【ACT23日】 オーストラリアの科学者らが主導する、患者ごとに作製するmRNAメラノーマワクチンの世界初の大規模臨床試験で、画期的な成果が示された。
オーストラリアの科学者らが主導する世界初のがんワクチンの臨床試験で、手術後のメラノーマ(悪性黒色腫)の再発リスクを大幅に低減できる可能性が示された。モデナとメルクが開発したこのワクチンを使ったオーストラリア主導の第3相臨床試験では、手術から2年後のメラノーマ再発リスクが、免疫療法薬ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)のみを投与された患者と比べて42%低下した。
この画期的な臨床試験の中心人物は、2024年に故リチャード・スコーラー氏とともにオーストラリア・オブ・ザ・イヤーに選ばれたジョージナ・ロング教授だ。試験には1100人が参加し、全員が事前にメラノーマの腫瘍を手術で切除し、免疫療法薬ペムブロリズマブの投与を受けていた。その後、参加者の3分の2には患者ごとに作製されたmRNA治療薬が投与され、残りの参加者にはプラセボが投与された。
研究結果によると、両方の治療を受けた参加者の82%がメラノーマのない状態を維持したのに対し、ペムブロリズマブのみを投与された患者では70%だった。この画期的なワクチンは患者ごとに個別化され、患者の腫瘍組織のサンプルを使って作製される。腫瘍のデータを解析し、それぞれの患者に合わせたmRNA治療を設計する。
「健康な人の病気を予防する従来のワクチンとは異なり、これは治療用ワクチンだ。すでにがんを患っている人を対象とし、がんの再発を防ぐことを目的としている」とロング教授は8月に語っていた。ロング教授は、今回のmRNAワクチンの研究結果について、手術後のメラノーマ再発を恐れる患者にとって「意義のある前進」だと述べた。
「メラノーマがリンパ節や体の離れた部位に転移していて、手術で取り除いた場合でも、がんが再発するリスクは常にある。今回の結果は、免疫療法の一種であるペムブロリズマブにインティスメリンを追加することで、ペムブロリズマブ単独と比べ、がんの再発リスクを大幅に低減できることを示している」
モデナのステファン・バンセルCEOはロイターに対し、今回の臨床試験の影響は「非常に大きい」と語った。「患者の腫瘍に特異的な新しいT細胞を作り出すことができるこの技術によって、臨床的な効果は非常に大きくなる。そして第2相試験で確認されたように、その効果は非常に長く続く」と述べた。
ソース:news.com.au – Australian-led mRNA cancer vaccine trial cuts melanoma return risk by 42 per cent