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14 酒粕の話 その1

14「酒粕の話 その1」

 

今日本国内では「酒粕」は非常に人気があります。某有名なテレビの健康番組で何度も取り上げられたため、今まで酒粕を使用していなかった層まで人気が高まっているようです。

昔から、酒粕は色々なものに使われてきました。甘酒、漬物、魚や肉の粕漬け、鍋など、取り上げればきりが無いほどです。酒粕には新酒の時期に出る一般的な板粕や、半年から1年樽で熟成させてドロドロに熟成した練り粕の両方がありますが、ここでは一般的な板粕のお話をさせていただきます。

この酒粕ですが、人気とは裏腹に、実は日本国内では非常に品数が少なくなっており、価格も毎年高くなっています。

なぜならば、日本国内で生産する大手の酒造メーカーが酒粕を出さないような効率的な酒造りを進めていることと、日本酒の生産量自体が年々減っているため、酒粕の供給自体の絶対数が減っているからです。

また、大手のスーパーや健康食品を扱うお店などでは、地酒の酒粕を希望するところも多く、南部美人でも近年酒粕の需要が供給を追い越すほどの人気があります。

そんな酒粕ですが、実は酒粕を見ればその蔵の良心がわかるほど、蔵の酒造りへの姿勢を見ることが出来るということを知っている人は少ないです。

良心的な酒造りをしている蔵の酒粕は、米粒の残りが多く、色も真っ白です。逆の蔵は、米粒のかけらも無く、色も黄色に近いものが多いです。私達蔵元や日本酒関係者は、蔵へ行くと酒粕やしぼる機械のある場所を見れば、その蔵の本質が一発で理解できます。

また、最近では日本酒の蔵元が手がける酒粕から造る「粕取り焼酎」も注目されてきています。九州の「吟香露」などはその代表作です。この焼酎は、非常に吟醸香が高く、味わいが焼酎らしいすっきり辛口です。価格も香りの酒の代表である大吟醸などの日本酒よりも手軽で、近年は焼酎ブームも手伝い人気となっています。

このように人気の酒粕ですが、昔は廃棄処分することも多かったようです。いずれこのコラムで酒粕を使った料理の紹介や、健康への寄与も是非お話していこうと思っていますので楽しみにしていてください。

 

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