【ACT7日】 オーストラリア犯罪学研究所(AIC)の最新報告によると、2023〜24年度における重大・組織犯罪による経済的損失は最大820億豪ドルに達し、そのうち約590億豪ドルが犯罪活動による損失、234億豪ドルが防止・対策費として費やされたという。
最も大きな打撃は違法薬物取引で、経済損失は190億豪ドル。オーストラリア国内ではメタンフェタミン約80億豪ドル、コカイン約20億豪ドル分が消費されたと推定された。金融犯罪は132億豪ドルに上り、脱税やペーパーカンパニー設立による債務逃れなどが多発。暴力、窃盗、詐欺、放火などの犯罪も109億豪ドルの損失をもたらした。
また、違法商品の取引による損失は86億豪ドルで、その約半分が不正たばこ取引によるものだった。昨年から大幅に増加しており、電子タバコはこの数値に含まれていない。サイバー犯罪は45億豪ドル、人身売買や児童性搾取など「人を対象とする犯罪」は11億豪ドルとされた。
AICは、この推計値は実際より控えめな数字だとしつつ、「重大・組織犯罪は計画的かつ金銭目的で長期的に行われるため、経済や社会に広範な悪影響を与えている」と指摘。防止・対策に投入される莫大な資金は、本来医療・教育・インフラなどに充てられるべきものであり、国家的課題としての対応強化を訴えている。
ソース:news.com.au – New report reveals serious and organised crime costs the Australian economy up to $82bn