【NSW8日】 シドニーのボンダイビーチで行われた親パレスチナ派と親イスラエル派の抗議活動が衝突し、殴打や罵声が飛び交う事態となった。NSW州のクリス・ミンズ州首相は「豪州に政治的暴力の居場所はない」と強く非難した。
事件が起きたのは日曜日の午前。ユダヤ系活動団体「Jews Against the Occupation(占領に反対するユダヤ人)」が企画した親パレスチナ派によるパドルアウト抗議活動の最中、対立する親イスラエル派のグループとにらみ合いが発生。警察が多数出動していたにもかかわらず、ボンダイ・パビリオン前の階段で殴り合いや「全員国外追放しろ」といった罵声が飛び交う様子が映像で確認された。
翌日の会見でミンズ州首相は、「豪州の価値観に反する行為だ。政治的暴力を持ち込む者は非難されるべきであり、わが国にはその余地はない」と述べた。また「多くの人々が政治的暴力のない社会を求めて豪州にやって来ている。警察はどこであろうと対処する」と強調。抗議の自由は認められるが、「他者を攻撃したり自由を侵害する権利はない」と釘を刺した。
抗議活動は「平和的な集会であり、ガザ封鎖下にあるパレスチナ人の苦境を訴えるため。子を失ったパレスチナ人の父親を父の日に追悼する」趣旨で行われ、数百人がパレスチナ国旗やプラカードを掲げて砂浜に集結。一方、イスラエル国旗を身にまとったカウンター側の参加者は「テロリスト」「国に帰れ」と妨害や暴言を浴びせ、緊張が高まった。
NSW州警察によると、公共秩序・機動隊を含む複数部隊が現場に出動し、もみ合いに介入したが逮捕者や負傷者は報告されていない。調査は続いているという。
ソース:new.com.au – ‘Not for Australia’: Premier condemns violence after Bondi Beach protest clash