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メルボルンの超顕微鏡シンクロトロン、科学の新時代到来

 【メルボルン31日AAP】メルボルン南東部に建設された超顕微鏡シンクロトロンが31日、公式に運営を開始した。科学者は、このシンクロトロンが国内の研究環境を大幅に改善し、豪経済へ何百万ドルもの貢献をすることになるだろうと期待している。

 ウォルター・アンド・エリザ・ホール研究所の医学研究主任スザンヌ・コリー教授は、「このシンクロトロンによって、国外への頭脳流出傾向が流入へと変わり、国内の多くの研究分野で画期的な変化が見られることになるだろう」と、期待をよせた。

 シンクロトロンは、電子を加速して作り出す太陽光より百倍も強い光線を照射することによって、研究対象となる物質を詳しく解明することが可能となる。これまでに海外では、デザイナー医薬品、フラットスクリーンコンピューター、ジェットエンジンの耐久性向上、より滑らかなチョコレートやより高吸収力を持つ紙オムツの開発などにもシンクロトロンが利用されてきた。

 世界には40ヶ以上のシンクロトロンが存在するが、ビクトリア州政府によれば、総工費2億700万ドルをかけたメルボルンの設備は世界のトップ10に入るものだという。これによって、年間1億1千万ドルが国内経済に貢献され、2500人の直接的、間接的な職に生み出されると期待されている。

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