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シドニー発豪ドル見通し(24July 2017)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

 

(豪ドル円日足)

 

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

<今週の主な予定・イベント>

7/24(月)独/ユーロ圏7月製造業PMI、米6月中古住宅販売、OPEC/非OPEC閣僚会議

25(火)独7月ifo景況感指数、米7月消費者信頼感

26(水)豪州Q2CPI、英Q2GDP(速報値)、米6月新築販売件数、FOMC

28(木)米6月耐久財受注、新規失業保険申請件数

29(金)日本6月雇用統計/CPI、米Q2GDP(速報値)

 

<マーケットの焦点>

キーワード:FOMC、米Q2GDP、ロシアゲート、Brexit交渉、欧州政局(メイ政権、ギリシャ債務問題、独総選挙)日欧米金融政策、中国格下げ、原油価格

先週主要国の株価は高値圏を維持するもやや冴えない展開。また一時47ドル台まで反発していた原油価格も45ドル台に反落するなど、商品相場もやや軟調でした。

日欧の金融政策会合が開催されましたが、日銀会合では2%の物価目標達成時期を19/20年に一年後ずれさせてインフレ目標を下方修正し、黒田総裁の言葉から今後も強力な緩和策を継続するスタンスが確認されドル円は一時112円台半ばまで上昇しました。

一方同日開催されたECB理事会では“量的緩和を持続的なインフレ上昇がみられるまで継続する”旨発表がありましたが、その後の会見でドラギ総裁は「ECB理事会は秋に決定を下す」と意味深長な発言をし、市場は“9月に出口戦略開始か?”と色めき立ちユーロが1.16台に急上昇しました。

つまりECBの出口戦略の可能性と日銀の緩和継続という真逆の方向性が確認されました。

また先週はトランプ政策でも大きな動きがありました。

まずオバマケア撤廃を目指すヘルスケア法案は上院共和党内で合意が得られず、審議入り断念となりました。この結果トランプ政策の本丸であるべき税制改革法案やインフラ整備法案の着手の遅れは明白であり、トランプ政権への失望感が強まりました。

更にロシアゲート疑惑を捜査中のモラー特別検察官がトランプ大統領のビジネスにまで捜査範囲を拡大すると発言し、トランプ・ジュニア関連の文書保全要請しています。

更にトランプ政権の顔ともいうべきスパイサー報道官は政権発足半年で辞任するなど、トランプ政権の基盤が揺らぐ事態となっており、政権支持率40%を下回る水準です。

今週は米国のFOMC(木曜日早朝)、Q2GDP(速報値、予想2.5%、前回1.4%)発表やロシアゲート疑惑など米国発の材料が市場の焦点です。

FOMCでの政策変更は先月利上げの後で、予定されませんが、9月のバランスシート縮小開始に対する踏み込んだ発言があるかがポイントです。

またQ2GDPはFRB当局発言のようにQ1の数字が一時的に軟調であったのか検証することになります。

米国金融政策は既に出口戦略実施中であり、9月のバランスシート縮小開始も市場にはかなり織り込み済で、日本を除く他の主要国の出口戦略の可能性が高まる中、FOMCの結果が新たなドル買いにつながる可能性は少ないと思います。

むしろロシアゲート疑惑の進展いかんではトランプ政権が更に苦境に立つ可能性があり、そうなればFRBの引き締め政策もスローダウンする可能性があります。

本日国会の閉会中審査で加計学園問題が審議されていますが、従来加計問題=円安材料であったものが、安倍政権支持率続落で本日は“株安・円高(110円台)”に市場が反応している点は、従来と異なる点であり注視すべきでしょう。

今週ドル(対円・対ユーロ)は上値の重い展開が予想されます。

 

<豪ドル相場>

先週のレンジ:AUDUSD  0.7800-0.8000   AUDYEN  86.00-89.00

今週の予想レンジ: AUDUSD  0.7700-0.7900  AUDYEN  86.00-89.00

今週の豪ドルは:下値は押目買いにサポートされるでしょう

先週豪ドルは80セント手前、89円台前半の高値からやや反落しました。現在79セント台は維持していますが、対円ではドル円の110円台への下落を受けて87円台後半に下落しています。

上述のように商品相場の反落受けて、“買われ過ぎ状態”の調整が入ったものだと思われます。ただ先週のRBA議事録でRBAはキャッスレートのターゲットを3.5%(現在1.5%)としており、金利先高観が再び台頭しています。

今週は26(水)に発表されますQ2消費者物価が注目されます。

予想はヘッドライン(全項目)が前期比+0.4%(前回+0.5%)、前年比+2.2%(前回+2.1%)、RBAの注視するアンダーライイング・インフレーションは予想が前月比+0.5%(前回+0.45%)、前年比+1.75%(前回+1.8%)となっています。

RBAが引き締めに進めない原因として住宅価格の高騰と高水準の家計負債に加えて、低インフレ率があります。RBAの予測するようにアンダーライイング・インフレーションはRBAのターゲットレンジである2-3%のレンジの内側に向けて上昇しているのか?予想が前回よりもやや下回っているのが気になるところです。

豪ドルは調整が一巡すれば底堅い展開が予想されます。

Have a nice week in advance !!!

                                   Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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