【ACT27日】 航空業界のベテラン、ディック・スミス氏がオーストラリアの航空安全体制について改めて警鐘を鳴らし、一部のパイロットが依然として事実上「目隠し状態で飛行している」と警告した。
7NEWSの「スポットライト」が、管制されていない空域や過重労働となっている航空管制官、相次ぐニアミスについて新たな懸念を取り上げたことを受け、スミス氏はオーストラリアの航空システムの一部がパイロットを「目隠し状態」に置いているとの指摘を改めて示した。
番組の中でスミス氏は、オーストラリアの航空管制官について「世界中で出会った中でも最高」と評価した一方、より大きな問題は、依然としてあまりにも多くの航空機が管制空域の外を飛行しているシステムそのものにあると主張した。「オーストラリアは、航空会社の旅客機が管制されていない空域で雲の中を飛行しているという点で、世界でもかなり特殊な国だ」とスミス氏は述べ、一部地域ではパイロットが今も「1930年代のシステム」と表現するような手順に頼っていると警告した。
今回の調査では、航空管制ネットワークそのものへの負担も増していることが明らかになった。シドニーの航空管制官で、シビル・エア労組の会長を務めるスコット・ニュージェント氏は、人員不足が中心的な問題だと指摘した。「航空管制官が適切に仕事をするために必要なものを確実に提供するには、今すぐ何かを変える必要がある」とニュージェント氏は述べた。
また、管制官の疲労も深刻な問題になりつつあると警告し、一部の管制官が過酷な勤務シフトや大量の時間外労働をこなしていると指摘した。「どんな世界であっても、1人の労働者に年間800時間の時間外労働を求めるべきではない」と同氏は述べた。「実際にそうした勤務をしている人もいる。それは正しくないし、安全でもない」
こうした懸念は、シドニー空港などで複数の重大なインシデントが発生したことで、さらに切迫したものとなっている。
「スポットライト」は、ジェットスター便JQ402で発生したニアミスについても改めて取り上げた。同機が離陸に向けて地上走行していた際、けん引されていたカタール航空機との距離が数メートルにまで接近。ジェットスター機が急停止したことで乗員1人が負傷し、乗客にも動揺が広がった。
オーストラリア運輸安全局(ATSB)は、このインシデントを含め、最近発生した複数の事案について調査している。
スミス氏が特に懸念を示したのは、航空安全対策の焦点が集まりやすい大都市の主要空港から離れた場所で何が起きているのかという点だ。番組によると、オーストラリアでは一定の高度以下の空域の70%が管制されておらず、その中には航空会社の旅客機が利用する地方空港も複数含まれている。
スミス氏は、こうした問題の改革については何十年にもわたって議論されてきたものの、十分に実現していないと主張した。また、2020年にマンガロールで発生した航空機同士の衝突事故を挙げ、航空機がそれぞれ自力で間隔を確保することに委ねられた場合、どのような事態が起こり得るかを示す警告だと指摘した。
スミス氏は、管制されていない空域を飛行するパイロットに、訓練を受けた航空管制官と同じレベルの対応を求めるべきではないと主張し、「パイロットが航空管制官より優れた対応をすることは決してない」と警告した。同氏は、改革が可能であることを示す例としてバリナを挙げた。長年にわたる安全上の懸念と数十件のインシデントがきっかけとなり、同空港は管制空域に組み込まれることになった。
ソース:news.com.au – Dick Smith warns pilots are ‘flying blind’ in Spotlight air safety investigation