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王者メルボルンが2位に転落、でも世界で最も住みやすい国では?

英誌エコノミスト(Economist)の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」が8月に発表した毎年恒例の「世界で最も住みやすい都市ランキング」。世界140都市を政治的安定性、社会的安定性、犯罪、教育、健康医療制度の利用しやすさなどの項目から評価し、順位付けするこの企画は、毎年注目を集めています。

過去7年間、オーストラリアのメルボルンが同ランキングの首位を守ってきましたが、今年の発表ではオーストリアの首都ウィーンが安全性の項目で高得点を獲得し、メルボルンを上回って初の1位に輝きました。ヨーロッパの主要都市やオーストラリアで見られた近年のテロ事件は、都市環境に大きな変化を与えたようです。

と言っても、メルボルンは過去最高得点を記録し、調査でも「昨年よりも住みやすい」都市になっていると認められているようです。

気になるトップ10の都市はこちら
1 位(2位)ウィーン(オーストリア)99.1点
2 位(1位)メルボルン(オーストラリア)98.4点
3 位( ー )大阪(日本)97.7点
4 位(5位)カルガリー(カナダ)97.5点
5 位( ― )シドニー(オーストラリア)97.4点
6 位(3位)バンクーバー(カナダ)97.3点
7 位(4位)トロント(カナダ)97.2点
7 位( ― )東京(日本)97.2点
9 位( ― )コペンハーゲン(デンマーク)96.8点
10位(5位)アデレード(オーストラリア)96.6点
※()昨年の順位


参照:The Economist

オーストラリアの都市は共通して健康医療制度、教育の項目で100点満点を獲得しています。各項目の詳細な採点基準は分かりませんが、オーストラリアはメディケアなど公的医療制度が整う世界屈指の医療先進国であり、教育面では大学進学率が世界一で平均的な教育水準が高いと言われているので納得の結果ですね。

オーストラリアからはメルボルンの他にもシドニー(5位)、アデレード(10位)と、3都市もランクインしています。アデレードは順位を落としましたが、シドニーは昨年の圏外から大躍進。なんにせよ、国別でランキングを見るとオーストラリアは住みやすいということで間違いないでしょう。

一方、日本からは大阪が3位、東京が8位にランクインしています。項目ごとの得点をみていくと、大阪と東京は、安全性、ヘルスケア、教育の項目で100点満点を獲得しています。

しかし、日本国内の1月~7月の刑法犯総数の認知件数でいえば、1位が東京の65,532件、2位が大阪の56,116件と、他府県を大きく引き離す結果が出ています。もちろん人口が他の都市より多いことも影響していると思いますが、果たして本当に100点を記録するほどの安全性があるのか少し疑問に感じました。

その他にも、日本には海外渡航注意情報に掲載されたことで話題になったchikan(痴漢)や今や国際語として知られるkaroshi(過労死)など、日本特有の問題も数多くあります。認知されていない犯罪や事件の数を合わせると、また違った結果が出るのかもしれません。

詳しく調べてみるとランキングの結果だけでは分からないこともあるんですね。データを鵜呑みにするのではなく、実際に生活をしてみて、自分の目で確かめてみることが一番。そうすることで、自分の生まれ育った国や街のことを俯瞰で見られるようになり、なにか新たな発見があるのかもしれません。

でも、まずは母国である日本の大阪と東京、そして生活しているシドニーがトップ10にランクインしたことを素直に喜びたいと思います。 ヤッター!

 

文:村田悠夏

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