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中東情勢の影響で牛乳値上げ

【ACT23日】   中東での紛争の影響が家計に及び始める中、大手スーパーのコールズは、自社ブランドの牛乳価格を引き上げると発表した。

同社は酪農家からの要請を受け、自社ブランド牛乳を1リットルあたり20セント値上げした。背景には、米国・イスラエルとイランの対立が長期化し、ディーゼル燃料や肥料、輸送コストが急騰していることがある。こうしたコスト増が、すでに厳しい収益状況にある食品供給業者の経営を圧迫している。

業界関係者は、こうしたコスト上昇が今後数週間以内に家庭の食料品価格へ反映されると指摘している。IGAの最高経営責任者フレッド・ハリソン氏は、「今後4〜6週間で食品価格は全体的に上昇する」と述べた。ハリソン氏は「今回の値上げの一部は酪農家に直接還元され、肥料や輸送費の負担軽減に充てられる」と説明している。

コールズでは、プライベートブランドの牛乳価格が、1リットルは1.85豪ドル(従来1.65豪ドル)、2リットルは3.55豪ドル(同3.20豪ドル)、3リットルは5.15豪ドル(同4.65豪ドル)に引き上げられた。

同社は声明で、「燃料や肥料、包装資材の高騰により、農家や供給業者だけでなく、多くの家庭が生活コストの上昇に直面している」と説明。「酪農サプライチェーン全体のコスト増に対応し、酪農家を支援するため、価格引き上げを決定した」としている。また、値上げ分の一部は直接契約する酪農家に追加支払いとして還元されるほか、包装費や燃料関連コストにも充てられるという。さらに、農家支援として一時金100万豪ドルの支払いも実施する。

一方、酪農家が所有する協同組合ノーコも、供給コストの急増を受け、1リットルあたり5セントの値上げを発表した。最高経営責任者のマイケル・ハンプソン氏は、現在のコストを「前例のない水準」と表現している。この値上げにより、平均的な家庭の食費は週あたり約30セント増加する見込みだが、農家には月間100万豪ドルの追加収入がもたらされるという。

ハンプソン氏は「燃料費は2倍、肥料は3倍、輸送費は40%増となっており、このままでは持続不可能」と指摘し、「今回の値上げは小さいながらも重要な一歩だ」と強調した。また、今後さらなる値上げの可能性も否定しなかった。

一方、ウールワースは現時点で価格引き上げを発表していないが、自社ブランドに関わる酪農家への支払いを1リットルあたり10セント引き上げる方針を示している。同社は「農家が直面するコスト上昇を認識している一方で、家庭の負担も増しており、価格転嫁はさらなる負担につながる」とし、できる限り店頭価格への影響を抑える姿勢を示した。

また、アルディも「供給業者との公正な関係を維持しつつ、可能な限り低価格を維持する」とコメントしている。

しかし、業界団体オーストラリア酪農家連盟のベン・ベネット会長は、現行の支援策では不十分だと指摘し、「恒久的に20%の値上げが必要」と訴えている。「農家はサプライチェーンの最下流に位置し、十分な収益が得られなければ持続できない」と述べ、今回の値上げがチーズなど他の乳製品価格にも波及する可能性を示した。

さらに、資金不足により牛の飼育頭数を減らす農家も出てきており、NSW州やQLD州では生産量の縮小が始まっている。

ソース:news.com.au – Coles increases own-brand milk prices by 20c a litre due to war in Middle East

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