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新たな現金維持策、納税者に最大4億ドル負担の可能性

【ACT29日】   オーストラリア政府の現金流通を維持する新たな計画が、数億豪ドル規模の負担を納税者に負わせる可能性があるとして批判を浴びている。

アルバニージー政権は現金の流通維持を目的に「現金流通枠組み法案」を発表した。この法案により、オーストラリア準備銀行(RBA)とオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)に新たな規制権限が付与され、国内での現金流通や現金決済の促進を図る。新制度では、RBAが現金流通の重大な混乱に対応できるようになり、ACCCは企業が顧客に現金決済の選択肢を提供し続けるよう監督する役割を担う。

しかし、この計画に対しては批判が強まっている。労働組合関係者のビル・ケルティ氏は、現金輸送会社アーマガードが危機に陥った場合の安全網として、納税者資金4億豪ドルを確保する条項を問題視した。「仕組み自体を改善しないまま、さらに4億豪ドルの公的資金で問題を肩代わりしようとしている」と批判した。

一方、オーストラリア銀行協会のサイモン・バーミンガム会長は、この制度は補助金ではなく、例外的な状況で現金供給を維持するための適切な危機対応権限だと説明した。現金利用を推進する団体のジェイソン・ブライス氏は、この案は銀行の負担を納税者に転嫁するものだと指摘した。

「制度が破綻すれば負担は納税者に及ぶ。それは避けなければならない」と述べたうえで、現金流通は国家の重要な経済インフラであり、安全で信頼性の高いサービス維持が不可欠だと強調した。また、銀行が責任を持って資金を拠出し、安定した現金サービスを支えるべきだと主張した。

一方、上院の公聴会では現金輸送の安全性を巡る問題も浮上した。運輸労働組合は、数百万豪ドルの現金が一般乗用車で運ばれている実態を指摘した。証言によると、「ヒュンダイi30のような車で、単独の作業員が数百万ドルを運搬しているケース」があり、強盗のリスクが高まっているという。

銀行がコスト削減のため、安全基準の低い業者を利用しているとの批判も出ている。アーマガードのマット・コールフィールド最高経営責任者は、同社が1日約8000件行う業務の一部が、武装していない単独作業員や非装甲車両で実施されていると説明した。過去3か月で武装強盗が2件発生し、危険の兆候も過去最高水準に達しているという。

運輸労組のガビン・ウェブ氏は、5月にQLD州南東部のショッピングセンターで現金輸送中の労働者2人が襲撃され、現金を奪われたと証言した。こうした現金輸送業務では、過去に死亡事故も発生しており、深刻なリスクが存在すると指摘した。また、安全な装甲車両は1台約30万豪ドルと高額であり、コスト負担が大きいことも課題となっている。

業界内では、増大するコストを誰が負担するかを巡り、現金輸送業者、銀行、小売業者の間で意見が対立している。アーマガードのピーター・リンフォックス会長は、同社の損失補填のためにこれまでに1億2500万豪ドルが投じられたと明らかにした。出資者は当面利益を見込んでいないという。

新型コロナ以降、オーストラリアでは現金利用が大幅に減少し、流通量も減ったことで、現金配送を担う企業への負担が増している。オーストラリア銀行協会によると、支払いのうち現金は約15%にとどまり、多くの人がタッチ決済を好んでいる。

ソース:news.com.au – Government’s new cash plan could have taxpayers footing a $400m bill

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