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シドニー発豪ドル見通し(2012年1月16日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

1/16(月)米国休場、日本11月機械受注、仏スペイン首脳会談、EU/IMF調査団ギリシャ訪問(最終日)

17(火)中国4QGDP、カナダ中銀政策金利、独1月ZEW景況感指数、英12月小売売上指数、ユーロ圏12月CPI、米1月NY連銀製造業景気指数、スペイン国債入札

18(水)英12月失業率、米12月PPI、米12月鉱工業生産指数、NZ12月CPI、ブラジル中銀政策金利、独2年国債入札、ポルトガル短期国債入札

19(木)豪州12月雇用統計、南ア政策金利、米12月住宅建設許可/住宅着工件数、米12月CPI、米1月フィラデルフィア連銀景況指数、スペイン国債入札、フランス国債入札

20(金)英12月小売売上高、カナダ12月CPI、米12月中古住宅販売件数、独仏伊首脳会議

マーケットの焦点

キーワード― 欧州各国格下げ(先週実行)、ドル円需給、地政学的懸念、中国4QGDP

新年も2週目が終わり、市場の活性度も大分戻ってきました。

その中でやはり目立つのは欧州懸念の深刻化ですね。

アセット市場(株価、商品相場、リスク通貨など)は前週末と比較して、商品相場は若干軟化(CRBは309から307に下落)していますが、株価(インデックス)では、やや下げているのは独DAX指数だけでその他市場ではむしろやや上昇し、資源通貨も堅調地合いを維持しています。

一方、ユーロは欧州株価軟調と歩調を合わせて金曜日には1.26台前半、97円台前半に直近の安値を更新しています。

先週もECBが一部予想に反して金利を据え置きし、また欧州経済に関しても慎重ながらもあまり悲観的な見方は示されず、加えてスペインやイタリア国債入札が順調で、週央にはユーロの反発も見ました。

しかし金曜日にはS&Pによる欧州各国格下げ観測が強まりユーロは一段安となりました。

実際にS&Pはイタリア、スペイン、ポルトガルなど4カ国の格付けを2段階引き下げ、そしてオーストリア、フランスなど5カ国を1段階引き下げました。

また関係筋の話としてギリシャの債務交換協議が合意に達するという楽観的な見方が後退し、S&P以外の格付け会社の動向も含めて、今週も欧州情勢は予断を許しません。

次にドル円の需給につきまして一言。

先週はガイトナー米財務長官の訪日を受けて、日本当局の介入懸念が後退し、ドル円は76円台半ばまで下落しましたが、その他にも本邦機関投資家による復興需要資金捻出のための外貨建て資産売却の思惑や、FRBの量的緩和観測、更には欧州不安からくるリスク回避の円買いなど、依然として円買い需要が多い状況です。

ただ今後のこととなると、日本国債格下げの可能性も指摘されており、これは新たな円売り圧力となる可能性があります。

また火曜日には中国4QGDPが発表され予想は+9.2%(前回は+9.4%)となっていますが、中国の景気減速傾向が確認されるか、注目されます。

年初来市場では地政学的リスクを指摘する声が強まっています。

中東情勢ではイスラエルがイランの核関連施設を攻撃するとの懸念が高まり、一方イランは経済制裁の報復としてホルムズ海峡の封鎖に乗り出す危険性もあります。またそれらを背景に米英の軍事的対応も今後注目されるポイントです。

更に、先週北朝鮮は日本海に向けて短距離弾道ミサイル3発を発射しましたが、北朝鮮の動向も気になるところです。

今週も欧州情勢はじめとしたリスク許容度が市場の焦点となりそうです。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0145-1.0377 AUDYEN 78.08-79.76

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0400  AUDYEN 77.00-80.00

今週の豪ドルは引き続き”ユーロ安に引っ張られて上値は限定的”でしょう

先週の豪ドルは概ねユーロ相場に連れる展開となり、上昇後に反落しました。

月曜日に発表された豪州の11月小売売上高は、やはり12月のクリスマス商戦前の買い控えもあり、前月比0.0%(予想+0.4%、前月+0.2%)と不冴えな結果でした。

一方、火曜日に発表された11月の住宅建設許可件数は+8.4%(予想+7.0%、前月-10.7%)と前月から反発しましたが、係る国内指標は相場に大きな影響を与えませんでした。

週央のユーロ反発時には高値1.03台後半、79円台後半まで反発しましたが、週末にかけてはやはり欧州懸念を背景にじり安推移しています。

ただクロス取引では対ユーロで0.81台半ばに史上高値を更新し、対円でも79円台をキープするなど、リスク通貨の中でも豪ドルは景気格差/金利格差に加えて、財政の健全性も評価されて、底堅い動きとなっています。

今週は木曜日に発表されえる12月豪州雇用が国内イベントでは注目されます。予想値は失業率5.3%(前回5.3%)、就業者数+10千人(前回-6.3千人)となっていますが、予想に反して11月に引き続いて就業者数がマイナスになれば、労働市場がかなり冷え込んでいる証左となります。

また今週発表される米国の12月インフレ指数(CPI、PPI)が高いようであれば、FRBによる追加量的緩和の思惑が後退し、それは豪ドル米ドルのサポート要因になります。

ここまで豪ドルはユーロの下落にも関わらず、堅調地合いを維持していますが、ユーロ一段安となればやはり下方に引きずられる展開も予想され注意が必要でしょう。

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

・外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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