【NSW5日】 新たな映像と画期的な調査により、オーストラリアで進行する深刻な森林破壊の実態が明らかになり、活動家たちが警鐘を鳴らしている。
市民科学者による大規模な調査の結果、QLD州およびNSW州で、違法の可能性がある森林伐採が数千ヘクタール規模で行われていたことが判明した。これを受け、労働党政権の環境改革にも注目が集まっている。
オーストラリア自然保護財団(ACF)の初期報告によると、QLD州南東部およびNSW州西部で森林破壊の事例が複数確認されており、コアラや絶滅危惧種のピンクオウムにとって重要な生息地が含まれている。
ACFの調査責任者アニカ・シュー氏は、この調査は「氷山の一角」にすぎないと述べ、労働党が環境保護・生物多様性保全法の大幅改正を可決してから半年余りという重要な時期に行われたと指摘した。「市民科学者や調査員は全国で違法の可能性がある森林伐採の実態解明に取り組んでおり、いくつかの地域ではリスクの高い伐採を止めることに貢献できたと考えている」と同氏は述べた。また、「新たな国家環境法の施行にあたり、政府は新設される国家環境保護庁が確実に法令遵守を徹底するようにすべきだ」と強調した。
なお、今回の調査では特定の土地所有者が違法行為を行ったと断定されているわけではない。
この調査には39か国から1600人以上の市民科学者が参加し、合計約110万ヘクタール(タスマニアの約1.6倍)の土地が調査対象となった。QLD州ゴールドコースト東部のアンダラでは、約700ヘクタールのコアラ生息地がブルドーザーで伐採された疑いがあり、ACFはこの件を連邦の気候変動・エネルギー・環境・水省に報告している。同氏によると、QLD州では住宅開発に関連し、適切な環境評価を経ていない可能性がある伐採事例が少なくとも4件確認されている。
さらにNSW州西部のバイロックでは、ピンクオウムの生息地とみられる約5000ヘクタールが伐採された可能性も報告された。同州北部でもコアラ生息地の伐採が疑われている。ACFによると、これまでに計22件が州または連邦当局に報告されている。
連邦の担当省は声明で、QLD州アンダラおよびNSW州ニアンガラ、バイロックでの森林伐採疑惑を把握しており、「絶滅危惧種への影響の可能性を含め、現在さまざまな段階で調査中」としている。
アルバニージー政権とマレー・ワット連邦環境相は、昨年の法改正を環境規制の転換点と位置づけているが、重要な施策の多くはまだ実効性が試されていない。国家環境保護庁は7月1日に発足予定であり、現在は国家環境基準の策定に向けた協議も進められている。これは、今後プロジェクト審査時に求められる環境基準を明確にする初の取り組みとなる。
一方、NSW州政府は昨年、中北部沿岸に設置予定のグレート・コアラ国立公園の境界を発表し、その区域内では天然林の伐採が一時停止されている。
ソース:news.com.au – Alarm bells over land clearing in Queensland, NSW after landmark ‘citizen’s’ report