政治

カナダのEU接近を受け、豪州のEU加盟について首相に質問

【ACT20日】   アンソニー・アルバニージー首相が、オーストラリアが欧州連合(EU)への加盟を検討する可能性について質問を受けた。

ドナルド・トランプ米大統領が、カナダのマーク・カーニー首相によるEUとの関係強化に向けた動きを批判する中、アルバニージー首相は、オーストラリアがEUに加盟する可能性を明確に否定することを避けた。トランプ大統領は、カナダがEUとの関係を強化する動きについて、米国政府から「敵対的な行為」とみなされる可能性があると警告した。両国首脳は、悪化する貿易戦争をめぐって対立を続けている。

2025年初めに長年首相を務めたジャスティン・トルドー氏の後を継いだカーニー首相は、米国側が最後の段階で要求を追加したことや、カナダの主権に対する懸念を理由に、8月に米国との協議を中断した。その後、両国は報復措置として広範な関税を相互に課しており、アルコールや自動車産業も対象となっている。

こうした対立が激化する中、カナダは今週、EUから「準加盟国」としての地位を提案された世界で初めての国となった。ASEANやOPECなど、多くの国際機関では、正式な加盟国ではないものの、緊密な関係を持つ準加盟国が存在する。欧州議会のロベルタ・メッツォラ議長は、「ヨーロッパ・トゥデイ」のインタビューで、オーストラリアやニュージーランドもカナダと同様の道をたどる可能性を示唆した。

米国でシリコンバレーや国連との協議を行っていたアルバニージー首相は、オーストラリアは「ヨーロッパからかなり遠い」と述べた。しかし、オーストラリアのEU加盟に関心がないのかと重ねて質問されると、ABCの取材に対し、「我々には、そうだと思うが、別の重点事項がある」と答えた。「EUとは非常に良好な関係を築いている」と述べた。

さらに質問されると、「私が重点を置いているのは、(EUとの)自由貿易協定(FTA)であり、それをオーストラリアと欧州の双方で成立させることだ」と続けた。オーストラリア政府とEUは、数か月にわたる交渉を経て、3月に自由貿易協定を締結した。アルバニージー首相は、オーストラリアが東南アジアの主要な政府間組織であるASEANの対話パートナーであることや、太平洋諸島フォーラムにも参加していることを指摘した。

カーニー首相は就任以来、トランプ大統領に対して率直な懐疑姿勢を示している。トランプ大統領はこれまで繰り返し、カナダが米国の「51番目の州」になることを求めてきた。カーニー首相はまた、カナダやオーストラリアのような、いわゆる「ミドルパワー(中堅国)」同士の協力強化を強く支持している。

カーニー首相は先週、フランス・ストラスブールの欧州議会で演説し、ミドルパワーの国々が連携し、「誰にも私たちの選択を決められないほど強力な同盟」を築くよう呼びかけた。「大国間の競争相手となる第3の勢力を作ろうとしているわけではない。単に、より礼儀正しい大国になるということでもない」と述べた。さらに、「私たちは他者を支配するための力を求めているわけではない」と語った。「それどころか、私たちが追求しているのは強靭性だ。誰にも、誰にも、私たちの開かれた市場を支配させず、主権を損なわせず、領土の一体性を脅かさせず、自由や民主主義、法の支配を弱体化させないためだ」

20日に発言したアルバニージー首相は、3月にカーニー首相をキャンベラに迎えたことにも触れ、米国と中国がAIをめぐって競争する中で、またオーストラリアが国連安全保障理事会の議席獲得を目指す中で、オーストラリアは「ミドルパワー」であると述べた。

イランをめぐる戦争について、アルバニージー首相は「非常に大きな影響を及ぼしている。そして明らかに、国連が対応を強化する必要がある。オーストラリアのようなミドルパワーも、我々が持つ影響力を行使する必要がある」と語った。

カナダがEUの準加盟国となった場合、具体的にどのような立場になるのかは、現時点では明確になっていない。EUには現在、準加盟国という制度は存在しないが、アルバニアやウクライナなどとは、複数の準加盟協定を結んでいる。こうした協定は、貿易や安全保障面でのパートナーシップを強化することを目的としており、EU加盟への道筋とみなされている。ただし、加盟までには数十年かかる場合もあり、カナダが同じ道を進むことは考えにくい。

準加盟協定を結ぶには、EU加盟27か国すべての全会一致による承認も必要となる。EUは全体として比較的安定しているものの、近年はウクライナ戦争をめぐって加盟国間の意見の隔たりが生じている。特に、元ハンガリー首相でロシアのプーチン大統領を支持してきたビクトル・オルバン氏をめぐる問題がある。

EU自体も、トランプ大統領の2期目に入ってから批判の対象となっている。トランプ大統領がグリーンランドをめぐって示している構想や、EU加盟国が米国とイスラエルによるイランとの戦争への協力に消極的であることなどが背景にある。英国は現在EUの加盟国ではないものの、現在の労働党政権の下でEUとの関係を深めている。

米国との関係をおおむね緊密に維持してきたオーストラリアが、EUの準加盟国となった場合に欧州とどのような関係を築くことになるのかは、現時点では明らかになっていない。

ソース:news.com.au – Anthony Albanese grilled on joining European Union after Canada move

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