【ACT24日】 冬の電力需要が過去最高を記録する中、卸電力価格は前年同期比で27%下落した。太陽光や風力、蓄電池の普及により、化石燃料による発電が初めて大きく押される形となった。
オーストラリア・エネルギー市場運営機関(AEMO)が発表した最新の四半期報告によると、卸電力のスポット価格は、前年7~9月期と比べて27%下落した。4~6月期と比べても15%低下した。
同市場運営機関が管轄する全国電力市場には、WA州とNT準州は含まれない。発電事業者が電力供給価格を提示し、AEMOは需要に合わせて5分ごとに最も安い電力を市場に送り出している。卸電力市場の価格は小売価格に影響を与えるものの、小売価格そのものを決定するものではない。7~9月の電力使用量は過去最高を更新した一方、気温は比較的暖かく、暖房需要が抑えられた。
AEMOの政策部門ゼネラルマネージャー、ヴィオレット・ムシャイレ氏は、蓄電池の充電・放電量が増えたことで、「夕方の電力需要ピーク時の価格が大幅に低下した」と述べた。
「電力使用量は増え続けているが、太陽光発電と蓄電設備の増加によって、電力がいつ発電され、送電網からどのタイミングで供給され、1日の中でどのようにシフトされるかが変化している。蓄電池は、記録的な量の再生可能エネルギーを、家庭や企業が通常より多くの電力を必要とする夕方の需要が高い時間帯へ引き続きシフトさせている」
この3カ月間で最も電力需要が大きかったのはVIC州で、前年同期比1.3%増となった全国の需要増加のほぼすべてを占めた。AEMOはその背景として、「電化の進展」に加え、産業部門の需要増加やデータセンターによる電力消費の増加を挙げている。また、再生可能エネルギーによる発電量が初めてガス火力発電を上回った。
AEMOのデータによると、屋根置き型太陽光発電と蓄電池を備えた家庭では、太陽光発電だけを利用する家庭と比べ、夕方の需要ピーク時に送電網から購入する電力量が4分の1以下となっている。化石燃料の使用量も減少している。ガス火力発電は34%減少し、7~9月期としては2000年以降で最低水準となった。石炭火力発電では、一般炭による発電が2.9%減少した一方、褐炭による発電は8.9%増加した。
送電網全体の総排出量と排出原単位については、おおむね横ばいだった。
ソース:news.com.au – Wholesale electricity prices plunge 27 per cent as solar and battery storage surge