政治

「力こそ正義」の台頭に首相が反論

【ACT25日】   アンソニー・アルバニージー首相は、オーストラリアの国連安全保障理事会の議席獲得を目指す中、米国と中国の双方に向けて強いメッセージを発した。

アンソニー・アルバニージー首相は、国連総会で行った演説で、「どの国も支配せず、どの国も支配されない世界」を求め、「力こそ正義」とする政治姿勢をけん制した。

オーストラリアが国連安全保障理事会の議席獲得を目指していることを強調し、国連について「大国や最大規模の国々、あるいは最も声の大きな国だけに委ねることはできない」と述べた。「また、世界で最も裕福な企業に業務を委託したり、テクノロジーの進展の速さによって方向を決められたりすることもあってはならない」と、各国の首脳を前に語った。

そして、「安全で平和かつ繁栄した世界を形作ることは、私たち全員の責務であり、その世界は私たち全員の価値観と願いによって動かされなければならない。私たちは皆、それぞれ果たすべき役割を担っている。だからこそオーストラリアは、2029~30年の国連安全保障理事会の非常任理事国入りを目指している」と語った。

首相は続けて、「より安全な世界とは、力や武力だけではなく、ルールによって統治される世界だ」と述べた。「それは、すべての国が自らの未来を決める自由を持ち、すべての国の意思決定が尊重される世界だ。オーストラリアが国連安全保障理事会の一員となった場合、国連憲章を含む国際法を守り、すべての国の主権を尊重することで、私たち全員を守るルールを維持していく。また、小国や中堅国の声をより大きく反映させ、より幅広い視点が安全保障理事会の意思決定に反映されるよう取り組む。外交、平和構築、実践的な行動を通じて、危機の発生を防ぎ、紛争を解決し、民間人を守るために取り組んでいく」

オーストラリアを取り巻く地域情勢に話を移すと、アルバニージー首相はインド太平洋地域における中国の行動を念頭に置いたとみられる発言を行った。首相は、「主権を有する能力を構築し、強制を受けることなく各国が自らの選択をできるよう支援する関係を強化している」と述べた。こうした取り組みによって、オーストラリアのパートナー国が経済安全保障、人間開発、エネルギー安全保障、国境を越える犯罪、主権に関わる能力、貿易・投資、科学・技術など、直面する重要な課題に対応できるようにするとした。

また、トランプ政権が世界各国を対象に関税措置を強化する中、アルバニージー首相は米国政府にもメッセージを送った。「オーストラリアは、どの国も支配せず、どの国も支配されない、より安全な世界を支持する。危機は未然に防ぎ、紛争はルールと対話を通じて解決し、国際機関が成果を生み出す世界だ」

アルバニージー首相の発言は、米国のドナルド・トランプ大統領が中国の習近平国家主席とワシントンで会談した後に行われた。習主席は歓迎式典で演説し、中国の台頭によって戦争が引き起こされる可能性を指す「トゥキディデスの罠」を回避することが、米中両国には可能だと述べた。

「中国と米国は国家としての状況が異なる。しかし、率直で踏み込んだ継続的な対話を通じて、両国は互いをより深く理解し、違いを残しながらも共通点を見いだし、相互信頼を築くことができる」と述べた。さらに、習主席は自身とトランプ大統領について「互いに尊重している」とし、「個人的な信頼関係を築いている」と語った。その上で、両大国は「平和的に共存すべきだ」と述べた。

「これまで何度も述べてきたように、中国と米国はともに主要国として、協力によって利益を得ることができる一方、対立すれば双方が損失を被る。競争について語ることを避ける必要はない。しかし、私たちの競争は健全なものであり、一定の範囲内にとどめるべきだ。それは、どちらか一方が勝ち、もう一方が負けるような争いではなく、互いに追いつこうと競い合うレースであるべきだ」

「中国と米国は、両国の間で対立や衝突を起こさないという原則を守らなければならない。そして、私たちがともに故郷と呼ぶこの地球上で、両国が共存するための正しい道を見つけることは、十分に可能だ」

ソース:news.com.au – ‘No country dominates’: PM pushes back against rise of might is right

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