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22「ワインスクールで日本酒の授業」

22「ワインスクールで日本酒の授業」

 

今日はちょっと視点を変えてお話をしてみたいと思います。

日本酒は良くワインに例えられたり、ワインの表現を使ったりする方がいらっしゃいます。確かにジャンルで言えば原材料を発酵させアルコールを得たもの「醸造酒」ですので、ジャンル的には同じともいえます。原材料がぶどうか米の違いで、発酵形態がちょっと違うだけです。

実は私達、日本酒の若手蔵元有志と日本航空(JAL)が共同開催で、数年前からロンドンのWSETというワインスクールで日本酒の授業を担当しています。

私は酒造りを自身でしていることもあり、毎年講師を担当しておりました。

ワインのソムリエになる方々や、ロンドンの日本酒輸入業者、レストランの酒マネージャーなど毎回約50名の受講者が参加します。

いつも5社から10社の蔵元が行き、その年の講義のテーマに沿ったお酒を持って行き、それぞれテイスティングして、日本酒の表現の仕方や味わいの特徴などを勉強してもらっています。

米の種類からはじまり、昨年は精米歩合についてお話して、今年は何と「仕込み水」がテーマの講義をしてきました。各蔵元は自社のお酒と自社の仕込み水を両方持ってきて「この水からこのお酒が出来ました」と水と酒の両方を同時にテイスティングしていただくという、非常に珍しく、貴重な講義をしてきました。

昨年の精米歩合、今年の仕込み水、この両テーマはワインをやっている方々の中で、ワインと日本酒の最大の違いを説明するのにもってこいです。

ワインはぶどうの果汁で仕込みますので、水はいりません。日本酒は米だけでは発酵しませんから水が米の1,5倍も必要になります。また米は玄米のままでは使えませんので、必ず精米します。

ヨーロッパですから、特にワインと日本酒は同じ種類だけど、こんなに違う、というところを中心に講義はしています。是非オーストラリアでもこのような勉強会を出来ればどんなに素晴らしいことでしょう。実現させるように頑張って行きます。

 

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