【NSW8日】 NSW州の国立公園で、これまで州内では珍しかったピンク色の湖を見られるようになる可能性がある。州政府と連邦政府が、アウトバックに広がる7万4,000ヘクタール以上の土地を取得することで合意した。
州西部の遠隔地にある「パルガマーティー・ステーション」の取得により、SA州やWA州で見られるようなピンク色の湖が、NSW州の国立公園用地に初めて加わることになる。この取引によって、NSW州では珍しく、通常は季節限定で現れる2つの湖が、観光客に公開される可能性も生まれた。
NSW州のペニー・シャープ環境相は、今回の取得について、「一世代に一度ともいえる自然保護と観光の機会であり、この素晴らしい景観を守るとともに、より多くの人々がその魅力を体験できるようにするものだ」と述べた。「パルガマーティーほど、NSW州のアウトバックの広大さと多様性を感じられる場所はほとんどない。湿地や湖、起伏のある乾燥した平原がモザイクのように広がっている」と同氏は語った。
パルガマーティー・ステーションは、ブロークン・ヒルの北東約235km、シドニーからは1,200km以上離れた場所に位置する。ここには、オーストラリアヅルやモモイロインコといった象徴的な鳥類を含む、70種以上の絶滅危惧種が生息している。また、ロシア、中国、日本など遠方から飛来する渡り鳥も確認されている。ピンク色の湖は、自然界に存在する藻類や細菌がピンク色の色素を生成することで生まれる。敷地内には湖のほかにも、広大なアウトバックの平原や砂丘、湿地、複数の大きな湖が広がっている。
NSW州国立公園・野生生物局(NPWS)は今後、生態系と文化遺産に関する調査を行ったうえで、訪問者向けのさまざまな体験プログラムを検討する。候補には、大きな水域の近くに設けるキャンプ場、日帰り利用エリア、ウォーキングトレイル、ドライブコース、クーネンベリー山脈を背景にしたバードウォッチングなどが含まれる。
連邦政府のマレー・ワット環境相は、「オーストラリアの人々は自然の中で過ごすことを好む。今回の取得によって、将来の世代のために、さらに多くの自然を守ることができる」と述べた。「NSW州の多様な地域を保護・保全することで、多くの絶滅危惧種と、彼らが生息する環境を守ることにつながる」
州政府によると、パルガマーティー・ステーションのような土地の取得は、これまで保護区制度の対象として十分に含まれてこなかった生態系を守ることにも役立つ。NSW州では、ミッド・ノース・コーストに「グレート・コアラ国立公園」を設立する計画も進んでおり、保護区の大幅な拡大が見込まれている。今回の取得は、州西部の雇用や地域社会の支援にもつながるとされる。
パルガマーティー・ステーションは、約2年間にわたり売りに出されていたが、公売では最低売却価格に達せず、売却が成立していなかった。その後、オーストラリア・ブッシュランド・プログラムを通じて、NSW州政府と連邦政府が共同で取得した。NSW州国立公園・野生生物局は今後、マリャンガパ先住民コミュニティーの人々や近隣の土地所有者、その他の関係者と緊密に連携しながら、今後の計画を進めるとしている。
マリャンガパ先住権委員会の代表委員マーク・サットン氏は、保護地域の拡大をコミュニティーとして支持すると述べた。「パルガマーティーの取得によって、この地域を代表する景観と、アボリジナルの文化遺産が保護される」と同氏は語った。「地元の人々にも観光客にも新たなレクリエーションの場となるよう、国立公園・野生生物局と協力していくことを楽しみにしている」
2024年以降、NSW州西部では60カ所以上の土地が売却されている。昨年、州政府はアイバンホーの北にある約7万1,000ヘクタールの遠隔地2カ所を取得し、国立公園に転換する計画を発表した。
2023年には、QLD州との州境に位置する「サールー・ダウンズ」が1億800万ドルで取得された。ACTのほぼ2倍の広さを持つこの土地は、NSW州の歴史上、国立公園用地として取得された民有地の中で最大規模となった。同地は2027年に一般公開される見通しだ。
ソース:news.com.au – ‘Once-in-a-generation’: NSW visitors could see pink lakes after national park purchase