ビジネス

豪ドル、平価以下に戻る可能性あり

【シドニー7日AAP】   通貨市場が急騰すれば、数週間以内に1豪ドルが1米ドル以下となる可能性が高い。10年前には約50米セントの価値しかなかった豪ドルだが、近年は平価を上回ることが当たり前となった今、これからの動向が懸念される。

今年に入り、豪ドルが米ドルとの平価を下回ったのはわずか数週間だけで、1.08米ドルという高値を付けたこともあった。だが、ウエストパック銀行の外為専門家の話では、今後数週間のうちに98米セントまで下がる可能性もあり、その後数か月にわたり軟調が続く恐れもあるという。

オーストラリアの最大貿易国である中国で、物価の下落や経済の減速が顕著となり、BHPなどの探鉱会社が新規プロジェクトの棚上げや延期を決定したことから、資源ブームが終わるのではという憶測が金融市場に流れている。その結果、豪ドルへの見方も厳しさを増しているようだ。

だがここ数日は、オーストラリアの8月の失業率が5.1%に下がったことや、欧州の中央銀行がスペインやイタリアなど財政難の諸国の高額負債を押し下げると発表したことから、豪ドルの勢いが回復している。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら