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野うさぎ

その28 野うさぎ 
両親との距離も徐々にちじまりいい関係が出来るようになってきました。
二人の説得もありようやく許可を頂きました。その時は、心から嬉しかったです。
私の両親も来て多くの友達に囲まれ無事にシドニーで結婚ができました。
住む所も海が見えるボンダイビーチの目の前。 ちょうどマックの裏にあり、部屋はワンルームで家具付きで家財道具もそれと言ってなく、貧乏な生活でしたが、毎日はとても楽しいものでした。
仕事もかなり順調で、シェフのモーリス氏は、私に色々と教えてくれました。
そんなある日、野生のうさぎがキッチンに来ていました。それも毛がフサフサのままです。
こんな物見るのも初めて、触るのも初です。
シェフは、捌き方などを丁寧に私に教えてくれました。
まず足の皮をはぎ、ここからいっきに全体の皮を取る。そして内臓と肉を分けるなど・・・
野生なので匂いがきつく、異様な匂いででした。
これをニンニク、野菜、大量のブランデーなどでマリネし、赤ワインをたっぷりと入れて一晩寝かします。
その後、2日間掛けゆっくり火を入れます。
その煮汁をなんと豚の血でリエ(つなぐ、濃度をつける)していき、なんとそれは、まるでチョコレートソースのようになるのですが、味は初めて体験する味で、今でも忘れない私の中の一品です。

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