一般

エビの頭に含まれる強力な老化防止成分、商業的利用が可能になる

   【シドニー14日AAP】エビの頭に含まれる人間に非常に有効な老化防止成分アスタキサンチンの抽出技術がついに開発され、同成分の商業的利用が実現しそうだ。

   エビを加熱した際に色を赤く変える作用を持つアスタキサンチンは、人間の細胞劣化を防止する重要な働きも持っており、現在よく知られている果物や野菜に含まれる老化防止成分と比較して10倍も有効だといわれる。その有効性は長い間知られてきたが、今までは効率的に成分を抽出する技術が存在しなかった。

   同技術を開発したNSW大学の博士課程で学ぶレヌーカ・カルッパスワミーさんは、特定の圧力と温度下での二酸化炭素を使用することによって、同成分をエビの殻から抽出した溶剤から目的の成分のみを分離させることに成功した。この新技術によって、アスタキサンチンを商業的規模で抽出することが可能となる。

   現在販売されているアスタキサンチンの大部分は特定の藻から取り出されたものか人工的に製造されたもので、1グラム当たり200ドルもする。新しい抽出技術が確立されることによって、エビのアスタキサンチンの商業的利用が可能となるだけではなく、今まで世界中でシーフード好きによって年間何千トンという規模でゴミとして捨てられてきたエビの殻が再利用されることとなり、環境にも優しい結果となる。アスタキサンチンは、緑内障、アルツハイマー病などの病気と関連されている細胞の老化作用から体を守る働きを持つ。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら