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その8 [大魔人王国の掟]

Y子

31歳。ものごとをあんまり深く考えていないのでストレスは少ない。自分の身に危険が迫ると恐怖のあまり脳がヒートしてしまい、笑い出してしまうクセがある。以前バンジージャンプをした時、飛び降りた瞬間からケラケラ笑っていた。お化け屋敷でも笑い出すので、お化けにビックリされてしまう。19歳でメイクアップアーティストに憧れて専門門学校へ。その後ファッションショーなどの現場で働くが、給料が安すぎて、家の電気、ガス、水道を止められる。それでもコンビニのトイレや銭湯に通いながら粘り強く続けるが、毎日ツナ缶だけで生活していたため、体重が40kgを切ってしまい最後は栄養失調で倒れてしまうという経験を持つ。彼氏ができると何よりも優先してしまうため友達はほぼいないという残念なタイプ。現在セカンドWHでシドニー滞在中。

ファームの休日にBBQパーティー。A子(右)と私

先日の電話での会話といい、A子は私に何か話しづらいことでもあるのだろうか。彼女の歯切れの悪さが気になった。とりあえず『キャラバンパークに住んでるの?』と聞いてみると、彼女はシェアハウスに住んでいると言う。それなら『私もA子といっしょにシェアハウスに住みたい』と言ってみた。すると『それは無理だよ』とにべもない。私は確信を持った。絶対に何かある。バイロンベイの学校で勉強していた時もA子とは本当に仲が良く、学校以外でも四六時中ずっといっしょにいたのだ。 私はA子を問いつめることにした。『どういうこと? 何か秘密でもあるの? 』と聞くと、彼女は重たい口を開き始めた。大魔人は人の好き嫌いが激しく、それに加えてかなりの気分屋であるらしい。仕事の振り分け方も、気に入った子には比較的楽に稼げる仕事を与え、嫌いな子にはキツくてあまり稼げない仕事を週に1、2回ほど与えるだけ。その基準はすべて彼の好みらしい(男性の場合イケメンには厳しい)。住居も基本は町のキャラバンパークなのだが、気に入った子を見つけると自分が管理しているシェアハウスに移すのだ。さらに気に入った子には愛人契約を結びオウンルームを与え、いつでも彼が遊びに行けるようにしているらしい。昨日会った受付の女性は彼の古くからの愛人で、あの日本人の子供たちはふたりの子供だったのだ。しかも中東系(イラク人だそうだ)の本妻の子供たちといっしょにみんなで仲良く暮らしているのだ。さらに驚いたことに、大魔人が所有するいくつかの畑を管理しているのは、それぞれ違う愛人だという。 『オーマイゴーッド! 』 あまりの衝撃に事実を受け入れられず、つい外人のリアクションをしてしまった。意味がわからない。そもそもこの国は一夫多妻制なのか? 大魔人、あなたはここオーストラリアで新しく法律を作ってしまったのか? なぜみんなそれを知っていてここに留まるのか。

『ここは仕事してもしなくても3ヵ月間このファームに登録していればセカンドビザが貰えるから、 みんなガマンしちゃうんだよ』とA子は続けた。確かに通常セカンドビザをゲットするには90日の実労実績が90日必要だ。 だから働かない日があると実際には3ヵ月以上もファームに滞在しなければならない、というわけだ。私はギリギリの歳なので、キッチリ確実に3ヵ月でゲットしたい。『オーマイゴーッド…』今度は誰にも聞こえないくらいの声でつぶやいた。

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