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【全文】新しい環境でも好きな仕事をするためには?バスカーTKさんと大手IT企業営業の松森さんによるセミナー

IT 仕事
この記事で説明する準備環境が変わっても自分の好きな仕事をする方法を知ろう

難易度:★★☆☆☆ | 所要時間:15分間

こんにちは!YURIです。

2017年4月27日シドニーで「仕事」に関するセミナーが開催されました。『私たちの時代の新しい仕事のやり方』というタイトルについて、日本からのゲストとして現在副業やリモートワークを実践中のサイボウズ株式会社営業本部の松森知里さんと現在シドニーで一番有名な日本人エンターテイナーであろうバスカーのTKさんをゲストとしてお招きし、弊社リズム留学センター代表(兼kintone Australia社取締役)遠藤がMCとして質問を投げかけていきます。セミナー後半部分の全文書き起こしです。

登壇者プロフィール:

名前:松森知里(まつもりちさと)

会社:サイボウズ株式会社 営業本部 / レプタイル株式会社

名前:中村鷹人(TK、なかむらたかと)

職業:エンターテイナー

名前:遠藤烈士(えんどうつよし)

会社:リズム留学センター / kintone Australia社

つよし:では、これからはお2人に色々と質問を投げかけていきたいと思います。さっそくいきたいと思いますが、松森さんから!リモートワークや副業など、今日本で話題になっていますよね。僕もサイボウズさんとお仕事をするようになって「日本ってそんなに厳しいんだな」と知りました。会社によっていろんなルールが違うんですよね。副業しても良い企業があってもそれぞれ細かいルールが決まっていますし…。そんな中でもサイボウズは働きやすいですか?

松森:働きやすいです!サイボウズでしか副業したことがないので他社と比べることはできないのですが、私の主観ではとても働きやすいです。会社のブランドを傷つけなければ、副業をしていることも報告する必要はないんです。例えば、技術者が自分の知っている技術の知識を用いて雑誌に投稿したり、本を書いたりしても大丈夫で、実際にそのよう副業をしている若手もいます。

つよし:個人事業主ということですか?

松森:そうですね。会社員なのに2月3月になると税金の話が飛び交っています(笑)私の前職では考えられない動きです。

つよし:(自社の社員が)社外を見て、新しい出会いがあり、違った環境でやるのって会社全体にとってもプラスになるとうい風に考えられているということですね。

松森:そうですね。一つの会社で一人の人生を全て担保するというリスクも会社としてはないですし、もう一つの会社で得たものをサイボウズでの仕事に活かすことができたり、新しい技術や人脈を手に入れて働いてくれたりすることがプラスに繋がります。4月に新卒の子が入社してきたのですが、副社長の山田は「早くサイボウズを辞められるように」と言ったサイボウズじゃなくても働けるようになってくださいねという自立を促したメッセージを送ったようです。

つよし:なるほど。松森さんは東京から岡山に戻って環境が変わったじゃないですか。その時は落ち込みましたか?

松森:そうですね。やっぱりバリバリ働きたいと思っていたのもありますし、向上心を持った人が多くて楽しいんですね。勉強会もすごくたくさんありましたし、自立していて自分たちでなんとかしようと物事に向き合う人も多くて、モチベーションも高く、環境も整っているので何をするにしても困らないんです。わくわくするような感じだったのに、(岡山に)帰ってみたら電車はこないし、人にも会わないし、虫は多いし…(笑)

聴衆:(笑)

つよし:戻ってから仕事を続けられる自信はありましたか?

松森:自信はないですね。戻ってから考えようと思っていました。でも、東京にある会社に足を入れて帰れるという点では気分は全然違いました。

つよし:(ここに集まっている)皆さんもオーストラリアに来るということで環境が変わっているわけですけれども、TKも最初オーストラリアに来る時の目標は英語の上達と言っていましたが、渡航前からそれは考えていた?

TK:コレ(ダックマンのパフォーマンス)ですか?

つよし:絶対違う(笑)

聴衆:(笑)

つよし:英語をマスターしに行くという意気込みです(笑)

TK:英語を頑張るつもりでいたんですけれども、英語が話せたらかっこいいとかではなくて、英語という武器を付けたらより一層強くなれるんじゃないかなと思っていました。

つよし:強くなれるっていうのは面白い表現ですね!実際にオーストラリアに渡航して、学校へ通って、貯金もあって、準備はしっかりしていたと思うんですけど、やっていく自信はありましたか?

TK:いや、なかったですね。大学時代に140万円貯めてきたんですけど、最初の2ヶ月間で15万円までになっちゃって…。保険代払って、ホームステイ代を払って、学校代払っているうちに…いつのまにか…。

つよし:・・・・・・・、あっという間ですね…笑

TK:あっという間ですね。学校代を1360ドル月に払っていて、ホームステイ代が週に350ドルで…。

つよし:あれ、それ…高いね…。(←留学カウンセラー)

聴衆:(笑)

TK:お昼ご飯も付いてなかったので、自分で作って、朝ごはんはシリアルでした。僕は海外に行ったら死ぬと思っていたので36万円の保険に入っていたんです。有名な保険会社の一番保障が良いコースです。そんなんしてたら140万円飛びました(笑)

つよし:飛ぶね(笑)

TK:銀行の口座も二つ作っていたんですね。「もしも用」の15万円と「使う用」の125万円とに分けていました。125万円の方を使い切って15万円の方に手を出そうとした時にみずほ銀行のATMがこっちにないことに気づいたんです。え!!!ってなって、小銭を数えたら6ドルしか残っていなくて、ホームステイ代は先払いしていたので家はあったんですけど、昼ごはんが食べられないのでしばらくは抜きで、朝にシリアルたくさん食べて夜まで腹持ちさせて、夜まで我慢していました。

つよし:しばらくはみずほ銀行のない生活をしていたんですね!笑

TK:しばらくはみずほ銀行を探す生活をしていました。”Excuse me can I use this card?”みたいな!

つよし:でも「みずほ」って書いてあるんですよね?

TK:それが英語で「MIZUHO」って書いてあったんです!そして、友達から有名なキャッシュカードだと海外でも使えるって聞いていたので確認はしてなかったんですけど確信はあったんです。

聴衆:(笑)

TK:15万円はまだ僕のみずほ銀行にあります!というのも、オーストラリアのATMで3回暗証番号間違えて飲みこまれちゃったんです!でもまだその時は渡航して2ヶ月だったので英語もしゃべれませんでしたし、6ドルしかなかったし、パニックでした。その時住んでいたところが遠くて、電車賃が4.2ドルかかるんです…3時間半歩いて帰りました。

聴衆:えーーーー!

TK:もうお金がなかったので…この6ドルを使うと次の日のご飯が食べれないので…。その辺りからバスキングを始めました。

つよし:え、じゃあ他にアルバイトってしなかったんですか?

TK:日本食レストランで2ヶ月間働いていたんですけれど、忙しいところで計7回しか働いていないです。しかも、お給料は2週間おきに支払いですし、デポジットとして100ドル引かれていたんです。

つよし:本当に運がないね(笑)

TK:ホームステイ先には2ヶ月間いました。このままだとお昼ご飯は抜きでも夜ご飯は食べれるしなんとかなるって思っていたんです。その矢先に、ホームステイ先のお父さんのお父さんが癌になってしまって、「ちょっと申し訳ないんだけれど、明日ホームステイ出て行ってくれないかな?」って言われまして、急いで家を探したんですけれど見つからなくて、1週間10ドルの家に住んでいました。

つよし:えー!すごいね1週間10ドルって。見たことないです!

TK:一軒家の屋根の下なんです!お風呂を使いたかったら1回10ドル払わないといけなくて…。でも!荷物はセーフ!荷物は家の中に置いていていいんです!

松森:人間は入れてくれないの?

TK:人間は入れてくれないです。犬が入る裏口から入るんです!オーナーとは2度と会わないんですよ!犬用の入口から入って、家の中の引き出しに10ドルを入れるんです。その時は8月だったので、シドニーは極寒です!ヒートテックを7枚着ていました。

つよし:よく持っていたね!

TK:36万保険にかけるほどなので用意は周到です!ヒートテックも1週間洗わなくても良いようにと思って持ってきたんですけれど、まさか1日に7枚使うとは思っていなかったです!

つよし:そんな生活してる人ってあんまり…というか多分いないよね。笑

TK:僕は語学学校のクラスを駆け上がっていったので、一緒に頑張ろうなっていう友達がいなかったんです…。あと、日本人のコミュニティをちょっと避けていたというのもあって…。

つよし:でた!日本人のコミュニティを避ける!

TK:そういうこともあって、「ちょっとさ、家なくなったんだよね…お前の家、今日泊まりに行っても良い?」っていう友達がいなかったんですよ…。

つよし:普段の生活リズムのルーティンやプランなどは入念に練るのに、なぜかコケるよね!(笑)

TK:運が良くないんです…。頑張れば報われるのかな〜と思っていたんですけど、そんなことはなかったですね〜!

つよし:でも、そこで心が折れないんですね!

TK:そうですね…心は折れ続けてきたので!幼い頃から。なのでもう折れる心を持たないですね!

つよし:もう通り越して違う世界の域に入っているんですねぇ。また、自己管理って簡単ではないですよねぇ。松森さん、リモートワークという点で、こっそり遊ぼうと思えば遊べたりするわけじゃないですか?そのあたりはどうですか?

松森:でも私は元々働きたかったんです。それが大前提なんです。遊びたかったらしないです。それだったらなんとなく地元の会社に転職をして、9時から5時まで働く生活を選びます。だけど、私は働きたかったのと、離れているからといって、東京にいる人たちとの情報の違いとかもあるのもすごい嫌だったんです。

つよし:そこは自分でルールを決めて自己管理しているということなんですね。

松森:自己管理…離れていると何しているか分からない状況ですよね。私は元々東京にいたので、離れて仕事をしている人たちと東京で過ごした2年間があるんですよ。日々彼らの存在を感じているかと言われれば感じていなくて、彼らからしても私の存在が薄くなっていくと思ったので、それもなんか悔しいなって(笑)そんな状況の中で心がけていることと言えば、みんなから信頼してもらえる努力をしていることですね。ただでさえ在宅なので「きっとパジャマで働いるんだろう」って思われているかもしれないですし(笑)でもそうじゃなくて、「今日もやるぜっ」という意気込みで、東京にいる人たちと同じように働きたかったんです。

つよし:そこはちょっと、努力というか、気を使う点ですよね!

松森:自分のためというより、みんなのためですね!「どうせダラダラ過ごしているんだろう」って思うと仕事を頼もうと思わないじゃないですか。チームで働く時に、自分がコミットしているという姿勢を見せたり、自分から入っていったり、そういった努力はしようと思っています。全員がリモートワークだとそれを考えなくて良いんですよ…だけど、500人ほどはそこのオフィスにいて、数名は在宅ワークをしていますが、数的には少数派なので…。

つよし:相手の顔を想像しながら一工夫考えて行うと反応が良かったり良い仕事ができたりしますよね。TKの場合は直接的にお客さんの前でバスキングをするわけじゃないですか。僕も昔ダンスをやっていたので分かるんですけど、お客さんの反応が見てわかるのはそれはそれで良いですよね。厳しい反応もありながら嬉しい反応もありながら。そんな中でちょっと聞きたいんですけど、恥ずかしい気持ちとかってあったりするんですか?

TK:恥ずかしいです…。このセミナーだと多少なりとも僕が出るということを知っていただいて来られている方もいらっしゃると思うんですけど、ということは僕はここに必要な存在なわけじゃないですか。でも、「道」っていうのは必要なくて、居たら居たでいいんですけど、居なかったら居なかったで「居たらな〜」なんて知らない人間のことを思わないじゃないですか。ただ、居たら居たで「邪魔だな」って思う人もいるわけですよ。タウンホールでバスキングをする時はウールワースの中で着替えていますので、鏡を見て「お前本当に今日もやるんだな」って問いかけて「大丈夫だ大丈夫だ」って自己暗示しながらしています。

つよし:いやー、それ分かります。本番前の不安みたいな気持ちはありますよね。僕も、ちょっとダンスの話をしていいですか?昔ってあまりダンスって流行っていなくて、ビルの下とかでやるんですよ。セキュリティが来たら「でていけ」って言われることもあれば、優しいセキュリティだと「いいね、楽しそうだな」ってやらしてくれる人もいましたね。そこで人が集まってきて、「ちょっと教えてよ」ってとこから教え出して、レッスンしてると人が集まってきて、今度はスタジオでやりだしてって、ちょっとづつ移っていくんですよ。基本的にダンスでご飯が食べれるわけじゃないっていう感覚があって、あと社会的にダンサーって認められていなくて、職業としてもお母さんとか完全に反対するわけですよ。僕はもし息子に相談されたら一生懸命説きたいです(笑)

TK:僕も子供がエンターテイナーになりたいってなったら「お前、見ろ…これがお父さんの仕事だ」っていってバケツ引っ張って行って…(笑)

聴衆:(笑)

 

【次のページ】次のページでは「今後どのようなことを目指しているか」と「セミナーに参加していただいた方々からの質問」に答えていただきました。

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