【ACT29日】 労使裁定機関フェアワーク委員会(FWC)は来月3日、年次の最低賃金見直しに関する決定を行う見通しだ。国内の最大労組であるオーストラリア労働組合評議会(ACTU)は最低賃金の4.5%引き上げを求めており、これが実現すれば時給は25.18ドル、フルタイム労働者の年収は2,143ドル増の4万9,770ドルとなる見通しだ。
引き上げは国内の260万人以上の低賃金労働者が対象となり、7月1日から適用される。アルバニージー政権はインフレ率(2.4%)を上回る引き上げを支持しているが、具体的な数値は提示していない。
新たに雇用・労使関係相に就任したリッシュワース氏は今月初め、経済状況を考慮する必要はあるものの、「労働者は実質的な賃上げを受けるに値すると」と述べ、「経済的に責任ある実質賃金の引き上げ」を求める一方、「最低賃金の設定はFWCの判断に委ねられる」と述べた。
一方、ACTUのマクマナス議長は、オーストラリア・レストラン&カフェ協会(ARCA)が最低賃金を2%引き上げる提案をしたことについて、「実質的な賃下げ」と批判している。ARCAは、メリベール(Merivale)、フィンクグループ(Fink Group)、ヴァン・ハンデル(Van Haandel)などの大手ホスピタリティ企業が加盟しており、約50万人の組合員を代表する。
マクマナス氏は、「ARCAは低賃金労働者の賃金を大幅に削減したいと考えているかと思えば、次の瞬間には、自分たちのビジネスで消費が落ち込んでいると不満を述べ、厚かましいにもほどがある」と強く批判。実質的に賃金が下がれば、店でお金を使う余裕のある人もいなくなるとして、「自分で自分の首を締めるようなもの」だとの見解を示した。
ソース:news.com.au-Fair Work Commission to hand down annual wage review on Tuesday