベタベタな感じというイメージを覆えりましたね。特にクアラルンプールの都市部は高層ビルが建ち並んでキラキラしていました。きれいな街で、富裕層の人たちが増えてきているようです。

学校は私立と国立で雰囲気がかなり違います。国立キャンパスにはイスラム教の方が多いので、女性はヒジャブ(ムスリム女性が着用するヘッドスカーフ)を巻いている人が主で、私立になると中国系の富裕層を親に持つ子どもたちが多くなります。そうなると、雰囲気や遊びに行く場所や遊び方も違ってきますよ。国立は授業料が安いので、私生活でもお金を節約する人が多いけど、私立にはクラブへ行く人や食事にもお金を気にしないで使う人が多くなります。貧富の差が結構あるんですね。民族的な雰囲気の違いも出ます。


ヒジャブを纏うマレーシアの女性/Neelofa(マレーシアの女優)
https://www.star2.com/style/2016/06/22/stylish-hijabs-from-malaysian-brands/

ツヨシ(進行役)
イスラム圏で生活してみて、何か発見は?

ミヨ(マレーシア留学)
マレーシアへ留学した女の子がよく言うのが、トイレ事情がきついということ。もう慣れましたが、初日にビックリしたのが、寮のトイレがビッチャビチャなんです。便座もタイルの床も水浸しになってて、「えっどういうこと」と思いました(笑)。じつはムスリムは清潔にしていないといけないので、トイレの隣にはホースが絶対ついていて、そのホースを使ってトイレの後は水でお尻もトイレもきれいにするそうです。なので、いつも便座は濡れています……。

それから、マレーシア料理は辛かったですね。私は辛いものが苦手なので、いつも「ノースパイシー」とリクエストしていました。ココナッツミルクで炊いたご飯とおかずをバナナの葉っぱに乗っけているナシレマという料理があって、味の評価は両極端です。ご飯が甘くて、私はあんまりおいしいと思いませんでした……。

ナシゴレンなど、インドネシアと食事が似ている料理が多かったですね。ラクサ(香辛料の効いた東南アジアのスープヌードル)はオーストラリアでもよく食べられているみたいですし、日本でも最近人気があるチキンライス(グリルチキンとその茹で汁で炊いたご飯)は辛くなくて大好きでした。

ただ、新鮮な野菜があまりないところは、健康的にキツかったですね。シャキシャキの生野菜があまりおいしくない。

トク(アメリカ・フィリピン留学)
フィリピンもそうですが、インフラが整っていない新興国では電気代が高くて冷蔵庫を持てない家庭が多いので、野菜を衛生的に保存できる環境にないのかもしれません。だから生野菜を食べる文化が育たなかったんじゃないかって思います。基本的にご飯プラス肉の組み合わせが多く、日々を生き抜くのに必死といった生活レベルなので、そもそも健康を気にしている余裕もないでしょうし。

ツヨシ(進行役)
確かにフィリピンの友人宅へ呼ばれると、食事に野菜がないよね。肉肉肉肉肉甘いの甘いの、みたいな。次はカナダに行こうか。

オガヤン(カナダ留学)
僕の場合、やっぱりカナダって聞いた時に「金髪に青目のカナディアン」を想像してましたし、留学エージェントに見せてもらった写真もそういう絵面で、自分もこういうところに入れるのかなーと思っていたんですよ。で、実際に関空からバンクーバー国際空港に着いて、最初に思ったのが「あれ、めっちゃ日本人ばかり。関空かな?」と(笑)。

一同
寝てる間に行って戻ってきた(一同笑)。

オガヤン(カナダ留学)
実際にバンクーバーの街へ出てみても、シドニー以上に白人を見かけませんでしたね。チャイニーズ、コリアン、フィリピーノ、ジャパニーズ、あとはヒスパニックが多くて、「白人ってどこにおるんやろう」と驚きました。

よい面で言うと、思っていたより生活しやすかったこと。例えば、コンセントも日本と同じだし、水もすごくきれいで水道水が普通に飲めるんですよ。僕、日本で水道水を飲むとお腹を壊すタイプだったんですけど、もう「ブリタ(浄水器)の水かな」ってくらいきれいでした。アパートも冬はずっとヒーターが点いているから、家に帰ると廊下から部屋の中まで室温が一括管理されているので暖かかったですね。

それから「カナダは場所によっては水が貴重だから、10分しかシャワーが浴びれないところあるよ」と聞いていて、『行ってQ!』のイモトが数秒で体ごと全部洗うのをテレビで観て、僕も5分でシャワーを浴びる練習をしていったんですが、実際はそんなに厳しくなくて。「あの練習は何やったんやろう」って(笑)。

“世界で一番住みやすい都市”として毎年メルボルンと1位を争っているだけあって、とにかく生活はしやすかったですね。

ツヨシ(進行役)
カナダは雪国のイメージがありますが、バンクーバーも雪は積もるの?

オガヤン(カナダ留学)
東海岸のトロントやケベックは氷点下20度といった極寒になるようですが、西海岸のバンクーバーはそこまで寒くなりませんし、雪が降ること自体が少ないですね。むしろ日本よりも暖かいんじゃないでしょうか?

食に関してはシーフードがおいしかったですね。カナダ料理というと、皆さんあまり思い浮かばないかもしれませんが、プーティン(フライドポテトにチーズを加えて上からグレービーソースを注いだもの)という一食で2000カロリーくらいある料理があります。パブでみんなビールと一緒に注文するんです。シドニーと同じで多国籍料理が食べられるし、「ティム・ホートンズ」っていうドーナツ屋さんもいいし、食べ物で嫌な思いをしたことはありませんね。


カナダ名物の鬼カロリー飯”プーティン”

ナツミ(オーストラリア留学)
私の場合、留学前にも何度か旅行でオーストラリアを訪れていたので、そこまでカルチャーショックはありませんでしたが、やっぱり人種が多いというのが意外でした。

最初のホームステイ先はドイツ人家族で毎週木曜日のディナーはソーセージだったし、次はフィリピン人家族、その次はレバノン人家族で食文化や生活も全然違ったからおもしろかったですね。

それから、オーストラリアのハイスクールには中休みがあってみんなおやつを食べるんですよ。その中で1人、生のニンジンを切らずに丸かじりしている人がいたんで、結構衝撃でした。「馬なのかな」って(一同笑)。

ツヨシ(進行役)
別に何も否定することはないけど、「あ、食べるんだ」とは思うよね(笑)。

ナツミ(オーストラリア留学)
それから、オーストラリアのステレオタイプというと、英語がすごい訛っていてカンガルーがいて、という感じだけど、私はほぼ英語ゼロからオーストラリアで勉強したので、シドニーでそこまで訛りが強いと感じることはないし、カンガルーも郊外に行かなきゃいないし、むしろほとんど食べないし(笑)。

ツヨシ(進行役)
日本で生活していた時とオーストラリアで生活している時を比較して、自分の中で価値観が変わっていくようなことはあった? 特に一番若い年で海外に出てるから……。

ナツミ(オーストラリア留学)
性格は日本の頃から比較すると若干明るく、ちょっとは積極的になったかなと感じますね。英語だとフランクに話せるし、いろいろな文化や価値観の人がいるからそこで拒否されることはないじゃないですか。日本は集団生活なのでグループから外れるとちょっと困るけれど、オーストラリアは個人主義だから。今は日本に帰っても、知らない人に気負わず話しかけることもできるようになりました。あとは、まあ細かいことは気にしなくなりました(笑)。

ツヨシ(進行役)
その2つはみんな同じかもね。積極さと寛容さというか。ちょっとのことでは驚かなくなる。

トク(アメリカ・フィリピン留学)
比較しても仕方ないし、ニンジン食ってるの見ても口には出さない(笑)。「この国ではそうなんだな」って。

ナツミ(オーストラリア留学)
そうそう、それはそれ、これはこれ、みたいに割り切れるようになります。

◆◇◆第2回へ続く◆◇◆

留学比較座談会の続きはこちら↓
【第2回】型破り?無謀?留学先で実践した独特な勉強法を大公開!
【第3回】仕事はオーストラリアが圧倒?人気留学先の物価や給料を公開!
【第4回】留学先の遊びと観光!さらには各国の恋愛事情を暴露?
【最終回】ねえねえ、結局どの国に留学するのがベストなの?

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