【NSW4日】 オーストラリア高等裁判所は、ウーバーがドライバーに支払う金銭は賃金に当たるとの判断を示し、同社に8,100万豪ドルの給与税の支払いを命じた。
7人の裁判官のうち6人は、ドライバーが乗車依頼を受け入れた後は乗客を輸送する法的義務を負うことから、完了した乗車に対して支払われる金銭は「賃金とみなされる」と判断した。今回の判決により、ウーバーは2015年から2020年までの5年間にNSW州のドライバーが行った業務に関し、8,100万豪ドルを超える給与税を支払わなければならない。国内最高裁で敗訴したウーバーは今後、法改正を求めて働きかけを行う方針だ。
運輸労働者組合(TWU)は、テクノロジー企業が長年にわたりオーストラリアの法律を回避してきたと批判している。同組合のマイケル・ケイン全国書記は、「巨大テクノロジー企業は、アプリやアルゴリズムを通じて事業を運営しているため、自分たちには法律が適用されないと、世界各国の政府に何年も主張してきた」と述べた。「今回の高等裁判所の判決は、法律を逃れようとする企業に対する重要な現実の突きつけだ。雇用関係にない可能性のある労働者と契約している企業であっても、公平な負担を果たさなければならない」
2025年、オーストラリアの利用者はウーバーの各関連事業体に総額145億豪ドルを支払い、同社は21億豪ドルの売上総利益を計上した。しかし、売上総利益の計上後、ウーバー・オーストラリアは「サービス料」として海外の関連会社に18億5,000万豪ドルを支払っており、その結果、法人税の納付額はわずかにとどまった。今回の高等裁判所の判決は、NSW州における5年間の給与税の請求に限ったものだが、最高裁による判断であるため、上訴することはできない。
TWUによると、今回の判決は、食品配達員の最低賃金や労働条件をめぐる公正労働委員会(Fair Work Commission)の「世界をリードする」判断に続くものだという。2024年、ウーバーはビクトリア州のタクシー運転手らが起こした集団訴訟で、責任を認めることなく2億7,180万豪ドルを支払うことで和解した。この訴訟は、ウーバーの積極的な事業拡大によってタクシー運転手の収入や営業許可証の価値が下落したことをめぐるものだった。
ケイン氏は、「ウーバーのビジネスモデルは、利益をすべて享受しながら、法律上の義務から距離を置こうとすることで、巧妙に作り上げられてきた」と述べた。「しかし、抜け穴を利用して地域社会から利益を吸い上げながら、見返りを何も提供してこなかったギグエコノミーの巨大企業やその他のテクノロジー企業にとって、もはや猶予はない」
ウーバー・オーストラリアの報道官は、州政府は給与税法を現代の経済に合わせて改正する必要があると述べた。「ウーバーのようなデジタル・マーケットプレイスは、従来の雇用や業務委託の形態を想定して設計された給与税法の対象とすべきではないと考えている」と同社の報道官は述べた。「高等裁判所は現行法の適用方法について判断を示したが、テクノロジープラットフォームが独立したサービス提供者と顧客を直接つなぐ経済において、こうした法律が今も目的に適しているのか、政府は検討する必要がある」
ウーバーは、今回の判断が医療機関や住宅ローン仲介業者など、経済全体の仲介事業者にも影響を及ぼす可能性があると主張している。報道官は、「オーストラリアの企業がすでに大きな規制負担とコスト上昇に直面している中で、今回の判断は懸念すべき先例となる」と述べた。
NSW州のコートニー・ハウソス財務相は、ウーバーは公平な税負担を果たすべきだと述べた。「今回の判決は、NSW州歳入局長官による法律の解釈が正しいことを確認する重要なものだ。また、税制の健全性を守るというミンズ労働党政権の姿勢を反映している」と同相は述べた。「地元企業は公平な税負担を果たしている。ウーバーも同じように負担すべきだ」
ハウソス財務相によると、NSW州の企業の約5%が給与税を納めており、その大半は大企業だという。税収は、不可欠な公共サービスの財源となっている。ウーバーは、自社は「決済代行業者」にすぎず、ドライバーは従業員ではなく業務委託先だと主張していた。
オーストラリア経済団体ビジネス・カウンシル・オブ・オーストラリアは、今回の高等裁判所の判断により、現行の給与税法が現代経済に適合しているのかという疑問が生じたと指摘した。同団体のブラン・ブラック最高経営責任者(CEO)は、「一部の業務委託契約では、企業が顧客から受け取って独立したサービス提供者に引き渡す金銭に対しても、給与税が課される可能性があることを意味する」と述べた。「デジタルプラットフォームは、企業が顧客にサービスを提供する方法を変えた。州・準州政府は、給与税の規則が現在の業務委託形態に適しているかを確認し、企業が見通しを立てられる明確で現代的なルールを整備する必要がある」
4日の判決により、数年にわたって続いた法廷闘争に決着がついた。ウーバーは2021年に8,100万豪ドルの給与税を請求されたが、NSW州最高裁判所は同社の主張を認める判断を下していた。これに対してNSW州歳入局が控訴し、控訴裁判所で勝訴。今回、高等裁判所もその判断を支持した。判決では、ドライバーの業務遂行とウーバーがドライバーに支払う金銭との間には直接的な関係があるため、その支払いは「賃金」に当たるとされた。
判決文には、「ドライバーは、ウーバーがサービス料を得て事業を継続するために必要な業務を行うことで、明らかにウーバーにサービスを『提供』している」と記されている。「ウーバーからドライバーに送金される金額は、関連する契約に基づく業務(運転サービス)の遂行に対して、またはそれに関連して支払われる、もしくは支払われるべき金銭であり、したがって賃金とみなされる」
ソース:news.com.au – Uber loses High Court battle over payroll tax bill on driver wages, ordered to pay $81m