【QLD15日】 QLD州で、致死性の合成オピオイド「ニタゼン」と疑われる薬物摂取による2人目の死亡が確認された。
今月の2例目のニタゼン関連死亡は、スクーリーズ・ウィーク(卒業旅行シーズン)の1か月前に発生し、QLD州政府がピル検査を禁止してからわずか数週間しか経っていない。最新の死亡例では、新種で研究されていないタイプのニタゼンが関与していたことから、保健局が公衆衛生警告を発した。
新種は「opioid F5」と記されたプラスチックのジップロック袋に入った白い粉末として発見され、従来のニタゼン検査用試験紙では反応しなかった。QLD州保健局の警告によると、「5-cyano-isotodesnitazene」の効力や毒性に関するデータはほとんどないという。
今月初めにも、州当局は別のニタゼンに関する警告を発している。別の毒性検査では、2種類のニタゼンが確認された。その2種類は、「N-ピロリジノプロトニタゼン(N-pyrrolidino protonitazene)」と「プロトニタゼン(protonitazene)」である。これらは、薄い黄色のクマ型ピル(“Y”の文字入り)で確認された。
ニタゼンは、ここ数年でオーストラリアに流入または国内で製造されるようになったが、ヘロインよりも数十倍強力で、しばしばエクスタシーなどの娯楽用薬物に混ぜられる。
ABCの報道によれば、今月のQLD州での最初の死亡例は薄黄色のピルに関連しており、2例目は「opioid F5」粉末に関連している。
保健局は、これらの2件についての問い合わせを検視裁判所に回しており、同裁判所にコメントを求めている。当局の公衆衛生警告では、「ニタゼンはヘロインやフェンタニルのように作用する非常に強力な合成オピオイドで、少量でも生命を脅かす毒性を引き起こす可能性がある」とされている。
QLD州では、今年4月にブリスベンとゴールドコーストでピル検査を行っていたCheQpointの資金提供が打ち切られ、9月には民間資金によるピル検査が禁止される法律が議会を通過した。現在、NSW州、ACT、VIC州、ニュージーランドにはピル検査施設があり、この実施は欧州では数十年にわたって行われている。
今年発表されたクイーンズランド大学の調査では、ピル検査サービスが「有益な被害軽減(valuable harm reduction)」につながることが示され、利用者は薬物使用を減らす効果があったと報告されている。調査では、2つのピル検査施設と主要フェスティバルで、1,341人を対象に12か月間アンケートが行われ、参加者の4分の3が薬物健康について初めて相談する機会を得たことがわかった。
ソース:news.com.au – Second Qld death this month linked to synthetic nitazene opioids