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ブログ第百十六回 料理とワイン17 “Bordelaise ボルドレーズ”

Thursday 27/08/09

 もうすっかり暑いぐらいの季節。冬はもう終わり? 春は過ぎたの?

 いえいえ、春爛漫。だって、私の目痒い痒い、鼻ズルズル・・・、そう花粉症まっしぐらなのです。

 そして、この時期はワイン・ショーを含めたワイン・テイスティングが非常に多い。そう、私にとって試練の季節なのです。

 

 さて、前回のPinot Noirとのマッチング料理に引き続き、今回はBordeauxがお題です。

 って言っても、お高いBordeauxだけでなく、Semillon/Sauvignon Blancベースの白と、Cabernet/Merlotベースの赤ワインと幅を広げてみました。

 

 今回のゲストは、香港から舞い戻ってきたF氏、そしてゲストとして何度も来て頂いているDenis Gastin氏を迎え総勢8名でのランチ。ワインはトータル12本。今回も飲みましたねぇー。

 まずはいつもどおり泡でスタートです。RiseのシェフであるBunちゃんの永住権取得おめでとうで、乾杯!

左、2004 Clover Hill Sparkling(Mさん提供)。軽やかで、品のあるスパークリング・ワイン。シトラス、マンダリン、クインス、オイスター・シェル、アーモンドの香りは心地よく感じられます。なめらかな酸、適度なミネラルのグリップを備え、ふっくらとした印象も与える余韻は素晴らしい。Score: 17.5/20

右、1999 Pierre Gimonnet Brut 1er Cru Blanc de Blancs(Bunちゃん提供)。ファースト・インプレッションは、外に向かうエネルギーに満ち溢れたワイン。スケールの大きいやわらかい果実味をディテールの細かい酸が上手に引き締めているようです。凹凸がなくなめらかでクリーミーで、安定感のあるフィニッシュを迎えることができます。シトラス、ビスケット、イースト、アプリコット、アーモンドの香り。Score: 19/20

 

Denis氏提供のスパークリング・ワインは山梨産のNV 穂坂のあわ・ロゼ。マスカット・ベリーAを使ったメルシャンからのロゼは、ラズベリー、イチゴ、ターキッシュ・デライト、ローズ・ペタルの、透明感のある華やかな香りが印象的です。口に含んでも、きれいな酸に支えられた果実味が楽しませてくれますが、クリーミーな味わいがミドルからフィニッシュへと、ふっくらとしたやわらかさを主張してます。Score: 17.5/20

 

低温でローストした和牛とアンディーブのサラダ。マスタード・シードのタルタル・ソースで召し上がります。味わいのバランスがあるオードブル。Hideさんご自身が育てている自慢のシソが添えられています。

 

Bordelaiseと言えば、やっぱり“うなぎLamproie”。うなぎのグリル、赤ワインソース。Hideさんヴァージョンは煮込みません。ディープ・フライにした後、蒸し、そして焼き上げたうなぎは身が柔らかくほくほくしていて、皮のパリパリ感も美味しい。うなぎとは思えないぐらい。だって、うちの奥さんうなぎ嫌いなのですが、美味しいって言って食べたましたよ。ソース無しで頂けば甲州に合うし、赤ワインのソースがあれば、穂坂のあわと良いマッチング。

 

左、2004 La Fleurs de Graville(Kさん提供)。BordeauxのGraves地方の白ワイン。SemillonとSauvignon Blancのブレンドです。明るい麦わらのカラーのこのワインは、フレッシュのピスタチオ、リンデン・フラワー、ハチミツ・レモン、ミネラル、スモークの香りが特徴です。ふっくらとした暖かみのある味わいで、とげとげしさのないシルキーな質感が好印象。長く残るアフター・テイストも上品にまとまります。Score: 19/20

中、2008 Lenton Brae Semillon Sauvignon Blanc(私持参)。WAのMargaret River産の白ワインは少し苦味のある柑橘系のフレッシュな味わい。複雑さには欠けるけれども、クリーンで軽やかな果実味は飽きのこない特徴じゃないかなぁ。カプシカム、シトラス、カファー・ライム、グリーン・オリーブ、ミネラルの香り。Score: 17/20

右、2007 Chateau Mercian 勝沼 甲州(Denis氏提供)。日本を代表する葡萄品種“甲州”。レモン、ラムネ菓子のような爽やかさのある香りとスモーキーな印象を兼ね備えています。アタックはやさしく、なめらかな口当たり、フレッシュな酸と、バランス感を追及しているワインのようです。Score: 16/20

 

キング・フィッシュのカルトッチョ。イタリアンの血が流れているHideさん、イタリアンのテクニックは絶対はずしません。キング・フィッシュと、海老、チェリー・トマト、椎茸、レモングラス、カファー・ライム・リーフ、チリ、そしてこぶみかんの葉を一緒に入れて仕上げたオリエンタル・テイストの包み焼きはお見事! Lenton Braeとの相性が良かったなぁ。

 

このワインたち、Fさんの同僚が造った自家製ワイン。左は几帳面なイタリア人のTonyのCaberent Sauvignon、右はちょっとラフなギリシャ人JohnのCabernet Sauvignon。この二人の買ったぶどうは同じところからきたもので、ただ造る過程での心のこめ方違い(?)なのか味わいが随分と違うのです。それぞれ二人の個性が出ていた模様です。今回は、満場一致でTonyに軍配があがりました。

 

お次は、牛タンの煮込みとニョッキ。赤ワインとしっかり煮込まれた牛タンはややヘビーに感じられるけれども、もう半分のパート“ニョッキ”がファンタスティックなアプローチをしてくれるのです。そのニョッキにはレモンの皮とタイムが添えられているので、軽やかな仕上がり。実は、私ニョッキが苦手。このニョッキは、今まで私が経験したニョッキの中で一番良かったですよ、Hideさん! Ch. La Tour Haut Brionとの相性が良かったなぁ。

 

左、2003 Chateau La Tour Haut Brion(Fさん提供)。BordeauxのPessac Leognanの有名シャトー・ワイン。Cabernet Sauvignon、Cabernet Franc、そして Merlotのブレンド・ワイン。カシスやコーヒー豆、スパイス、ミント、みかんの葉の香りが特徴です。軽やかな果実味が口の中でふわっと広がり、かつしっかりとしたグリップが緻密に味わいを引き締めコントロールしているよう。凹凸や隙間を見せないぐらいの完成度の高い複雑な味わいです。Score: 19/20

中、2005 Terrazas Reserva Cabernet Sauvignon(私持参)。アルゼンチン産のCSです。スケールが大きいけれど、ディテールの配慮があまり感じられなかったかなぁ。それでも、ミドルからフィニッシュへ向けてのエネルギーとソフトに感じる果実味が印象的でした。プラム、ブラックベリー、スモーキー、鉛筆の芯、土っぽい香り。Score: 14/20

右、2008 金渓ワイン(Denis氏提供)。山形のワインです。マスカット・ベリーAとブラック・クイーンのブレンド赤ワイン。ミディアム・ボディのやさしい果実味と、細やかなタンニン、そしてきれいな酸。エレガントで、凝縮感もあり、しっかりとしたストラクチャーもあるワインです。レッド・カラント、ザクロ、アニス、スパイスの香り。Score: 16.5/20

 

いつものごとく、皆さん飲んでますねぇー。

 

次は、デザート!

本日のデザートは、サブレ。真ん中はココナッツのアイスクリーム、上は金柑。少し歯ごたえのあるサブレととろけるようなココナッツのアイスクリーム、そして金柑の心地よい甘味。デザート・ワインが進む進む。

 

1997 Chateau de Malle (私持参)。BordeauxのSauternesは言わずと知れたデザート・ワイン産地。マンダリン、シトラス、ハニー、オレンジ・ブロッサム、オール・スパイスの複雑な香り。こってりとした密度感を感じさせつつも、硬質な酸が引き締め、厚みのある味わいに構築しています。プロポーションが良く、メロメロです。Score:19/20

 

今回も皆さんご苦労様でした。今回、私は夜の仕事お休みにして良かった。

Fさん、次回も参加よろしくお願いします。シドニー経由で日本に帰るんですよね。ね。ね。

 

 

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