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シドニー発豪ドル見通し(2011年9月19日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

9/19(月)東京休場、IMF、EU、ECB調査団とべニゼロス・ギリシャ財務相電話会談

20(火)日本7月景気動向指数、RBA議事録、独8月PPI、独/ユーロ圏9月ZEW景況感指数、米FOMC(~21日)、米8月住宅着工件数、建設許可件数

21(水)NZ中銀ボラード総裁講演、日本8月貿易収支、豪7月WESTPAC先行指数、カナダ8月景気先行指数、米8月中古住宅販売、米FOMC(~21日)、日米首脳会談

22(木)G20、NZQ2GDP、ユーロ圏9月消費者信頼感指数、米新規失業保険、米8月景気先行指数、南ア政策金利

23(金)東京休場、独/ユーロ圏9月製造業/非製造業PMI、ダドリーNY連銀総裁講演、ウイリアムズSF連銀総裁講演、トリシェECB総裁講演、国連総会、IMF、世銀年次総会

マーケットの焦点

キーワード― ギリシャ・デフォルトの可能性、9月末中間決算に向けたリパトリの円買い需要、FOMCにおける新たな金融緩和策発表の有無、G20(9/22)における欧州問題協力措置の有無

先週も基本的に欧州問題が市場の焦点でしたが、特に週前半はギリシャデフォルトの思惑が強く、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ-信用リスクヘッジ)市場ではギリシャのデフォルトを100%近く織り込む状況となりました。どうも市場が先走っていかにソフト・デフォルトに持っていくかを模索する動きとなったようです。

各市場の先週金曜日の終わり値を前週末と比較しますと、株価は日米欧が上げて、中国、豪州、インドなどが下げるなどまちまち、また商品市場は原油価格が若干上げて、CRB(商品先物インデックス)や金が若干下げるなどこれまたまちまちな動きでした。

このような欧州不安を受けて週初にユーロは一時1.35割れまで下落していますが、これは8月末の高値1.45台から1000ポイント以上も値を下げたことになります。これにフォローして豪ドルも週央には一時1.02割れ、78円台前半に下落しました。

ただ水曜日に独仏両国とギリシャの首脳会談が行われて、ギリシャ支援体制がある程度再確認されたこと、また欧州要人からもユーロを信認するとの発言が相次いだこと、更には主要国中銀(ECB、FRB、BOJ含む)から協調でドル流動性供給措置の発表があったことから、16/17日のEU財務相会合(ガイトナー米財務長官も出席)を前にユーロの買い戻しが活発化して、ユーロは一時1.39台まで急反発し、豪ドルも1.04近辺、80円近辺まで値を戻しました。

ただEU財務相会談では、さしてギリシャ問題に進展しなかったことや、ギリシャ融資に関わる担保問題など不透明な部分も多く、またガイトナー米財務長官が訴えた欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大やECB、ユーロ圏内の意見統一に対するユーロ圏の反応は鈍く、今朝のFar East市場ではユーロは再び1.36台半ばに反落しています。

今週は22日のG20でユーロ圏経済の支援について協議されますが、なかなか上記のような核心的問題の解決は難しいでしょう。

また21/22の米FOMCでは追加金融緩和の有無が焦点ですが、いわゆるツイストオペ(2013年半ばまでに満期となる証券を売って、10年物、30年物の財務相証券を買うオペレーション)を実施するその場合には、期近の金利上昇から米ドルが強含む可能性があります。

一方、ドル円に関しては9月の中間期末を控えて、本邦投資家や輸出企業による資金還流(リパトリ)の動きが活発化する可能性があり、加えて中銀によるドル資金供給もドル安に作用することが考えられます。

リスク回避の動きで再び76円台に下落しているドル円ですが、再度日銀の介入姿勢が試される展開も予想されます。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0178-1.0441 AUDYEN 78.10-80.92

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0500  AUDYEN 77.00-81.00

今週の豪ドルは、再び押し目買いと、戻り売りの揉み合いでしょう

先週の豪ドルは上述のように大きく下げた後、反発する展開でした。

欧州債務問題に対する警戒感が週前半強く、しかも豪州国内でも、発表された8月のNAB企業信頼感が-8(予想は+2、前回+2、リーマンショック以来の低水準)、企業景況感-3(予想-1、前回+2)と冴えなかったことも豪ドルの上値を重くしました。

ただ週後半はEU財務相会合や今週のG20、更には米FOMCを控えたポジション調整の買いに、1.04近辺、80円近辺に値を戻す展開となりましたが、結局週末のEU財務相会合で思い切った解決策は出ず、失望感から週明けのシドニー市場では1.02台前半、78円台半ばに反落する展開となっています。

また一時1770ドル近辺に下落していた金価格が再び1827ドルまで上昇してることも、依然として安全資産への逃避圧力が強いことを示しています。

ギリシャにデフォルト宣言をさせてEUから退出させるコストは莫大であり、EU主要国も基本的にギリシャデフォルトを避けたいが、一方ギリシャ融資を円滑に継続するための諸問題も多く、今週もギリシャ問題を軸に相場が乱高下する展開が予想されます。

また本邦半期末がらみの円買い需要や、中銀による米ドル流動性供給の結果としてドル円に再度下値圧力がかかる場合には、豪ドル円も下値抵抗線である75-76円レベルをテストする可能性もあります。

ただ下値ではアジア中銀をはじめとして中期的な豪ドル買い需要も強く、従来の下値を大きく割り込む展開も考え難い状況です。

豪ドルが再び1.05、80円のレジスタンスをブレークして反発するのは、やはり欧州不安が後退してリスク選好の動きが戻ってからだと思われます。

 

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

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☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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