【ACT14日】 オーストラリアで、少女や少年に対する暴力や性的暴力が急増していることが新たな研究で明らかになり、早急な対策を求める声が上がっている。
シドニー大学の研究によると、2014年から2024年にかけて、性的暴行と家庭に関連する暴力の発生率が大幅に上昇した。特に過去3〜5年間で、暴力の増加ペースがさらに加速しているという。研究では、生活費の高騰、世帯間の所得格差の拡大、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響、そして暴力被害の報告件数の増加が、こうした状況の背景にあると分析している。
また、ジェンダー規範の変化も要因として挙げられた。「伝統的な男女の上下関係や男性優位の考え方が再び強まっている」ことなどが、女性や子どもが暴力を受けるリスクをさらに高めているという。家庭内暴力(FDV)への対応では、支援サービスの不足や、支援を求める人の増加による資源への需要拡大も、状況の悪化につながっていると研究は指摘した。
報告書には、「多くの家庭内暴力支援サービスから、予算や人員などの支援体制が拡充されないまま需要が増加しているとの報告が寄せられている。また、メンタルヘルスや薬物使用に関する治療を受けるまでに長い時間がかかっている」と記されている。さらに、「家族が早期支援や治療、危機介入を受けられなければ、暴力がエスカレートしたり、長期化したりする可能性がある。その結果、今回のデータの出典となった法定機関の対応対象となるケースが増えることになる」と説明している。
17歳以下の少女に対する性的暴力の発生率は、継続的に上昇していた。一方、少年に対する暴力は2021年以降、急激に増加し、わずか3年間で50%以上の増加となった。具体的には、7歳未満の少年が家庭内暴力の被害を受ける割合は、過去10年間で57%増加した。また、少女と少年の双方で、家庭に関連する暴力の増加が懸念されている。2020年から2024年にかけて、増加率は8〜20%に達した。
シドニー大学マチルダ・センターの研究を主導したルーシー・グルミット氏は、子どもへの暴力が「危機的状況」に達しつつあると警告した。グルミット氏は「この10年間で性的暴行や家庭内暴力は増加してきたが、特に懸念されるのは、最も急激な増加が過去3〜5年間に起きていることだ」と述べた。
同氏は、連邦政府と州・準州政府に対し、予防策と早期発見への投資を緊急に拡大するよう求めた。「子どもたちが、暴力の中でも特に深刻な被害を受ける段階にまで追い込まれるケースを減らすためには、予防と早期介入への投資をさらに増やす必要がある」とグルミット氏は訴えた。
ソース:news.com.au – ‘Crisis point’: New study reveals sharp increase in violence against Australian children