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シドニー発豪ドル見通し(2011年10月10日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

10/10(月)東京休場(体育の日)、NYK休場(コロンブスデー)、トロント休場、9月ANZ求人広告(-2.1%、前月-0.7%)、8月独経常収支、貿易収支

11(火)8月日本国際収支、8月英鉱工業生産、米FOMC議事録、米議会対中制裁法案採決予定、スロバキア議会EFSF拡充法案採決予定

12(水)9月英失業率、8月ユーロ圏鉱工業生産、トリシェ総裁講演、ピアナルド・クリーブランド連銀総裁講演、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演

13(木)日銀会合議事録、9月豪雇用統計(予想就業者数+10千人、前回-9.7千人、失業率予想+5.3%、前回+5.3%)、9月中国貿易収支、韓国中銀政策会合、9月独CPI、8月米貿易収支、新規失業保険、ファンロンパイEU大統領講演、バローゾ欧州委員長講演、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演

14(金)パリG20~15日、9月中国CPI、PPI、9月ユーロ圏CPI、8月ユーロ圏貿易収支、9月米小売売上高、10月ミシガン大学消費者信頼感指数、8月企業在庫

マーケットの焦点

キーワード― 欧州不安ン(ギリシャ・デフォルトの可能性、銀行資本増強、格下げ)、9月豪州雇用統計、パリG20中国9月CPI

先週も週初は前週末のEU財務相会談への失望感や、また火曜日にはムーディーズがイタリア国債の格付けを3段階下げるなどしたため、欧州不安が強い展開となりました。世界的に株価は年初来の安値を付け、また商品相場(CRB)も今年初めて300を割り込みました。

通貨市場では円高・ドル高が顕著となり、ユーロが1.31台に、またユーロ円も10年ぶりの安値100円台まで下落しました。

このユーロ安に連動して豪ドルも週初には一時93セント台、72円台まで下値をテストしています。

しかしEU当局やECB理事会で欧州銀行支援体制への期待が高まり、週後半に向けてリスク回避の巻き戻しが活発化しました。

ECB理事会では1年物の資産供給オペやカバード債(不動産担保債)購入の再開が打ち出され銀行システムへの支援体制が明らかになりました。

また金曜日に発表された9月の米国雇用統計は失業率が9.1%に高止まりしましたが、一方非農業部門就業者数は久々に10万人を超える増加となり、市場の安心感が一気に高まり、株価が上昇してユーロも1.35台、ユーロ円104円台手前、豪ドル98セント台、豪ドル円76円手前まで反発しました。

ただ、NYK市場後半格付け会社フィッチがイタリアやスペインの格下げを発表したことから、やや上昇分を吐き出す形となりました。

ギリシャ調査団の財政赤字調査結果が発表されるのは11月にずれ込むとの見通しも出ており、欧州懸念が急に払拭する状況ではありませんが、その間EFSFの拡充策(明日は反対意見が強いスロバキアで議決)や欧州銀行への資本増加策の成り行きを見守ることになります。

また14・15日のパリG20では資金的余裕のある新興国の欧州支援体制に関する発言に注目が集まります。

欧州問題解決には更に時日を要しますが、徐々に悪材料を織り込む動きが強まることが予想されます。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9387-0.9879 AUDYEN 72.05-75.88

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9650-1.0050  AUDYEN 74.00-79.00

今週の豪ドルは、底固めから反発でしょう

先週の豪ドルは”最安値に下落後反発”でした。

上述のように先週も豪ドルは欧州情勢を眺めながらユーロの動向にフォローする最近のパターンを踏襲しました。

週初は上述のように欧州懸念の高まりを受けて新安値を付け、一方週末に向けてはリスク回避の巻き戻しが優勢となりました。

また発表された8月の国内諸指標(貿易収支、住宅建設許可件数、小売売上高)が強い数字となったことも、週末に向けて豪ドル買い戻しを促しました。

特に小売売上高は+0.6%(予想値+0.2%、前回の数値も+0.5%から+0.6%に上方修正)と2カ月連続で堅調な数字となり、”弱い個人消費”に変化が訪れているのかと、期待を持たせる結果となっています。

一方、火曜のRBA理事会では一部利下げ観測に反して結局金利据え置きとなったものの、その声明文で「インフレ状況が改善しており、必要とあれば金融政策による支援が可能」と”利下げを示唆する文言”が発表され11月利下げ観測が強まっています。

ただ、RBAが既に金融緩和バイアスに変更したと考えるのは時期尚早であり、むしろ”従来の引き締めバイアスからニュートラルに戻した”と判断すべきかと思います。

11月に利下げが断行されるためには:

①今週発表される9月雇用統計が依然として不冴

②10/26発表されるQ3CPI(基調)がRBAターゲット2~3%の中ほどに緩む

③向こう1カ月で欧州情勢に改善が見られないか、更に悪化

などのハードルを越える必要がありそうです。

豪ドルは過去10年(2008年のリーマンショックの年は例外)第四四半期には翌年の資源価格決定に伴う資源輸出為替のカバーなど豪ドル買い実需が高まるために、上昇する傾向にあります。

今年はリーマンショックに続く欧州ショックで下げ相場となるか、あるいは欧州ショックを克服して堅調地合を取り戻すか?

大いに注目されます。

 

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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