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出生率低下から家族支援の向上を求める声

【ACT9日】   オーストラリアで出生率の低下が続く中、家族への支援が十分かどうかをめぐる議論が再び活発化している。著名な人口学者ピーター・マクドナルド教授は、現在の家族向け税制は「不公平」だと指摘し、より強力な支援策の必要性を訴えた。

ポッドキャスト番組でマクドナルド教授は、家族向け支援は長年にわたり徐々に縮小されてきたとし、以前に比べて家族手当を受け取る世帯が減っていると説明した。「子どもを持つ家庭への支援が税によって実質的に削られてきたのは不公平だ」と述べ、より良い支援の在り方を検討すべきだと強調した。また、家族政策の強化は単に出生率を引き上げるためだけでなく、家庭の生活を安定させ、子どもの教育環境を整えることにもつながると指摘した。

実際、2022〜23年には家族手当Aを受給した世帯は全体の42%、ひとり親や単一所得世帯などを対象とするBは35%にとどまっている。オーストラリアの合計特殊出生率は女性1人あたり1.5人と過去最低水準にあり、オーストラリア生まれの女性に限っても1.7人となっている。

この問題は現在、移民政策や税制、保育制度をめぐる政治的な議論とも結びついている。ワン・ネーション党は「所得分割(income splitting)」を提案しており、夫婦間で課税所得を分けることで税負担を軽減する仕組みだが、議会予算局は年間約120億豪ドルのコストがかかると試算している。同党のバーナビー・ジョイス議員は、「親が家庭で子どもを世話すれば保育の必要が減る」と述べ、出生数を増やす必要性を強調し、「子どもが増えなければ移民に頼らざるを得ない」と主張した。

これに対しマクドナルド教授は、この政策は女性の就労を妨げる可能性があるとして反対の立場を示した。「現在は女性の方が高学歴でキャリア志向も強く、働き続けたいと考えている」と指摘している。

一方、野党連合は2028年の総選挙に向けて包括的な家族支援策を検討しており、与党労働党は保育制度改革を重視している。アンソニー・アルバニージー首相は、ユニバーサル保育の実現を目標に掲げており、現在の制度では対象世帯に対して週3日分の補助付き保育が提供されている(ただし年収53万8520豪ドル超の世帯は対象外)。

さらに議論は移民政策にも波及している。労働党は2027〜28年までに純海外移民数を年間22万5000人に抑える方針を示し、野党連合は20万人未満、ワン・ネーション党は一時・永住ビザを合わせて年間13万人への削減を主張している。

こうした中、マクドナルド教授は「一時的な移民よりも永住移民を優先すべきだ」と述べ、短期ビザの入れ替わりが激しい現状が労働生産性の低下につながっているとの見方を示した。

ソース:news.com.au – Demographer Peter McDonald urges better support for families amid tax, childcare and migration debate

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