【ACT19日】 オーストラリアのリチャード・マールズ国防相は、米国が韓国との合同軍事演習を縮小する方針を示したことを受け、「オーストラリアは北朝鮮の核・ミサイル開発を非常に懸念している」と述べ、ドナルド・トランプ米大統領とは異なる姿勢を示した。
トランプ大統領は前日、自身が北朝鮮の金正恩総書記と「非常に良い関係」にあることを理由に、韓国との軍事演習を縮小すると発表した。SNSでは、「これらの演習は費用がかかり、その多くを米国が負担している(いつものことだ)。さらに、北朝鮮に対して不必要に敵対的なメッセージを送るものだ」と投稿した。また、韓国が自身の進めるイランの「非核化」への取り組みに十分協力していないことも批判した。
これに対し、マールズ国防相は、日本の小泉進次郎防衛相との共同記者会見で、「米国が何をするかは米国自身の判断だ」としたうえで、「オーストラリアは北朝鮮の核開発だけでなく、ミサイル開発についても非常に懸念している」と強調した。さらに、昨年東京を訪問した直後に北朝鮮がミサイル発射実験を実施したことに触れ、「こうした活動は頻繁に行われており、引き続き深刻な懸念を抱いている」と述べた。
また、韓国はオーストラリアにとって重要なパートナーであり、日本を含めた3か国の防衛協力においても欠かせない存在だと説明した。「私たちが直面する厳しい安全保障環境において、北朝鮮は多くの課題を生み出している」と語った。
小泉防衛相は、防衛協力の強化を協議するためキャンベラを訪問した。その中で、日本がオーストラリアの演習場で極超音速ミサイルの試験を実施できるよう協力を進めたいと表明し、「実現すれば、米国との協力に次ぐ画期的な取り組みになる」と述べた。マールズ国防相も、この構想について「非常に期待している」と応じた。
また、小泉氏は、日豪共同開発の高出力レーザー兵器「ブーブック」の実証試験が成功したことも歓迎した。このプロジェクトは、オーストラリア国防科学技術グループ、三菱電機オーストラリア、三菱電機が共同で進めているもので、高速で飛行する敵のドローンをミサイルではなくレーザーで迎撃することを目的としている。
オーストラリアのパット・コンロイ国防産業相は声明で、「ブーブックは、日豪両国が最先端技術を共同開発し、オーストラリア国防軍の実際の能力向上につなげる協力の象徴だ」と評価した。
共同記者会見で、小泉防衛相はオーストラリアを「準同盟国」と表現した。これは相互防衛条約は結んでいないものの、同盟国に近い関係にあることを意味する。同氏は「インド太平洋地域の平和と安定のため、防衛協力を主導していかなければならない」と述べた。
一方で、防衛協力がどこまで発展するかは依然として不透明だ。日本の自衛隊は、法律上、日本に対する明確かつ差し迫った脅威がある場合などに限り行動できる。また、同盟国への支援も、日本の安全保障に重大な影響が及ぶ場合に限定される。
オーストラリア国際問題研究所(AIIA)のブライス・ウェイクフィールド事務局長は、「高市早苗首相が中東への情報収集部隊派遣を認めたからといって、日本の憲法上の制約がなくなったと考えるべきではない」と指摘した。さらに、「トランプ大統領からホルムズ海峡への対応を求められた際も、高市首相は日本が取れる行動には法的・憲法上の制限があると明確に説明していた」と述べた。
ソース:news.com.au – ‘Very concerned’: Australia breaks with Donald Trump on North Korea