【QLD1日】 国内最大級の環境団体5団体が、グレートバリアリーフ流域での森林伐採について、オーストラリアを毎年監視対象とするよう国連に要請する書簡を送付した。
上院の審議では、土地所有者から政府に対して行われた森林伐採に関する248件の問い合わせと11件のメールのうち、事前協議が行われたのはわずか6件にとどまっていたことも明らかになった。
この書簡はオーストラリア気候・生物多様性財団、グリーンピース、オーストラリア保護財団、WWFオーストラリア、ウィルダネス・ソサエティが4月に共同で作成したもので、ユネスコに対し、2029年まで毎年、森林伐採が減少している証拠を報告するようオーストラリア政府に義務付けることを求めている。
グレートバリアリーフは年間90億豪ドル以上の経済効果を生み、オーストラリア有数の雇用源でもある。1981年に世界遺産に登録されたが、近年は気候変動や水質汚染の影響により、ユネスコから「重大な懸念」の対象とされている。特に問題視されているのが、リーフへ流れ込む流域での森林伐採だ。アルバニージー政権は昨年末、環境保護・生物多様性保全法の改正の一環として、流域に通じる水路から50m以内の伐採に連邦レベルの審査を義務付けた。
環境団体は、森林伐採により乾燥した土砂や有害な農薬が海に流れ込み、サンゴを窒息させる恐れがあると警告している。書簡では、政府の改革は「流出汚染や水質悪化に対処する可能性がある」と評価しつつも、その実施状況によってはユネスコの懸念に対し「十分にも不十分にもなり得る」と指摘した。
一方で、これらの改革が実際に効果を発揮するかどうかを判断するには12〜36カ月かかるとの見方も示された。また、流域での伐採規制の主な責任を持つQLD州政府が、連邦政府と協力するのか、独自の規制を強化するのかも不透明だと指摘している。さらに、伐採申請の判断基準となる国家環境基準はまだ整備されておらず、政府による監視のための明確なデータや遵守メカニズムも不足しているとした。
新たな国家環境保護庁も少なくとも2026年7月までは設立されない見通しだという。この警告は、7月19日に開催されるユネスコ世界遺産委員会を前に出されたもので、リーフの管理状況が議題となる予定だ。
WWFオーストラリアのリチャード・レック氏は、沿岸や流域からの汚染がリーフにとって最大級の脅威の一つだと指摘。長年にわたり数百万トンの土砂が海に流入し、サンゴや海草を弱らせていると警告した。また、こうした汚染は先住民にとって重要な海や土地の文化的価値にも影響を与えているとした。
一方、環境相マレー・ワット氏は、ユネスコへの報告で必要な取り組みはすべて実施済み、または計画通り進行中だと強調。「オーストラリアは世界をリードする海洋保護管理を続けていく」と述べた。政府は水質改善やオニヒトデ対策、サンゴ礁再生プログラムなどに資金を投入しており、総額39億豪ドルの投資を行ってきたという。
また、新たな環境法改革によりさらなる水質改善が期待されるとしている。今後もユネスコや関係機関と協力し、気候変動という世界的課題に対応していく方針だとしている。
ソース:news.com.au – Australian environment groups write to UN over fears for Great Barrier Reef