【ACT29日】 オーストラリアの貿易政策を担うドン・ファレル貿易相が、オーストラリアの輸出企業に影響を及ぼす12.5%の関税をめぐり、G20会合で米国に対応を迫る。これまでで最も厳しい外交上の試練の一つとなる見通しだ。
オーストラリアの貿易相は今週、世界20カ国・地域の主要経済国が参加する米国でのG20会合に出席し、「開かれ、公正で、将来に適した」ルールの実現を訴える。
G20は世界のGDPの85%を占め、立場が大きく異なる国々が対話を続けるための場となっている。ファレル貿易相は29日の出発を前に、「今まで以上に、国際的なパートナーと協力し、これから直面する共通の課題と機会に取り組む必要がある」と述べた。
「オーストラリアの繁栄は、豪州企業がルールに基づく貿易を信頼し、公平な競争条件の下で競争し、世界市場に参入し、競争力を維持できるかどうかにかかっている。世界的な緊張の高まりと保護主義によって、世界の貿易システムの基盤は揺らいでいる。私は各国のパートナーに対し、貿易の流れを維持するための実践的な協力について合意するよう働きかける」
78兆豪ドル規模の世界経済をめぐる協議の場に参加することで、ファレル貿易相は、米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表に対し、オーストラリアが抱える懸念を直接伝える機会を得る。議題には、7月に実施された実質的な関税引き上げや、ドナルド・トランプ米大統領が最近示したディーゼル輸出停止の可能性も含まれる。
トランプ政権は、オーストラリアなど数十カ国がサプライチェーンにおける現代奴隷制への対策を十分に講じていないと主張し、オーストラリアからの輸入品に12.5%の関税を課した。
グリア氏は当時、「米国は約1世紀にわたり、強制労働によって生産された製品の輸入を禁止し、その措置を厳格に執行してきた。貿易相手国も同じ対応を取るべき時期はとうに過ぎている」と述べた。その上で、「今回の措置は、労働者の福祉を世界的に改善するため、人権侵害であると同時に貿易を歪める慣行となっている状況の是正につながる」と説明した。
新たな12.5%の関税率は、それまで適用されていた10%の関税が期限を迎えた後に導入された。米国では、2025年に国際的に広範囲に導入された関税について、米連邦最高裁が違法との判断を示している。
ファレル貿易相は、「オーストラリア政府は今後も国益を守り、輸出企業を支援するとともに、開かれ、公正で、将来に適した世界的な貿易システムの実現に向けて取り組んでいく」と述べた。またファレル貿易相は、EUとの自由貿易協定、韓国とのエネルギー安全保障、インドにおける豪州農家の市場アクセスについて協議するほか、米国との貿易戦争が激化するカナダとの経済関係をさらに深めることについても話し合う予定だ。
ソース:news.com.au – Trade Minister Don Farrell confronts US over tariffs and diesel threats at G20