【ACT30日】 オーストラリア政府は、国内で犯罪を犯した外国籍の数百人を太平洋のナウルに送還することで合意した。内務大臣トニー・バーク氏は、ナウル大統領デイビッド・アディアン氏らと覚書を締結し、釈放されたNZYQグループを受け入れることを確認した。
オーストラリア国内で生活する数百人の外国生まれの犯罪者が、バーク内務大臣が太平洋の島国ナウルと4億ドルの協定に署名したことを受け、同国へ強制送還される見込みだ。NZYQとは、2023年11月の最高裁判決で無期限拘留が違憲とされた350人の外国籍犯罪者を指す。グループには殺人犯や児童虐待者など、自国への送還を拒否した者も含まれる。中には、73歳の女性を暴行し20万豪ドル相当の所持品を奪った事件の加害者も含まれる。
バーク内務大臣は「有効なビザを持たない者は国を出るべき」と述べ、これは機能するビザ制度の基本だと強調した。覚書によれば、オーストラリアはまず4億800万豪ドルを前払いし、その後年間7,000万豪ドルをナウルに支払う。支払いは、最初の対象者がナウルに到着した時点で開始される。
今回の措置は、政府がNZYQメンバーを強制送還する権限を強化した直後に実施された。グリーン党上院議員デイビッド・シューブリッジ氏は「政府が自然正義の権利を無視している」と批判。野党党首スーザン・リー氏も「急ぎで秘密裏に進められた混乱の法案」と非難した。影の内務大臣アンドリュー・ハスティ氏は「これで5回目の緊急立法。バーク氏は移民制度の秩序を回復すべきだったが失敗した」と指摘した。
バーク内務大臣は今回の措置を送還プロセスの最終段階と位置付け、「全ての対象者はビザ申請手続き、メリット審査、司法審査、大臣介入の機会をすでに十分に利用している」と述べた。
ソース:news.com.au-Hundreds of crims deported to Nauru in huge Tony Burke move