【NSW6日】 シドニー動物園のオランウータン、サンタンが、慢性的な痛みに対する世界初の手術から1年以上を経て、再びロープを使って登れるようになった。
世界初の手術から1年以上が経過し、サンタンは再び自力で動けるようになっている。新たな映像では、重度の関節炎による慢性痛の治療を受けた後、高所のプラットフォームに戻っている様子が確認されている。
手術前、サンタンの関節炎は運動能力を大きく制限し、登ることや餌を探すこと、生息環境内での交流にも影響を及ぼしていた。飼育員によると、現在はロープや高所の構造物を日常的に利用し、周囲への好奇心や関与も大きく高まっているという。
サンタンの治療には、複数の関節に対する高周波焼灼術(ラジオ波アブレーション)が用いられ、オランウータンに対しては初の試みとみられている。この手術は、人間の医療で一般的に用いられる痛み管理の技術を大型類人猿に応用したもので、獣医専門医と整形外科医の協力によって実施された。
手術に関わったポール・ソーントン=ボット医師は、「この技術を大型類人猿に適用するには、複数分野にわたる綿密な計画と専門知識が必要だった」と述べた。また、「この成果はサンタンだけでなく、人間の管理下にある他の大型類人猿の生活の質を大きく向上させる革新的治療の可能性を示している」と語った。
シドニー動物園の獣医サービス責任者クレセン・ピレイ氏は、この処置によってサンタンに「ここ何年も見られなかったレベルの快適さと可動性」がもたらされたと説明した。「再び登り、環境を探索し、全体的な健康状態の大きな改善を示す行動が見られている」と述べた。
霊長類チームにとっても変化は大きく、担当マネージャーのルー・グロスフェルト氏は、サンタンが再び登る姿を「驚くべきもの」と表現した。「以前は痛みによって制限されていた性格の一部を取り戻したかのように、より好奇心旺盛で活発になり、周囲への関与も大きく高まっている」と述べた。
スマトラオランウータンは、スマトラ島北部のみに生息する絶滅危惧種であり、生息地の喪失、森林伐採、パーム油開発、違法な野生動物取引などの圧力にさらされている。主に樹上で生活し、高い知能を持ち、繁殖速度が遅いことから、個体数が減少すると回復が特に困難とされる。
シドニー動物園では、サンタン、マイ、デウィの3頭のスマトラオランウータンを飼育しており、日々のケアや生息環境の管理、環境エンリッチメント、そして野生で直面する脅威についての教育に力を入れている。
ソース:news.com.au – Santan the orangutan climbing again after groundbreaking surgery at Sydney Zoo