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インフルエンザによる死亡者数が今世紀最多に

【ACT5日】   過去100年で最悪のインフルエンザ流行を経験したオーストラリアでは、冬を前に呼吸器感染症への警戒が高まっている。専門家は、現在の感染状況が比較的落ち着いているからといって油断すべきではないと警告している。

5日の科学ブリーフィングで、専門家らは2026年のインフル流行は依然として予測が難しく、ワクチン接種率の低さや、昨年の異例に長引いた流行が今後の手がかりになる可能性があると指摘した。

2025年には、インフルエンザによる死亡者数が1700人を超え、今世紀で最多を記録した。年初の状況としては、インフル、COVID-19、RSウイルス(RSV)のいずれも昨年より低い水準で推移している。2026年のインフル感染者は約2万9300人で、前年同期の約半分。新型コロナも約3万1000件と同様に減少している。

それでも専門家は、本格的な流行はこれからの寒い季節にピークを迎えるため、楽観視は禁物だと強調する。特に注目されるのは死亡傾向の変化だ。2025年8月以降、インフル関連の死亡者数が新型コロナを上回っており、2020年から続いていた「主要な呼吸器感染による死因」としてのコロナの位置づけが変化した。ただし、これはウイルスの重症度が増したためではなく、感染者数の急増が背景にあるとされる。

ドハティ研究所のパトリック・リーディング教授は、2025年の流行について「規模と期間の両方で異例だった」と説明。特に春以降に別のウイルス亜型が主流となり、流行が長期化した点が特徴だったという。また、医療現場への負担も深刻だ。2022年以降、21の病院で1万人以上の子どもがインフルで入院し、そのうち6%以上が集中治療室に入った。

一方で、ワクチン接種率は低下しており、幼児では4人に1人、働く世代では3割程度しか接種していない。65歳以上でも約4割が未接種のままだ。専門家は、ワクチンによって入院や死亡リスクを大幅に減らせると強調する。「感染自体を完全に防げなくても、重症化や合併症、死亡のリスクを下げる効果がある」と説明している。

2026年シーズンに向けては、流行が予想されるウイルス株に合わせてワクチンの成分も更新された。ただし、どのウイルスが主流になるかや流行の規模は依然として不透明だ。専門家は、インフルエンザは過小評価されがちだが、健康な人でも重症化や死亡に至る可能性があるとして、特に高齢者や乳幼児、基礎疾患のある人などは注意が必要だと呼びかけている。

ソース:news.com.au – Flu overtakes Covid as leading respiratory killer ahead of winter season

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